愛鳥週間とは
まずは愛鳥週間の概要と由来からご紹介しましょう。愛鳥週間の概要
愛鳥週間は、「野鳥をはじめとする自然環境保全・野生生物保護についての普及啓発」のために、日本鳥類保護連盟によって設けられた期間。野鳥と自然の保護について考えることを目的としています。日本鳥類保護連盟は期間中の中心行事として「全国野鳥保護のつどい」を実施し、野鳥保護の大切さを発信しています。また日本各地では、探鳥会(バードウォッチング)や自然観察会などのイベント、小中高生が描いたポスターのコンクールなどが行われています。
愛鳥週間の由来
愛鳥週間の始まりはアメリカで、1894年にペンシルベニア州オイルシティー市の教育長であったバブコック氏が、「森林を保護する小鳥を守ろう」という思想のもと、バードデーを提唱しました。その後、徐々にバブコック氏の考えがアメリカ全土へ拡大し、4月10日がバードデーとなりました。日本では、戦後に来日した鳥類学者のオースチン博士による調査で、野鳥の少なさが判明。このことをきっかけとして1947年に日本鳥類保護連盟が設立され、自然環境保全と野鳥生物保護を国民に呼びかけるようになりました。同年には、「バードデー(愛鳥の日)」を4月10日に定め、「第1回 バードデーの集い」が開催されました。
1950年からは、雪の時期を避けるために時期を4月から5月にずらし、またより多くの人に知ってもらえるよう期間も1日から1週間に延長されました。毎年5月10日から16日の一週間が「愛鳥週間(バードウィーク)」として定着しています。
出典:公益財団法人 日本鳥類保護連盟 >>詳細はこちら
子どもへの伝え方は?
保育では、子どもが鳥に興味や関心をもつような言葉かけをしましょう。小さいうちから鳥に親しみを感じることが、野鳥保護の気持ちへ繋がっていきます。発達や年齢に合った言葉かけを考えてみましょう。【伝え方の一例】
- お散歩の途中で鳥さんをみつけてみよう!
- 保育園の周りにはどんな鳥さんがいるかな?
- いろんな鳴き方の鳥さんがいるね。カラスはなんて鳴いてる?
- 鳥さん、木の実を食べてるね。
- 鳥さんは森を守ってるんだよ。
- 森は鳥さんのおうちだよ。おうちがなくなっちゃったら、鳥さんはどこで眠るんだろう。
日本で身近に見られる鳥
春の時期、身近に見られる鳥を小型・中型・大型に分けてご紹介します。小型の鳥
スズメ- 科目:スズメ目スズメ科
- 全長:14.5cm
- 分布:全国
- 説明:人間にとって一番身近な鳥。「チュン」と鳴く。
- 科目:スズメ目シジュウカラ科
- 全長:14.5cm
- 分布:全国(北に多く、西に少ない)
- 説明:白い頬に黒いネクタイをしたような鳥。「ツツピン」と鳴く。
- 科目:スズメ目ウグイス科
- 全長:15.5cm(オス)/13.5cm(メス)
- 分布:全国
- 説明:春の訪れを感じさせる鳥。「ホーホケキョ」と鳴く。
- 科目:スズメ目ホオジロ科
- 全長:16.5cm
- 分布:全国(屋久島以北)
- 説明:高い場所で胸を張って鳴く鳥。「チチッ」と鳴く。
中型の鳥
カッコウ- 科目:カッコウ目カッコウ科
- 全長:35cm
- 分布:全国(本州中部〜北に多い)
- 説明:童謡にもなっている鳥。雄は「カッコウ」と鳴く。
- 科目:ハト目ハト科
- 全長:33cm
- 分布:全国
- 説明:青白黒のマフラーを巻いたような鳥。「デデポッポー」と鳴く。
- 科目:アマツバメ目アマツバメ科
- 全長:19.5cm
- 分布:夏になると北海道・本州へ渡来
- 説明:空中を高速で飛び回る鳥。「チリリリー ジリリリー」と鳴く。
- 科目:ハト目ハト科
- 全長:32cm
- 分布:全国
- 説明:伝書鳩が野生化した鳥。「クークーグルー」と鳴く。
大型の鳥
キジ- 科目:キジ目キジ科
- 全長:80cm(オス)/60cm(メス)
- 分布:本州・四国・九州
- 説明:「桃太郎」にも登場する緑色の鳥。「ケーン」と鳴く。
- 科目:フクロウ目フクロウ科
- 全長:50cm
- 分布:北海道〜九州
- 説明:夜の象徴とも言える鳥。「ホッホ ゴロスケホッホ」と鳴く。
- 科目:チドリ目カモメ科
- 全長:45cm
- 分布:全国
- 説明:猫に似た鳴き声の鳥。「ミャーオ」と鳴く。
- 科目:スズメ目カラス科
- 全長:57cm
- 分布:全国(小笠原諸島以外)
- 説明:全身が黒く雑食性でゴミなどをつつく鳥。「カァ」と鳴く。
参考:公益財団法人 日本野鳥の会 >>詳細はこちら
出典:日本鳥類目録第7版リスト/日本鳥学会 >>詳細はこちら
愛鳥週間の活動アイデア
「鳥」をテーマにして、遊びを発展させてみましょう。愛鳥週間に保育園でできる活動アイデアをご紹介します。バードウォッチング
- お散歩先で鳥を探そう
- 園庭に巣箱を作って観察しよう
- 園内の壁や天井に鳥の写真を貼ろう
鳴き声当てクイズ
「あめ こんこん ふるなよ」という、鳥の鳴き声当てクイズができる「わらべうた」があります。こちらを使った遊びをご紹介します。《 歌詞 》 雨 こんこん 降るなよ 山の 鳥が 鳴くぞよ (鳥の鳴き声) |
- 保育士が歌った後に鳥の鳴き声を演じて見せ、子どもは何の鳥か当てる
- 「かごめ かごめ」と同じ要領で、歌いながら回り、オニの後ろに来た子が鳥の鳴き真似をする
製作アイデア
大きな羽をパタパタと動かす、かわいい小鳥の手作りおもちゃです。愛鳥週間に向けての製作活動におすすめ。紙皿を使うことで、ユラユラと揺れながら羽ばたく様子を楽しめます。作り方は簡単ですが、羽の装飾やしっぽの材料を自由に選べるようにして、一人ひとりの個性を発揮できるようにしてみるのも良いですね。
歌・手遊び歌
鳥にちなんだ歌や手遊び歌をご紹介します。鳥に親しみを感じる機会を作ろう
いかがでしたか。鳥の存在は子どもにとって日常かもしれません。当たり前の存在である鳥に焦点を当て、もっと良く知ったり、より身近に感じたりする機会にしてみましょう。子どもの頃に感じた親しみが、大人になってから大切に想う気持ちへと繋がっていきます。愛鳥週間を通して、子どもの豊かな心の土台を育んでいきたいですね。【関連記事】