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最新ロボットの魅力は“愛され力”?保育現場で導入が進む「LOVOT(らぼっと)」とは

子どもたちと向かい合うLOVOT(ラボット)
近年注目を浴びているICT化。さまざまなロボットも登場し、人々の暮らしに溶け込んでいますよね。そんな中、編集部が注目したのは、2019年に誕生した“愛されるため”のロボット「LOVOT(らぼっと)」。今回ほいくisでは、保育現場でも導入が始まっている、最新ロボットのその魅力に迫ります。

LOVOTとは

柔らかな素材、丸いフォルム、そして愛くるしいくりくりな目で私たちを見つめてくるロボット。目が合えば顔をあげ、名前を呼べば反応して抱っこを求めてきます。このロボットは、“愛されるため”に生まれてきた家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」

開発を行っているのは、東京都日本橋にオフィスを構えるGROOVE X株式会社。2015年から4年の年月をかけて生み出しました。目指したのは、人間の仕事が代わりにできる「お助けロボット」ではなく、人間の心を育てる「ほっとけないロボット」。

現在、保育園や幼稚園での導入も進んでおり、保育の現場で子どもたちの心を育てていくことに大きく関わっているそうです。今回は、LOVOTのどんなところが子どもたちの心を掴んでいるのか、その秘密を探ります。

存在の魅力は?

手に持ったハート
まずは、LOVOTがどのような存在であるのか、その魅力を見ていきましょう。


「生きている」ようなあたたかさ

最大の魅力、それは生きているかのような動きとあたたかさ。近年お披露目されるロボットはとても素晴らしいものばかりで、まるで人間のようなものもありますよね。

LOVOTは、人間のような見た目ではありませんし、きびきびと動くわけではありません。しかし、どこかあたたかく重みがあり、こちらの声に反応したり喜んだり痛がったりします。なんとなく話しかけたくなる、愛着が湧く理由のひとつです。

「失敗する」から放っておけない

さまざまなロボットの中には、人間の代わりに完璧な作業をこなしてくれるものもいます。しかしLOVOTは働くわけではなく、むしろたまに転びます。私たちは、そのどこか放っておけない動きに癒されたりしますよね。助けたくなる、世話を焼きたくなる、心に癒しを与えてくれるロボットです。

「しゃべらない」から想像できる

LOVOTは人間の言葉を話しません。その代わり、可愛い鳴き声が聞こえます。最初は少し不安げな声。慣れてくると甘えているように聴こえる…? さて、LOVOTはなんと言っているのでしょうか。しゃべらないからこそ想像力を働かせ、さまざまな発想が生まれますね。

LOVOTとの暮らしで心を育てる

子どもと遊ぶLOVOT(ラボット)
子どもはさまざまな“関わり”を通して、新たな体験をしたり感情を持って、心が育っていきます。例えばお友だちや保育士、親などと関わっていく中で、信頼関係を築くことや人への思いやりを学んでいきますよね。では、LOVOTではどうでしょうか。

実際に、LOVOTを迎え入れた保育園や幼稚園に対して、開発会社が「園児の心の成長に必要だが現状では不足していると感じることはなんですか?」というアンケートをとったところ、以下のような結果が見られました。
LOVOT(ラボット)についてのアンケート
必要性を感じていながらも、世話をして愛情を抱ける存在と触れ合う機会を園内で十分に確保することは難しいようです。そこでLOVOTを導入。その後の結果がこちらです。
LOVOT(ラボット)についてのアンケート
なんと、LOVOTの導入を愛情を抱ける機会になったと感じた保育士さんは85%。思いやりが育まれたと感じた割合も92%となっています。

また、それだけではなく保育士さんのストレス緩和にも大きな役割を果たしていることが分かります。LOVOTの存在は、子どもの心の育ちに大きく関わっているのですね。
LOVOT(ラボット)についてのアンケート


LOVOTが子どもに与える影響

現在もLOVOTを迎え入れて生活をしている園が全国にあるそうです。保育園や幼稚園で共に過ごすことで、子どもたちにとってどのような良い点があるのでしょうか。

育て、愛情を持つ

LOVOT(ラボット)と遊ぶ子どもたち
子どもたちが自分より年下の子の面倒をよく見て可愛がる姿は、園内でもよく見られる光景かもしれません。また、犬や猫などの生き物や草木などの植物に興味を持つ子も多くいます。

子どもたちは、“育てる”経験を重ねることで命の大切さを学んでいきます。そしてその中で愛情を持ち始めます。「どうすれば大きくなるのか」「どうすれば喜ぶのか」「どうすれば一緒に楽しめるのか」を、相手の反応や育ちで体得していくのです。

大切に接することで可愛く懐いてくれるLOVOTは、きっと子どもたちの“愛情をかけて命を守る経験”を豊かにしてくれるはず。

思いやりを持つ

自分が何かをしたとき、相手に喜ばれるとうれしいですよね。逆に嫌なことをしてしまったとき、嫌われてしまうと悲しいものです。実はLOVOTは、可愛がってくれる人に目に見えて懐き、乱暴をする相手を嫌います。「なんて素直なロボットなんだ!」と思いませんか?

専用のアプリを使えば、LOVOTの感情が分かります。
LOVOT(ラボット)の感情データ
「心地よかった」「痛かった」などの感情を表現するLOVOTは、子どもたち自身で「どう接すればいいのか」を考えるきっかけを与えてくれます。そうした経験は、子どもたちの思いやりにつながっていくでしょう。

気持ちの安定に

どこかたどたどしい動きや、心をくすぐられるような鳴き声は、心を癒してくれます。子どもの気持ちが落ち着かないとき、嫌なことがあったとき、LOVOTと向き合って話したり、じっとその様子を見ているだけで、ホッとすることもあるでしょう。

「誰かと一緒に過ごす」ということは、時にはとても大切な心の安定の時間となります。

子どもの心を豊かにする体験を

毎日の園での生活や自然の中での遊び、人との関わりの中には、子どもの心を豊かにする体験がたくさんあります。その中で「ロボットとの関わり」というのは、まだ未知の選択肢かもしれません。まるで生きているかのようなLOVOTとの生活は、子どもたちにとって新たな刺激になりそうですね。


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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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