エピソード1:ひそかなプロポーズ
3歳クラスの担任をしていた頃のお話です。恥ずかしがりやな男の子Ⅰ君のお母さんがお迎えに来たとき、こんなお話しを聞きました。「昨日Ⅰが、『僕ね、まゆか先生と結婚する~』って言ってたんですよ! あの子、『ママと結婚する』以外に言ったことなかったので驚いて…!」
なんとひそかなプロポーズ…。うれしすぎる…! いつも慕ってくれていた甘えんぼな男の子だったので、なんだかとっても可愛くて愛しかったです(笑)。先生をやっているからこその経験ですね。
エピソード2:初めて名前を呼ばれた日
私が新卒の頃に担任していたクラスには、あまり先生たちのことを「〇〇先生」と名前では呼ばない女の子Mちゃんがいました。呼ぶのは、前年度から持ちあがりでMちゃんの担任をしている先生のことだけ。だけどどうしても名前で呼んでほしい! 私のことを、しっかり認識して信頼してほしい! そんな思いで、毎日「まゆか先生だよ~」と話しかけていました。
そんなある日、活動をしているとMちゃんが…。「ねえまゆかせんせい~」と小さな声で呼んでくれました。感動で思わず泣きそうに(笑)。Mちゃんに少し近づけたのかな? と思えた瞬間でした。
名前を呼ぶ、に焦点を当てると別のエピソードも!
担任ではなかったけれど、夕方の合同保育でよく保育に入っていた1歳クラス。Nちゃんという、よく笑う活発な女の子がいました。でもまだ、先生の名前はあまり分からない…そんな時期。その子には、私が担任してたクラスにお兄ちゃんがいました。
ある日、私には保育士を辞めたい、と思うほど落ち込むことが…。そんなときに1歳クラスに入ると、Mちゃんが近づいてきました。そして…「まゆせんせい~!」。”まゆか”は言いづらかったのですね(笑)。
名前を呼ばれた驚きはもちろんですが、そのときのMちゃんの笑顔が心に残り、今でも離れません(涙)。その顔を見て、「頑張ろう」と思えました。お兄ちゃんが家で私のことを話してくれていたのかな? 子どもの何気ない一言や表情、心の支えになりますよね。
エピソード3:信頼されている感覚
2歳クラスの担任をしていたときのこと。朝、なかなか保育園の玄関先から動けない男の子H君がいました。ママも朝は忙しく、時間がないときは保育士が対応を代わり見送ることも多々。でもそうすると、当然H君は泣いてしまっていました。そんなある日、いつものように他の保育士さんが「お部屋に入ろう」と声をかけると…「まゆか先生がいい!」とH君の口から。
その時期H君はちょうど「イヤイヤ期」真っ只中だったので、毎日なるべく丁寧に関わることを心がけていました。そんな私の気持ちが実ったのか、H君が求めてくれたことがすごくうれしかったです! それから毎朝、「まゆか先生いるよ」と他の保育士さんに教えてもらい、トコトコお部屋に入ってくるH君、可愛かったです(笑)。
保育士をやっていると、毎日の業務、人間関係、いろんなことで辛いことや悩むことも出てきます。そんな気持ちを救ってくれるのは、やっぱり子どもたちでした。子どもたちにとって先生は信頼できる存在、先生にとって子どもたちは守るべき大切な存在。保育士って、素敵なお仕事です!
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