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ねことねずみ【遊び方・ねらい解説】

ねことねずみのイラスト
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをイラストで解説します。今回は、アレンジした鬼ごっこ遊びの一つ「ねことねずみ」です。
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「ねことねずみ 」とは

子どもたちの瞬発力を育むことができる、追いかけっこ(鬼ごっこ)形式の遊びです。ただの追いかけっことは違い、走り出す直前までどちらが追いかける側になるか分からないので、この遊び特有の緊張感を楽しめます。

また、保育者の話をよく聞いていないと出遅れてしまうので、先生やお友だちの話に注意を向けて聞く力を身に付けることにも繋がりますよ。

「追いかける」「逃げる」の2つの役割がコロコロと変わって複雑なので、難しいルールも理解できるようになる幼児クラスから取り入れると良いでしょう。

 導入に使える絵本

導入には、いもとようこさんの「十二支のはじまり」という絵本を読むのがおすすめです。「ねことねずみはなぜ追いかけっこをするの?」という理由が、柔らかいタッチのイラストで分かりやすく描かれています。2匹の関係性を理解した上で遊ぶと、より熱中することができますね。

十二支のはじまり
文・絵: いもと ようこ
出版社: 金の星社
十二支のはじまり 
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難易度

★★★☆☆

対象年齢

3歳児/4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • 紅白帽子(チーム分けを分かりやすくするため)


遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。
  • 友だちや保育者と一緒いっしょに集団遊びを楽しむ
  • 簡単なルールを理解し、それを守って遊ぶねことねずみの簡単なルールを知る

期待される姿

  • ねこかねずみか良く聞いて判断し走ることで瞬発力と集中力が身に付く

遊び方・ルール

①広いスペースを確保し、真ん中と、間隔を空けて左右に1本ずつ線を書いて陣地を決めておきます。真ん中からの距離は同じになるようにします
※子どもたちの様子を見ながら距離を調節しましょう
 
②ねこチームとねずみチームの2チームに分かれ、それぞれ左右の線の外側に1列で並びます
ねこチームとねずみチームで分かれている子どもたち

③保育者が真ん中の線に立ち、「ねーねーねー・・・」と言います。子どもたちは、その間に少しずつ真ん中の線に近づいていきます
中心にむかって歩いていく子どもたち
 
④保育者が「ねこ!」と大きな声で言ったら、ねこチームがねずみチームを追いかけてタッチします。ねずみチームは自分のチームの陣地に向かって逃げ、線を超えることが出来たら逃げ切ったことになります。捕まってしまったら、端に避けて応援係になります
※同様に、「ねずみ!」と言ったらねずみチームがねこチームを追いかけます
ねこチームがねずみチームを追いかけているところ
 
⑤③④を何度か繰り返し、終わるときにより残っている人数が多いチームの勝利です!
ねこチームが勝って喜んでいるところ


ポイント

安全に配慮する

戸外で行うときも室内で行うときも、必ず広いスペースを確保して行います。同じチームの子同士では間隔を空けて並び、子ども同士がぶつかってケガをしないよう配慮しましょう。一直線に走るように伝えておくと、隣の子とぶつかりにくいです。

また、追いかけていると勢いあまって力強く叩いたり、押してしまう子がいます。あらかじめ「お友だちにはやさしくタッチしようね」と伝えておくとよいでしょう。

陣地やチーム分けを分かりやすく

室内で行うときには、目立つ色のテープで線を引いておくとチームの陣地が分かりやすくなります。戸外で行うときは、地面に直接靴で線を引くか、石灰を使うといいでしょう。また、ねことねずみのイラストを用意してそれぞれの陣地に置いておくとより分かりやすいです。

チーム分けも、紅白帽をねこチームは赤、ねずみチームは白で被る、など一目で分かる工夫をしておきたいです。

声かけでサポートする

始めは、「ねこ!」の一言だけだと、どちらが追いかける側になるのか子どもたちは混乱しがちです。「ねこさんが追いかけてー!」「ねずみさんは逃げて―!」と保育者がさりげなく声かけをして、場面を分かりやすくしましょう。

アレンジ例

タッチされたら相手チームの仲間になる

同じチームのメンバーがコロコロと入れ替わるので、飽きずに繰り返し遊べて、途中で抜けることもないので最後まで全員で遊ぶことができるアレンジ方法です。「○○チームが勝ち!」という競技性は下がるので、勝ち負けにこだわらずに楽しみたいときにオススメです。

ひっかけ言葉を使う

保育者が「ねーねーねー・・・」と焦らした後に、「ねこじゃらし!」「ねんど!」「ネクタイ!」などのひっかけ言葉を言ってみましょう。ねことねずみ以外の言葉のときは走らないというルールを追加することで、より白熱して楽しめますよ。

追いかけ方・逃げ方を変える

全員が「ハイハイ」や「ケンケン」など、普通に走る以外の動きをします。思うようにスピードを出せないもどかしさが加わることで、遊びの雰囲気が変わるのでオススメです。ただし、ハイハイをすると手や膝を床に着けることになるので、外で行うのは避け、室内で行うとしてもゴミや小さなおもちゃなどが落ちていないか必ず確認してケガを防止しましょう。

チーム名を変えて遊ぶ

チーム名はねことねずみ以外でもOKです。「ウマとウシ」「トラとトリ」「サルとサメ」など他の動物の名前にしてみましょう。このとき、頭文字が同じ2種類の動物にすることが大切です。子どもたちとどんな動物がいるか相談してみると、新たな発見があるかもしれません。また、追いかける・逃げるときにその動物の動きや鳴き声を真似すると、よりにぎやかになって楽しいです。ごっこ遊びにも発展できそうですね。

子どもたちを逃げる役に固定する(3歳児向け)

通常のルールでは子どもたちが追いかける役、逃げる役どちらにもなりますが、逃げる役で固定してあげるルールにアレンジすると3歳頃から遊べますよ。

遊び方は以下の通りです。
 
①地面に円を描いてねこの陣地(安全地帯)、ねずみの陣地(安全地帯)を作っておく
②保育者が「ねーねーねー…」と溜めた後に言った方の陣地へ、子どもたちが逃げます
③保育者にタッチされた子は抜けていき、最後まで残った子の勝ちです


他にも、「おばけとおにぎり」の組み合わせで、「おばけ!」と言ったときだけ逃げる、という方法もあります。子どもたちの様子を見ながら、簡単なルールからはじめてみてくださいね。

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杉本 綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本 綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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