保育士の皆さんに忘れてほしくないこと
もうすぐ新年度が始まります。子どもたちと過ごす毎日は刺激的で、日々違う楽しさがあって、あっという間に過ぎてしまったのではないでしょうか。来年度はどんなクラスになるのか、ドキドキとワクワクが入り混じる時期ですね。さまざまな想いを個々に抱えている中ではありますが、保育士さんにいつでも忘れてほしくないことがあります。それは「思いやり」です。当然のことのように感じるかもしれませんが、実は意外と難しいもの。しかしこの「思いやり」を持つことは、互いに良い関係を築いていくための第一歩だと考えています。
今回は元保育士の私が、当時先輩には言えなかった想いをもとに、「すべての保育士さんに伝えたいこと」と題して語りたいと思います。
先輩保育士さんへ
まずは、後輩を持つ先輩保育士さんへお伝えしたいことです。新卒を“怒らない”
新卒の新人保育士さんが失敗をしたとき、なにか間違えてしまったとき、どうか怒らないでください。新卒保育士さんは、初めての社会、初めての仕事、分からないことばかりの中で一生懸命働いているはず。きっと自身が新卒の頃、一度も失敗をしたことがない人はいないと思います。少しずつ成長していく姿を、見守っていただけると嬉しいです。でも、だからといって良くないことをそのままにしておいては、後輩にとっても成長になりませんよね。もし伝えるのであれば、愛情を持って「叱る」ようにしてくださいね。
他の人と比べない
誰でも人と比べられるのはとても悲しいことだと思います。私自身、先輩に「〇〇先生(同期)はもうこれひとりでやってるよ」と言われて、とても複雑な想いをしたことがありました。まるで「まだそんなこともやってないんだ」と言われているかのようで、とても悲しく悔しかったことを今でも覚えています。クラスによって指導のペースも違えば、任される仕事も異なります。また人によっても学びのスピードは違いますよね。他の人と比べるのではなく、目の前の後輩の成長を見守ってほしいと感じています。
後輩の保育のいいところを見つける
新卒の頃は、先輩から褒められることがとてもうれしく、それがモチベーションにも繋がっていました。「〇〇のときの声かけ、すごく良かったね。私も見習おうと思ったよ」と言われて心の中でスキップしたことをよく覚えています(笑)。経験が浅く、まだ自分の保育に自信が持てない時期は、先輩から認めてもらえると本当に支えになります。ぜひ後輩保育士さんの良いところは、言葉にして伝えてほしいと思います。
後輩保育士さんへ
後輩保育士さん、とくに新卒保育士さんにお伝えしたいことです。私も新卒の頃は本当によく悩んで悔し泣きをしていました(笑)。そのため、新卒の時期に抱える悩みや不安がよくわかります。でもそんな中で、心に留めておいてほしいことです。ちょっとの失敗をしても落ち込まない
「落ち込まないなんて無理だよ!」と思うかもしれませんが、正確には「落ち込んでもその場だけにしよう」ということです。経験が浅いうちは失敗は当たり前だと思っています。新卒にとっては、失敗が成長につながるひとつの道になります。落ち込んでもできるだけすぐに切り替えて、次に活かすための方法を考えた方が保育はもっと楽しくなりますよ。先輩の保育がすべてだと思わない
新卒保育士さんにとっては、目の前にいる先輩の保育が、自分が初めて学ばせてもらう対象であり、お手本になりますよね。しかしそれがすべてだと思わず、いろいろな人の保育を見てください。私が保育士になりたての頃、とにかく子どもを怒鳴る先生を目にしたことがあります。そのときは右も左もわからない状態、ましてや独学で保育士資格を取得していて、実習にすら行ったことがなかった私は、「保育士ってこんなふうに厳しく怒らなきゃいけないんだ…」と勘違いをしました。
しかしその後、別の先生の保育を見ると怒鳴るような場面はまったくなく、常に子どもに語り掛けるようにしている様子を見ました。そのとき初めて「私がお手本にしたいのはこの保育だ!」と気付くことができたのです。
人によって保育の方法はさまざま。その中には、もしかするとあまり望ましくない保育もあるかもしれません。子どもの成長や幸せに最善なのは? 自分の成長に必要なのは?とよく考え、いろいろな人から吸収していってほしいと思います。
新たな気持ちで新年度を!
新年度は、保育士さんにとってもさまざまな面から緊張することがたくさんありますよね。人間関係での不安や心配もあるかと思いますが、先輩保育士さんは自分が後輩だったときのことを思い返して後輩の気持ちに寄り添い、後輩保育士さんはまず自分ができることに精一杯取り組んでくださいね。皆さんが、楽しい保育士ライフを送ってくれることを祈っています。▼その他の関連記事