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静電気遊び6選!保育園でできる不思議な実験【遊び方・ねらい解説】【イラスト解説】

静電気遊び
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。>>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

静電気とは?

冬の時期に起こりやすい自然現象といえば、静電気。ニットを着るときにパチパチという音がしたり、ドアノブを触ろうとしたらパチッと痛みを感じたり、髪の毛が身体にベタッと張り付いたり。日常生活の中でも良く起こる身近な存在なので、子どもたちの中にはその感覚をなんとなく知っている子もいるかもしれませんね。 
 
しかし、実際にどんな現象なのかは、先生でも知らない方も多いのではないでしょうか。 
 
静電気は、摩擦によって起こります。物体はもともとプラスの電気とマイナスの電気を持っており、普段は同じ量で保たれています。しかし、摩擦などによってそのプラスとマイナスの電気のバランスが崩れて、どちらか一方の電気に偏ることがあります。この状態を「静電気」といいます。また、静電気を帯びている状態を「帯電」と言います。 
 
静電気を帯びている状態は、バランスが悪い状態なので、元に戻ろうとします。そして他のものに触れたときに、元に戻ろうとする力が一気に働き電気が流れます。それを「放電」といいます。物に触ったときに「パチッ」という音とともに軽い痛みを感じるあの現象は、静電気が放電されることによって起きています。 
 
今回は、そんな静電気の性質を活かした実験遊びを全部で6種類ご紹介します。準備する道具は100均で揃うものばかりなので、保育園でも手軽に取り入れられますよ。ねらいや注意点もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 

静電気遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 
  • 静電気の遊び方や注意点を知り、子どもと一緒に楽しむ 
  • 自然の不思議を体験し、面白さを知る 

静電気遊びの注意点・配慮

部屋の湿度が低めのときに行う

静電気は、湿度が高い場所では起こりにくい現象です。雨の日などは湿度が高いので、避けたほうがよいでしょう。また、湿度が低い場所でも上手く静電気が起きないときは、手の汗などで濡れていることが原因かもしれません。その場合は、タオルで拭いてもう一度行ってみてください。 

引火性のあるものは近くに置かない

静電気は、始めにお伝えした通り電気が一気に流れる現象のことを言います。その際に「パチッ」と火花が出ることがあるので、引火性のあるものの近くでは絶対に行わないようにしましょう。

心臓が弱い人やペースメーカーを付けている人の近くで行わないようにする

精密機器は静電気の影響を受けることがあります。心臓が弱い人や、ペースメーカーを付けている人の周りでは行わないようにしましょう。遊びを行う前に、事前に確認をしておくことが重要です。
 
 

①髪の毛ふわふわ

風船で静電気を起こす子どもたち

対象年齢

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具

  • 風船または下敷き 

遊び方

①風船を膨らませます。 
②風船で髪の毛を擦ります。※強く擦りすぎて痛くならないように注意 
③そーっと髪の毛から離すと、風船に髪の毛がくっついてふわっと持ち上がります。 

ポイント

魔法のように髪の毛が風船にくっつく様子を、観察して楽しむ遊びです。下敷きがある場合は、下敷きで代用することも可能ですよ。 
 
静電気のペタッとくっつく独特な感覚を嫌がる子も居ると思います。その場合は、無理にやらせずに他のお友だちや先生がやっているのを見て楽しめると良いでしょう。 

②くっつく!風船あそび

静電気で風船を体にくっつける子どもたち

対象年齢 

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具

  • 風船×たくさん 
  • タオルや布 

遊び方

①小さめの風船をたくさん用意しておきます。 
②風船をタオルに擦り付けます。 
③風船を身体や洋服に近づけると、くっつきます。 
④同時にいくつ付けられるか、挑戦してみましょう。 

ポイント

擦り付けることで発生する風船のマイナスの電気と、体の中のプラスの電気が引き合って、くっつく遊びです。風船に擦り付ける布は、着ている服やティッシュペーパーなどでも代用できます。ウール生地の布を使うと、特によく静電気が発生しますよ。 
 
