トランプ遊び「神経衰弱」とは
定番のトランプゲームである「神経衰弱」。順番にカードを2枚ずつめくりながらどこに何の数字があるかを覚え、ペアを探していく遊びです。トランプはおうち遊びとして家庭で取り入れていることも多いので、子どもたちの中には既にルールを知っている子もいるかもしれませんね。ルールを理解して遊べるようになるのはおおよそ5歳児からですが、工夫次第で難易度を調節して3~4歳児でも楽しむことができますよ。アレンジ例でご紹介するので、参考にしてみてください。
神経衰弱では、沢山のカードを覚えようとすることで、子どもたちは楽しみながら記憶力や集中力を養うことができます。また、ゲーム性が強いので、勝った嬉しさ、負けた悔しさ、なかなかカードが獲得できない苛立ちなどの感情を経験するきっかけにもなります。さまざまな成長が期待できる遊びなので、是非取り入れてみてくださいね。
難易度
★★★★★対象年齢
5歳児用意する物・道具
- トランプ(52枚)
遊びのねらい
保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。- ルールを理解して遊ぶ楽しさを知る
- 勝ち負けを経験することで感情をコントロールする
期待される姿
- 自分の順番が来るまで待つ、我慢することができるようになる
- 子どもたち同士で、ルールを確認し合う姿が見られる
- 記憶力だけでなく、集中力も高まる
遊び方・ルール
①トランプをよく切ります②参加する子は円になり(2~6人までがおすすめ)、中心にトランプを裏向きで散りばめます。このとき、カード同士が重ならないようにします ③ジャンケンで順番を決めます。勝った子から時計回りにすると分かりやすいです
④初めの子から、好きなカードを2枚めくります。2枚のカードが同じ数字だったらその2枚を貰い、違ったら裏返して同じ場所に戻します ⑤カードをもらえたときは、同じ子がもう1度カードを2枚めくることができます。違う数字が出るまで続けることができます ⑥④⑤を、カードが全てなくなるまで繰り返します ⑦最終的に、カードを1番多く持っていた子の勝ちです!
ポイント
ルールを覚えられるような声かけを
「カードをめくれるのは1度に2枚まで」というルールは、初めて遊ぶ子どもにとっては少し難しいポイントです。最初に保育者が見本を見せるようにしたり、遊びを見守りながら「2枚だけめくるんだよ」「2つの同じ数字(絵)を探すゲームだよ」などと軽く声をかけられるといいでしょう。最初は間違えてしまってもOKです。やりながら覚えていきましょう。子どもたちの気持ちに寄り添う
「ペアが揃って嬉しい!」「負けてしまって悔しい!」といった子どもたちの気持ちには、保育者が共感をしてあげられるといいでしょう。特に負けてしまった子は悔しくて泣いてしまう場合もありますが、その経験も「気持ちをコントロールすること」「お友だちの気持ちを理解すること」に繋がっていきます。過干渉にならないように注意する必要はありますが、そばで様子を見守りながら、適切なタイミングで気持ちを受け止められると、子どもたちも安心して遊べそうですね。アレンジ例
オリジナルのイラストで「絵合わせ」をして遊ぶ
イラストを2枚ずつ8~10ペア程描き、それをトランプの代わりに使って遊ぶのもおすすめです。ペアのイラストをめくれたらその2枚を貰えます。イラストはトランプよりも判別がしやすいので、2~3歳児から楽しめるようになりますよ。初めて神経衰弱で遊ぶ前の導入として行うのもいいでしょう。また、子どもたちの好きな乗り物や食べ物などのイラストを描くようにすると、覚えやすくなります。子どもたちにも参加してもらい、好きな絵を2枚ずつ書いてもらうのもいいですね。
「マーク」が揃ったらカードをもらってOKにする
絵合わせでの神経衰弱がある程度できるようになってきたときにおすすめのアレンジです。トランプの「数字」を覚えるとなると種類が多く難しいので、4種類と限定される「マーク」が揃ったらもらってOKというルールにしてみましょう。その前段階として、「色が揃ったらOK」としても大丈夫です。2人1組のチームで遊ぶ
お友だちに興味を持ち始める時期には、2人1組のチームをつくり、協力しながら遊ぶのはいかがでしょうか。覚えているカードを教え合ったり、お互いを応援し合ったりといった関わりを通して、相手への思いやりやコミュニケーション能力が養われます。ただし、負けてしまったときにペア同士でケンカにならないよう、保育者が注意して見守る必要がありますね。枚数を減らして遊ぶ
「1~6までの数字のカードを使う」「1~10までの数字のカードを使う」のように枚数で難易度を調節するのもおすすめです。すべての枚数を使うと時間がかかって途中で子どもの集中力が切れてしまう場合があるので、子どもたちの集中できる時間に合わせて設定できるといいでしょう。※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。
【関連記事】