「鬼ごっこ」遊びのねらい
園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びや運動をさせるだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。【鬼ごっこのねらいの例】
- 身体全体を全力で動かして遊び、全身の使い方を覚える
- お友だちと競い合って遊ぶ楽しさを学ぶ
- さまざまな種類の鬼ごっこ遊びを経験して、新しい遊び方やルールを自分たちで考える
- ルールのある遊びを楽しみながら、友だちと協力し合うことを学ぶ
基本の「鬼ごっこ」

他のゲームと違って、時間制限を設けなければずっと遊んでいられるのも嬉しいポイントですね。
難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児用意する物・道具
- なし
遊び方・ルール
- オニ役を1人決めます。(大人数で行う場合は、オニを複数人にしてもOKです)
- オニは10秒数えます。オニ以外の子どもたちは、その間に逃げます
- 10秒経ったら、オニが他の子を追いかけてタッチします
- タッチされたらオニを交代して、また10秒数えてから追いかけて繰り返していきます
ポイント・アレンジ例
鬼ごっこ遊びを広げるためには、「オニの人数を増やす」「時間制限を設ける」などが基本です。オニ役になった子が負担になり過ぎないように、逆に逃げている子や待っている子が退屈をしないように保育者が人数に合わせてコントロールしてあげると、みんなが楽しく遊ぶことが出来ます。安全地帯ルールがある鬼ごっこ
ここからは、アレンジ鬼ごっこを種類別に分類して解説していきます。最初に紹介するのは、オニがタッチできない『安全地帯』のルールがあるタイプの鬼ごっこです。この要素が一つ加わるだけで、ちょっとした駆け引きが生まれて、ゲーム性が増します。
高鬼(たかおに)

難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
低鬼(ひくおに)
「低鬼(ひくおに)」は、「高鬼(たかおに)」の反対のルールで行う遊びです。オニは、子どもたちが木の下や遊具の下など、何かの下にいる間はタッチすることができません。低い場所から出てくるのを待ち伏せしてしまうと面白くないので、「オニは待ち伏せをしてはいけない」というルールにしたり、避難できる秒数を減らしたりして調整すると良いですよ。
難易度
★★☆☆☆対象年齢
5歳児用意する物・道具
- 遊具、木など下に隠れることができるもの
遊び方・ルール
- じゃんけんでオニを1人決めます
- オニは10秒数えます。オニ以外の子どもたちは、その間に逃げます
- 10秒経ったら、オニは他の子を追いかけます
- 逃げる子どもたちは、木の下、遊具の下などに入りながら逃げます。避難してから10秒の間は、オニからタッチされません
- 子どもたちが何かの下に入っていないときに、オニがその子をタッチ出来たら、オニを交代して繰り返し遊びます
島鬼(しまおに)

あまり大きな島を作ってしまうとオニがタッチするのが難しくなってしまうので、保育者は島の形をいびつにしたり、オニが手を伸ばしたらぎりぎり届くくらいの大きさにしたりと工夫して作るようにしましょう。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ひょうたん鬼

難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
引っ越し鬼(ひっこしおに)

難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
宿鬼(やどおに)/宿替え鬼(やどかえおに)

オニが「宿かえ!」と叫んだら、逃げる子はもう一方の宿に移動する必要があるので、双方の駆け引きが生まれます。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
線鬼(せんおに)

難易度
★★☆☆☆対象年齢
4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
十字鬼(じゅうじおに)

ルールが複雑なので、5歳児クラス・年長さん向けの遊びです。単純な鬼ごっこでは物足りなくなってきた時に試してみましょう。
難易度
★★★★★対象年齢
4歳後半/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
仲間が助けるルールがある鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニにタッチされたら退場ではなく、逃げている仲間に助けてもらうことができるルールがあるタイプの鬼ごっこです。安全地帯タイプの鬼ごっこと並んでバリエーションが多い、定番で親しまれているルールです。助け鬼(たすけおに)

逃げる子が復活をするルールのため、オニが1人だと全員を捕まえるのが難しくなります。なるべくオニは複数にすることをおすすめします。
難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
氷鬼(こおりおに)

一方のオニはずっと追いかけ続けなければいけないので、複数にするか、時間制限を設けて遊ぶことをおすすめします。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
バナナ鬼(ばななおに)

難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
電子レンジ鬼(でんしれんじおに)

「氷鬼(こおりおに)」のルールをさらにアレンジしたものなので、氷鬼に慣れてきた子どもたちへの展開アイデアとしておすすめです。
難易度
★★★★☆対象年齢
4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
地蔵鬼(じぞうおに)

