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公立保育園と私立保育園の違いは?働き方やメリットまですべて解説

公立保育園と私立保育園の違いは?働き方やメリットまですべて解説
保育園で働きたいと考えたとき「公立保育園と私立保育園どっちが自分に合っているんだろう?」と迷う人も多いと思います。この記事では、公立保育園と私立保育園の違いについて働き方や施設のポイントから比較し、働くうえでのメリットやどんな人が向いているのかなどをまとめていきます。 

公立保育園と私立保育園の違い 

おなじ保育園でも運営主体によって職員の立場や保育の考え方、労働条件が変わってきます。では、公立保育園と私立保育園の違いはどんなところでしょうか?

公立保育園と私立保育園の違いを簡単にまとめると以下の通りです。
  公立保育園  私立保育園 
運営元 地方自治体(市区町村)  社会福祉法人 
学校法人 
NPO法人 
民間企業など
職員の立場 地方公務員  社員 
必要な資格 保育士資格  保育士資格 
採用方法  公務員試験 保育園ごとの試験 
年齢制限  あり  ないことが多い 
保育内容 地方自治体の基準に準ずる  保育園ごとに個性がある 
施設  ・大きくて庭があることが多い 
・施設が古いこともある 
・新しい施設も多い 
・小さくて庭がない園もある
職員層  層が厚くベテランも多い  保育園によって異なるが、若い人が多い園もある 
異動  あり  保育園によって異なる 
給与・福利厚生  自治体に準ずる 
(地方公務員と同等のことが多い) 
保育園によって異なる 
 一番の違いは運営元。公立保育園で働く場合は「地方公務員」になるので、年齢制限のある公務員試験に合格しなくてはいけません。保育園としての歴史が長いので施設は古いものが多く、保育内容は自治体の基準に沿ったものになります。 

「地方公務員」は給与や福利厚生が充実しているので定年まで働き続ける職員が多く、職員層も厚いのが特徴です。 

 一方、私立保育園で働く場合は運営する法人や企業の「社員」になります。法人や企業によって保育内容や施設、待遇、職員層などが異なるのが特徴で、保育園ごとに環境の違いが大きいと言えます。 

公立保育園と私立保育園のメリットを比較 

公園で遊ぶ保育士
公立園と私立園の特徴を元に、主なメリットを3つずつご紹介します。 

公立保育園で働く3つのメリット 

①給与や福利厚生が充実している 

公立保育園に就職すると地方公務員になるので、給与や福利厚生はしっかりしています。毎年の昇給やボーナスだけでなく有給休暇や育児休業、介護休業などもあり、定年まで働き続けやすい環境が整っています。 

②職員層が厚いので学びが多い 

公立保育園は職員の離職率が低いので若手・中堅・ベテランのバランスも取れ、職員層が厚いのが特徴です。また、自治体には保育士が数十人〜数百人いるのでさまざまな保育観を持つ先輩と出会え、学びの数が非常に多いのもメリットの1つです。 

③社会的な信用度が高い 

地方公務員は国や自治体から身分を保障されているので、社会的な信用が高いと言えます。「真面目そう」などのイメージと共に、クレジットカードの申し込みや住宅ローンなどでも審査が通りやすいのが公務員の特徴です。 

私立保育園で働く3つのメリット 

①自分の保育観に合った園を選べる 

私立保育園は園の運営者ごとに保育の理念や方針などが異なります。 
例えば、 
  • 異年齢保育 
  • 森や里山での保育 
  • 運動やリトミック、制作、英語などを重視 
  • モンテッソーリ教育 
  • シュタイナー教育 
  • レッジョ・エミリア・アプローチ教育 
など、園ごとに保育内容が違うので、自分がやりたい保育に合う保育園を選べるのが大きなメリットになります。 

②就職に年齢制限が少ない 

公立保育園への就職には年齢制限がありますが、私立保育園ではその制限が少ないです。年齢よりも保育への思いや仕事の力量、人柄、自分の園に合っているかなどで採用を判断される傾向にあります。 一般的な転職サイトや転職エージェントを介しての募集も多いです。

③異動が基本的にない 

複数の保育園を運営する私立保育園ですと異動はありますが、そうでない園に就職をすれば異動は基本的にはありません。 

異動があると人間関係のリセットや通勤経路の変更、引っ越しなど大変なことも多いものです。1つの園で落ち着いて働き続けたい人にとって、私立保育園で働くことはメリットの1つになります。 

公立保育園と私立保育園はどっちが働きやすいのか? 

公立園と私立園それぞれに向いている人のタイプをご紹介します。 

公立保育園が向いている人 

安定した仕事に就きたい人 

給与や福利厚生などがしっかりしていて、働き続けやすい職場環境を求めている人は公立保育園が向いています。 

先輩たちから保育を学びたい人 

保育の経験が豊かな先輩たちから多くのことを学びたいと思っている人は、職員層の厚い公立保育園がおすすめです。保育士歴20年、30年という熟練の保育士がたくさんいるので、保育の楽しさや奥深さを教えてもらうことができます。 

公務員試験の勉強をがんばれる人 

公立保育園に就職する場合、公務員試験に合格する必要があります。試験内容は保育士の専門試験だけでなく国語や数学、英語などの一般教養もあるので、根気良く勉強できる人が向いています。 

私立保育園が向いている人 

自分のやりたい保育がはっきりしている人 

「自然の中で保育がしたい」「モンテッソーリ教育をしたい」などと、自分のやりたい保育がはっきりしている人は私立保育園が向いています。自分の保育観に合う園を見つけられれば、保育を伸び伸びと楽しむことができます。 

リーダーシップを発揮したい人 

私立保育園は若い人が多く、「就職して5年もすればベテラン」という場合もよくあります。リーダーシップを発揮して保育を引っ張っていきたいと思う人は、私立保育園が向いています。 

同じ園で働き続けたい人 

「子どもたちを卒園まで見届けたい」「1つの園で働き続けたい」という人は、グループ園のない私立保育園で働くのが向いています。異動や引っ越しなどの変化も少ないので、落ち着いて働くことができます。 

公立保育園と私立保育園の違いを知って自分に合った園を探そう 

公立保育園と私立保育園の違いやそれぞれのメリット、向いている人のタイプをまとめました。それぞれの特色を押さえつつ、まずはどちらが自分に向いているか調べてみましょう。保育学校の卒業生や知り合いの先輩保育士などに実際のところを聞くのもおすすめですよ。 


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織部 悟

この記事を書いた人

織部 悟

保育士歴16年のライター。都内の公立保育園に15年勤務して主任を務め、0歳~5歳児のクラス担任からフリーまで、全てのポジションを経験。1男1女の父でもあり、保育・子ども・遊び・子育てなど、豊富な経験を元にした記事をお届けします。

執筆歴・経歴等はこちら
https://gonta-web.com/

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