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食育に取り入れたい秋が旬の食材|知識と伝え方

松茸と秋の食材
「旬」とは、食材が最もおいしく栄養価も高い時期のこと。野菜や果物、海産物など、食材にはそれぞれ旬の時期があります。旬を知ることで、自然のめぐみや四季の変化を知ることにも繋がります。近年は食育に力を入れている園も増えており、保育の中で「旬の食材」について取り上げることもあるでしょう。今回は、9〜10月の秋が旬の食材について詳しく紹介します。

秋はどんな季節?

果物狩り

秋は、厳しい暑さが和らぎ、過ごしやすい気候になっていく季節。朝夕の風が涼しくなるにつれ、野山も赤く色づき始め、ハイキングや紅葉狩りなど行楽に出かける方も多いでしょう。保育園でも運動会や遠足、ハロウィンなど楽しい行事が目白押しです。

また秋は、果物、野菜、穀物など、1年の中でも最も旬の食材が充実しているため、「実りの秋」「食欲の秋」「天高く馬肥ゆる秋」など、食に関する言葉が多いのも特徴。そんな秋の季節を元気いっぱい過ごすためにも、栄養たっぷりの旬の味覚を堪能しましょう。

ここからは、秋に旬を迎える食材の特徴について紹介します。

園での食育活動については、こちらのセミナーでも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。


秋が旬の食材の特徴

栗ご飯

秋に旬を迎える食材には、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれており、夏の疲れをリセットさせる働きがあります。特にシイタケ、マイタケ、マツタケなどのきのこ類には、疲労回復を促すビタミンB群や免疫力アップに効果的なビタミンDが豊富。また秋野菜は味が濃く、甘みが強いのが特徴です。サツマイモやカボチャは料理だけでなくおやつにもぴったりなので、子どもたちも食べやすいでしょう。

サンマや秋鮭に代表される秋が旬の魚は、産卵に向けて栄養を蓄えた青魚が多いのが特徴。青魚にはDHAやEPAなどの良質な脂質が豊富に含まれており、脳の発育に役立つ効果があります。

秋の行事食

おはぎ

食育の一環として、季節のイベントごとに行事食を取り入れている園も多いでしょう。行事食には、伝統に親しめるだけでなく、旬の食材を味わえるといったメリットもあります。

ここでは、秋の行事食の例を紹介します。
行事 行事食 由来
お月見(9月) お団子 十五夜が穀物の収穫時期にあたるため、月に見立てた団子を供え、月の年の豊作を願うようになった
秋分の日(9月) おはぎ 小豆には邪気を祓う力があるとされていたため、彼岸の時期に先祖に供えられるようになった
七五三(11月) 赤飯 昔から赤い色には邪気を祓う力があると言われていたため、お祝いの席でふるまわれるようになった
行事食の由来については、大人でも知らないものが多いかもしれません。行事食の日には、絵本やペープサートなども活用しながら、行事食の由来や旬の食材について子どもたちに伝えたいですね。

秋が旬の食材

秋が旬の食材にはどんなものがあるのか、またそれぞれの特徴について、「果物・野菜」「海産物・その他」に分けてまとめました。保育者さんが旬の食材について詳しく知っていれば、給食の時間や食育活動の中で子どもたちに伝えられます。ぜひ参考にしてくださいね。

果物・野菜

果物・野菜

まずは秋が旬の果物・野菜を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
ナシ(梨) 7月〜11月が旬で最も出荷されるのは9月。水分が多く、カリウムやアスパラギン酸など疲労回復に役立つ栄養素が豊富。残暑のデザートにぴったり
カキ(柿) 10月~12月が旬。「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養価が高く、ビタミンCはレモンよりも豊富。ビタミンA、B1、B2、タンニン、カリウムなどさまざまな栄養素がある
リンゴ リンゴは品種が多く、種類によって収穫の時期が異なります。収穫のピークは8月~11月頃までで、さまざまな品種のリンゴを楽しむことができます。
ブドウ 大粒の巨砲、ピオーネは7月〜11月が旬。エネルギー源となる糖質が豊富で、ポリフェノール、カリウム、ビタミン類も含んでいる
クリ(栗) 9月〜10月に旬を迎える。木に実るため果物に分類されるが、主成分はでんぷんで主食の代用品になり、古くから非常食としても利用されてきた。ビタミンB1、B2、C、食物繊維など栄養も豊富
カボチャ 国産のカボチャは夏に収穫し2〜3か月寝かせて甘みを増してから出荷することが多く、10月〜12月に多く出回る。ベータカロチンやビタミンCなど栄養価が高く、古くから冬至に食べられてきた
サツマイモ 8月〜11月に収穫されるが、2〜3か月寝かせると甘みが増すため、10月〜1月頃が食べごろ。エネルギー源となる炭水化物や食物繊維、ビタミンC、カルシウム、カリウムが豊富
シイタケ 露地栽培のシイタケは春と秋が旬です。秋に採れるものは香りが豊かで、ビタミンB1、D、食物繊維のほかに、うまみ成分のグルタミン酸が含まれる
マツタケ 8月〜11月が旬。マツタケの香りの成分、マツタケオールや桂皮酸メチルには食欲を促す効果がある
マイタケ 年中出回っているが、天然物の旬は秋。ビタミンB群や亜鉛、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富
秋はナシやカキ、リンゴ、ブドウなど、子どもたちに人気の果物が旬を迎えます。クリやカボチャ、サツマイモなど甘みが強い野菜は、寒い冬に向けてエネルギーを蓄える役割も。サツマイモはおやつ作りや焼き芋大会など秋のクッキング活動にもぴったりです。

海産物・その他

サンマ

次に、秋が旬の海産物・その他を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
サンマ(秋刀魚) 9月下旬~10月が旬で、脂がのっておいしいと言われている。名前に秋が使われているように、秋を代表する魚
サケ(秋鮭) サケは川で生まれ海で育ち、産卵のために川へ戻る回遊魚。日本で獲れる白鮭は9月~11月が旬の季節。産卵のために川に戻ってくる旬のサケを「秋鮭」と呼ぶ
サバ(秋鯖) 10月~11月にとれたサバは秋鯖と呼ばれ、脂のりが良くおいしいのが特徴。ビタミンB2、たんぱく質、脂質などを多く含む
カツオ(戻り鰹) 春に北上したカツオが、9月~10月に産卵のため南に戻ってくるときに獲れるものを「戻り鰹」と呼ぶ。脂がたっぷりでこってりしているのが特徴
新米は9月~10月に収穫し、稲刈りや精米した後、10月~11月に店頭に並び始める。小麦・トウモロコシと並び世界の三大主食のひとつ。新米は香りや甘みがあり米そのものの味が感じられる
秋の魚は産卵や海水温が下がる冬に向けて、脂肪や栄養をたっぷり蓄えているという特徴があります。また秋は日本人の主食、米の収穫期です。子どもたちには、毎日食べているお米にもおいしい旬の時期があることを伝えていきたいですね。

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秋が旬の食材のペープサート

こちらのページで紹介した「秋が旬の食材」のペープサート用イラストを用意しました。果物と野菜は裏返すと切り口の様子が分かります。海産物の裏面には料理のイラストが! 子どもたちに説明するときに利用してください。「ほいくisメンバー」への登録をすれば、無料でダウンロードすることができます。
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秋の食材について知ろう

今回は秋が旬の食材について紹介しました。おいしく栄養たっぷりの旬の食材をとることは、季節感を味わうだけでなく、心身の健康にも繋がります。ぜひ紹介した内容を参考に、秋の食育計画や食育活動を考えてみてくださいね。

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