「移動図書館」は夢の国!
私は自他共に認めるかなりの絵本マニアです。子どもの頃から絵本が大好きで、たくさんの作品に出会ってきました。(写真:ライターまゆかです。絵本特集雑誌を眺めるのが大好きです。)
絵本との最初の出会いは、子どもの頃住んでいた団地に来ていた「移動図書館」。知っている方、利用したことがある方、いますか? 今はもう見かけることもなくなってしまいましたが、いわゆるマイクロバスの中に絵本がぎっしり詰まっているのです。ところ狭しと絵本が詰め込まれたバスは、当時の私にとっては夢の国。毎週やってくるのを楽しみにしていました。
そんな私は大人になってから、絵本に“生き方”を学ぶこととなります。
独特の世界観ヨシタケワールド
私は絵本作家のヨシタケシンスケさんの大ファンです。絵を見てピンと来た方も多いはず。代表作の「りんごかもしれない」「このあとどうしちゃおう」など、“想像力”を発揮した世界観が魅力の作家さんです。例えば、服が脱げなくなった子どもの表紙が可愛らしい「もうぬげない」。服が脱げなくなってしまった。このまま一生脱げなかったらどうしよう。と、男の子がいろいろな想像を巡らせます。脱げないわけはないのに(笑)、その子どもらしい発想が可愛いのです。
作:ヨシタケシンスケ
出版社:ブロンズ新社
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子どもの発想とはおもしろいもので、大人が気付かないようなところに気付いたり、なんともユニークなアイデアを生み出したりします。ヨシタケさんの絵本では、そんな楽しい想像の世界が繰り広げられていて、読んでいるとワクワクしてしまう魅力が詰まっています。
「こころの処方箋」と謳われた絵本
そんなヨシタケシンスケさんファンの私ですが、ある一冊の絵本に心を大きく動かされることとなります。それがこちら、『ころべばいいのに』。作:ヨシタケシンスケ
出版社:ブロンズ新社
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表紙がもう何とも言えない! 可愛すぎる! 女の子の不満げな顔からはまさに「ころべばいいのに」という黒い心の声が聞こえてきそうです。
絵本屋さん巡りをしていたとき、ちょうど新刊で並んでいたこの絵本を見つけ、「すごいタイトル!」と思ったことをきっかけに購入。今回はどんなヨシタケワールドを繰り広げているのか…ワクワクして読んでみると、そこに描かれていたのはなんと。“気楽に生きる方法”でした…
生きていると、どうしても“嫌いな人”に出会うものです。イライラしたり、相手を理解できなくてモヤモヤしたり、「こんな気持ちになる自分も嫌だ!」と自己嫌悪に陥ったり。でも、正直どうしようもない感情ですよね。
そんなとき、ちょっとだけ視点を変えると「あれ?意外と大丈夫かもしれない」と心が軽くなるかもしれません。じゃあどうするのか。それはこの本を覗いてみてください。
この絵本はただの絵本ではない、生き方の指南書である。そう私は思っています(笑)。
絵本選びはフィーリング
絵本を選ぶ基準はたくさんあると思います。例えば「イラストが可愛い」とか、「ストーリーが愉快だ」とか。どんな選び方も、“好きな絵本”に出会うきっかけになることは間違いありません。そんな中で私の絵本の選び方は、「フィーリング」。絵本屋さんで絵本を読んでみると、「なんか分からないけどジーンときた!」「涙が出そう!」「心が軽くなった!」そんなふうに感じる作品があります。そう来たら、お買い上げです(笑)。
特別な理由はなくても、フィーリングで心に響いた作品はきっと一生忘れられない一冊になるだろうと、私は考えています。ふとしたときに読み返すと、それだけでホッと癒されますよ。そんな絵本探しを、ぜひ皆さんもしてみてはいかがでしょうか。
絵本ってすごいんです
絵本=子どもの本。そんなイメージもありますが、実は大人が読むからこそ、その中に隠された本当の魅力に気付くこともあります。本当に絵本って、すごいんです。▼その他おすすめ記事はこちら