お地蔵さまのポーズは、子どもたちと相談して決めましょう。ユニークなポーズのほか、「なむなむ~」と拝む真似をするのも楽しいですね。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
オニが増えるルールがある鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニにタッチされた子がオニの仲間に加わって、どんどん増えていくルールがあるタイプの鬼ごっこです。アレンジ鬼ごっこの中でも比較的ルールが簡単なので、基本の鬼ごっこから展開する時の第一弾としてもおすすめです。増え鬼(ふえおに)

難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
手つなぎ鬼(てつなぎおに)

他のお友だちと手をつないで走ることになるので、異年齢保育の活動として取り入れて、上の子が下の子を手伝ってあげられるような環境を作るのもおすすめです。
難易度
★★☆☆☆難易度
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ゾンビ鬼(ぞんびおに)

ゾンビになりきると、スピードを出して全力で走るのが難しいので、普通の鬼ごっこより少し狭い範囲で遊ぶと、臨場感が増してより楽しいですよ。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
チーム対戦型のルールがある鬼ごっこ
続いて紹介するのは、個人ではなく、チームに分かれて対戦する形式のルールがあるタイプの鬼ごっこです。ルールはちょっと複雑になるので、できるクラスは限られますが、みんなで協力し合う要素が加わるため盛り上がること間違いなしです。ドロケイ/ケイドロ

呼び名は地域によってさまざまで、「どろじゅん(泥棒と巡査)」「たんてい(探偵)」「ぬすたん(盗人と探偵)」「ドロジュー」「ドロッケ」「助け鬼」などがあります。
難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
三色鬼(さんしょくおに)

通常の鬼ごっこの場合、運動があまり得意ではない子は「なかなかお友だちを捕まえられない…」となりがちですが、このルールなら、他の子を追いかけるのに夢中な子を「思いがけず簡単にタッチ出来た!」ということもあります。足の速さなどに関係なく楽しむことができるのも魅力です。
5~10人ずつのグループを作って、大人数でわいわいと遊ぶのが楽しいですよ。
難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ねことねずみ

保育者の話をよく聞いていないと出遅れてしまうので、先生やお友だちの話に注意を向けて聞く力を身に着けることにも繋がります。
「追いかける」「逃げる」の2つの役割がコロコロと変わって複雑なので、難しいルールも理解できるようになる幼児クラスから取り入れると良いでしょう。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
オニがタッチしない鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニがタッチする代わりに別のアクションをするルールがあるタイプの鬼ごっこです。鬼ごっことしてのルールは同じなので、いつものルールにちょっと変化をつけたい時におすすめですよ。影踏み(かげふみ)

「影踏み(かげふみ)」の他に、「影踏み鬼(かげふみおに)」「影おに(かげおに)」と呼ぶこともあります。4~5歳の子どもたちが行うときは、自分の影の向きを計算するなどの工夫を促すヒントを伝えるのも良いですね。
難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
しっぽ取り

お友だち同士で触れ合う可能性があるので、保育者は子どもたちが無理やり押したり引っ張ったりしないように見守りましょう。自分のしっぽを取られないように押さえるのも禁止です。
難易度
★★★★☆対象年齢
4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ボール鬼(ぼーるおに)

慣れてきたら、オニの人数とボールを増やしてみると、より面白くなりますよ。
難易度
★★★★★対象年齢
4歳児/5歳児用意する物・道具
- ボール(柔らかいもの)
遊び方・ルール
- じゃんけんでオニを1人決めます。オニはボールを持ちます
- オニは10秒数えます。オニ以外の子どもたちは、その間に逃げます
- 10秒経ったら、オニは他の子を追いかけてボールを当てます
- ボールを当てられた子は、オニを交代します。キャッチした場合は、交代しなくてOKです。キャッチしたボールは、遠くに投げてオニが捕まえるのを邪魔します
お題を探す鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニのタッチから逃れる条件(お題)を探す要素がルールとして加わるタイプの鬼ごっこです。子どもたちは、逃げる前にまず自分で考えてから動く必要があります。色鬼(いろおに)

色の名前を覚える要素が加わるため、例えば「色に興味を持ってもらえるように」と考えている保育士さんには、遊びの中にさりげなく取り入れられるのでおすすめです。
1回毎に区切りがあるので、短時間で遊ぶことができるのも魅力。広いスペースが確保出来れば、室内でも遊べます。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
物鬼(ものおに)

オニが指定するものはその場にある物なら何でも良いので、例えば「○○先生!」「○○ちゃん!」のように、先生やお友だちを指定すると盛り上がりますよ。触れ合い遊びにも展開出来そうです。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
動きに決まりがある鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニや逃げる側の動きに決まりがあるタイプの鬼ごっこです。ルール自体は基本的な鬼ごっこですが、動きにルールが加わるだけで、がらっと様相が変わります。いつもの鬼ごっこに変化をつけたい時におすすめですよ。クモ鬼(くもおに)

