スウェーデンの保育士の働き方
スウェーデンをはじめとする北欧各国での働き方に全般ついては、「残業もなく休みもたくさんとれる」という印象があると思います。これは保育士においても同じなのでしょうか? そんな疑問に答えるために、今回はその働き方についてお伝えします。スウェーデンでは従業員に年間5週の有給休暇が与えられています。多くの従業員は夏(7月)に連続した4週間の休暇を取ります。プレスクールに通う子どもたちの家庭の大多数も、この時期に休暇を取ります。そのため、保育士もそれに合わせて休むことができます。
しかし、中には保育が必要な子どももいるので、経営母体が同じ近隣のプレスクールと協力して、どこかで必ず預かれるようにしています。その間は1週間交代で出勤するか、休暇をずらしたいという保育士が買って出る形で対応しています。
休暇の重要さを知っている国
プレスクールは福祉の側面も担っているため、社会のあり方に大きく左右される業界だと思います。それでも、国をあげて休暇の重要さを知っているスウェーデン社会では、プレスクールは決してブラックな環境ではありません。もちろん育児休暇も傷病休暇も取得できます。現在、同僚の2人が妊娠及び育児休暇中ですが、双方つわりがひどく妊娠初期は傷病休暇届を出し、しばらく出勤しませんでした。1人は妊娠してからプレスクールの業務が困難で、ずっと在宅をしています。
非常勤の保育士「ヴィカリエ」を活用
スウェーデン社会には、新卒一括採用のような仕組みがありません。「コネ」というとネガティブな印象ですが、人脈が労働市場では非常に重要になります。その人脈を作る手段の一つがこの「ヴィカリエ」という働き方です。日本の保育園の場合だと、非常勤スタッフのような立場と捉えて下さい。
次回も引き続き、保育士の働き方にフォーカスして、土日の保育、夜間保育、福利厚生の部分に触れたいと思います。
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