手のひらにくっつけたら逆さまにしても落ちないので、まるで魔法使いやマジシャンになった気持ちを味わうことができますね。

③ふわふわ電気クラゲ

静電気でスズランテープを浮かせる子ども

対象年齢

2歳/3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具

  • 風船 
  • ティッシュペーパー 
  • PEテープ(すずらんテープ) 

遊び方

①PEテープを好きな長さに3〜4本切り、それを結んで一つにまとめます 
②テープを細かく割いてクラゲをつくります。 
③クラゲと、風船をそれぞれティッシュペーパーで素早く擦ります 
④クラゲを空中に投げて、その下に風船を持っていくと、クラゲが下に落ちずにふわふわと浮かびます。 

ポイント

風船とクラゲがそれぞれマイナスに帯電することで、近づけると2つが離れる性質を利用して、空中に浮かべる遊びです。すずらんテープを細かく割くことと、風船をうまくクラゲの下に持ってくることがポイントですよ。 
 
クラゲが浮かばずに風船に張り付いてしまう場合は、風船からクラゲのどちらかがプラスに帯電してしまっています。擦るときにティッシュ以外のものに反応してしまっている可能性があるので、そんな時は下に紙を敷いた状態で行ってみましょう。 

④水を曲げる!?魔法のストロー

静電気で水の動きを変えている子ども

対象年齢

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具

  • ストロー 
  • 蛇口の水 
  • ティッシュペーパー 

遊び方

①ストローにティッシュを素早く何度も擦り付けます。 
②蛇口の水を出し、ストローを近づけます。 
③蛇口の水がストローの方に曲がります。 

ポイント

プラスの電気と、マイナスの電気を近づけると引かれあうという性質を利用した遊びです。ストローを擦ると、マイナスの電気を帯電します。蛇口の水に含まれる水分子は、プラスの電気を持っています。この2つを近づけることで、水の向きを変えることができます。 
 
ストローを上手く帯電させないと曲がらないので、子どもたちとどんな擦り方をしたら成功するか、いろいろと工夫をしながら楽しめるといいですね。 

⑤空き缶コロコロ競争

対象年齢

3歳/4歳/5歳 

用意する物・道具

  • 空き缶(アルミ缶) 
  • 風船 
  • タオル 

遊び方

①空き缶をスタートラインに並べます 。
②「よーいどん!」で風船をタオルで擦り、空き缶に近づけます。 
③風船を追いかけるように空き缶がコロコロと移動します。 
④空き缶を風船で誘導し、始めにゴールした子が勝ちです! 

ポイント

タオルをこすりつけた風船のマイナスの電気と、アルミ缶の近くにあるプラスの電気が反応して引かれ、それを動力に空き缶がコロコロと転がる動きを利用した遊びです。初めは競争にせず、風船で空き缶を引っ張る動き自体を楽しむのもいいですね。風船を近づけても空き缶が動かなくなってしまったら、もう一度タオルを擦りつけて帯電をさせましょう。 
 
子どもたちが夢中になりすぎて、周りのお友だちにぶつかったり、転んだりしないように注意して見守りましょう。 

⑥ゆらゆら傘クラゲ

対象年齢

4歳/5歳 

用意する物・道具

  • 色画用紙  
  • すずらんテープ  
  • 麻ひも(ぶら下げ用)  
  • 油性ペン  
  • セロハンテープ  
  • 穴開けパンチ  
  • ホチキス  
  • ハサミ  
  • シャープペンシル 
  • ティッシュペーパー(静電気を起こすため) 

遊び方

①作り方を参考に、ゆらゆら傘クラゲを作ります。 
②クラゲの触覚部分を、細く割きます。 
③クラゲを吊るしたら、触覚部分をティッシュペーパーで挟んで擦ります。 
④触覚部分がふわっと広がります。観察したり、手を近づけて握手をしたりして楽しみます。

ポイント

④ふわふわ電気クラゲの遊びを製作にアレンジした遊びのアイデアです。ゆらゆら傘クラゲの触覚部分は細く割くことがポイントですよ。時間が経つと少しずつ触手の広がりが収まりだらんと垂れてくるので、その際はまたティッシュでこするようにすると復活します。 
 

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杉本 綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本 綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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