普段はなかなかしないポーズで移動をするので、体力や筋力を高めることが期待できますね。膝や手を床につけて遊ぶので、室内がおすすめです。
逃げる時にずっとお尻を浮かせているのは大変なので、「止まっているときはお尻をついてもいい」「この場所に居る時は休憩してもいい」など追加ルールを決めても良いですね。
難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ことろことろ/いもむし鬼

逃げる子どもたちはお互いに協力することがポイントになるので、遊びを通じて自然とお互いのコミュニケーションが取れて、協調性や社会性を育むことが期待できます。
難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
おしり鬼ごっこ

移動の速度が遅いため、一見するとあまり身体を使わない遊びのように見えますが、実際は汗をかくほどの運動量になります。足やおしりの力を使って動くので、脚力をつけることもできます。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
タッチされたら決まりがある鬼ごっこ
続いて紹介するのは、オニにタッチされた時にルールやアクションが追加されるタイプの鬼ごっこです。ルール自体は基本的な鬼ごっこですが、面白いルールが加わることにより、子どもたちも盛り上がりますよ。魔法鬼(まほうおに)

動物だけでなく、子どもたちの好きなアニメキャラクターに変身してみても面白いですよ。通常の鬼ごっこと違い、捕まった子がただ待つだけにならず、オニに捕まった後もみんなで楽しむことができるのがポイントです。
難易度
★★★★☆対象年齢
4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
傷鬼(きずおに)

タッチされた場所が腕や腰なら押さえるのも簡単ですが、足をタッチされるととても走りにくい…そんなユニークな走り方や動きを楽しむ遊びです。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
低年齢児におすすめの鬼ごっこ
続いて紹介するのは、まだ小さい子でも楽しめるようアレンジしたタイプの鬼ごっこです。未満児クラスの遊びネタの引き出しとしておすすめです。ハイハイ鬼(はいはいおに)
「ハイハイ鬼(はいはいおに)」は、保育者がオニ役となってハイハイで追いかけて、「ハイハイで移動すること」や「保育者から逃げること」を楽しんで遊べるアレンジ鬼ごっこ。0~1歳児クラスでおすすめの運動遊びです。よろけたり身体を支えきれず転んだりする場合があるので、必ず柔らかいマットの上などで行いましょう。
難易度
★☆☆☆☆対象年齢
0歳児/1歳児用意する物・道具
- マットなど
遊び方・ルール
- 保育者が、ハイハイをしている子どもを「まてまて~」と声かけしながら追いかけます。保育者もハイハイで移動します
- 子どもたちのスピードに合わせて追いかけてみたり、速いスピードで追いついてみたり、時には「捕まえた~!」とだっこしてみたりと、緩急をつけて楽しみましょう
- 保育者がおもちゃを持って逃げて、子どもたちがそれを追いかけてみても楽しいです
くすぐり鬼(くすぐりおに)

追いかけっこが理解できるようになってきたら、子ども同士でも遊べますよ。室内での触れ合い遊びとしてもおすすめです。
難易度
★☆☆☆☆対象年齢
1歳児/2歳児用意する物・道具
- なし
遊び方・ルール
- 保育者は、オニになって「まてまて~」と子どもたちを追いかけます
- 子どもたちを捕まえたら、「こちょこちょこちょ~」と言いながらくすぐります。子どもとの触れ合いを楽しみましょう
ドキドキルールがある鬼ごっこ
最後に紹介するのは、ちょっとドキドキするルールが加わったタイプの鬼ごっこです。子どもたちがちょっと普通の鬼ごっこに飽きてきたと感じたら、試してみるのも良いでしょう。隠れ鬼(かくれおに)

外遊びとして行う場合は、隠れて良い範囲・逃げて良い範囲をあらかじめ決めておき、子どもたちを見失ったり、ケガをしてしまったりしないように注意しましょう。
難易度
★★☆☆☆対象年齢
2歳児/3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
ドキドキ鬼ごっこ

難易度
★★★★★対象年齢
5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
あぶくたった

オニ役の子のまわりを他の子が囲んでわっかをつくって歌を歌う、「かごめ」のような場面と、オニの言う言葉に合わせて他の子が逃げだす「鬼ごっこ」の場面が分かれているのが特徴です。
難易度
★★★☆☆対象年齢
3歳児/4歳児/5歳児遊び方・ルール・ねらい解説
アレンジ鬼ごっこで遊びを広げよう
いかがでしたか? 簡単なルールを一つ加えるだけでも、普通の鬼ごっこがいろいろなゲームや運動遊びに変化することが分かったと思います。参加者の数や環境に合わせて、いろいろなバリエーションの鬼ごっこを楽しんでみてくださいね。※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。
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