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2020年の保育ニュースを振り返る~記憶に残る1年の出来事は?

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2020年(令和2年)も残すところあと僅か。今年は新型コロナウイルスの流行で、今までに経験したことがない1年となりましたね。そんな中、保育や子どもに関する話題も全国でたくさんありました。今回は、ニュースと共に2020年を振り返りたいと思います。

アレルギー疾患の子どもの割合は4割に

東京都が5年ごとに実施している定期調査で、2019年10月の3歳児検診受診者とその保護者を対象に行われた「アレルギー疾患に関する3歳児全都調査」によると、3歳までにアレルギー疾患があると診断された子どもの割合が38.1%であることが分かりました。これは、2014年度(平成26年度)の調査時よりも1.8ポイント減少しているそうです。

また、都内の保育施設や幼稚園を対象に行われた「アレルギー疾患に関する施設調査」では、食物アレルギーのある子どもが在籍している園の割合が82.0%という結果が出ました。アレルギー対応については、全ての職員でしっかりと共通認識を持っておかなくてはいけないことが分かります。

アレルギーを持つ子どもの割合は減少しているようですが、それでもこれらの数字を見ると少なくないと感じます。急に発症するケースもあるので、保育者はいつでも落ち着いて対応できるようにしておきたいですね。

参考:令和元年度アレルギー疾患のある子供に関する調査結果/東京都

世田谷区の待機児童、全国ワーストからゼロへ

全国で待機児童数ワーストだった世田谷区が、2020年4月1日にはゼロになったという驚きのニュースです。2019年度(令和元年)は470人で全国最多だったということですが、この待機児童数を解消するために区は時間をかけて取り組みを行ってきたようです。

新園オープンが待機児童解消のひとつのポイントになっているようですが、それも厳しい審査を行ったうえで「保育の質」を重視して園の数を増やしているとのこと。例えば地域とのつながりを重視したオープンな造りになっている園や、登園時間に合わせて昼食の時間を個々に設定している園など、その特色はさまざまです。

数字的にはゼロになったものの、「必要な場所に必要な保育園がある」状態を叶えるために、今後も世田谷区は保育園の整備を行っていくそうです。保育の質の向上という面でも、世田谷区の事例は参考になるかもしれません。

参考:世田谷区が待機児童ワーストから「ゼロ」達成 算定法と保育園激増の秘訣、そして終わらぬ挑戦/Yahoo!JAPANニュース

保育士の虐待を防ぐマニュアル作成へ

近年、保育士による過度な教育や厳しい言葉かけ、怒鳴りつけるなどの虐待行為がニュースになることが増えました。厚生労働省は、2020年度(令和2年度)中に実態調査を行い、虐待防止策のマニュアル作成を目指すそうです。

今まで、不適切な保育の定義や、何かあったときの対応が定められていなかったため、園内で同僚の不適切な対応を目にしても「相談しても良いのか」と躊躇してしまうことがあったかもしれません。マニュアルが作成されることで、不適切な保育について声をあげやすくなると良いですよね。

子どももひとりの人として、対等な立場で接していくことの大切さが保育者の間で広まっていくことを願います。

参考:園児への暴言や虐待…保育所内の「不適切保育」を厚労省が初の実態調査へ

2歳未満にマスクは「着用させないで」

2020年(令和2年)は、新型コロナウイルスの流行で保育園も過去にない大変さがあったのではないでしょうか。大人も子どももマスクが手放せない日々が続いていますが、厚生労働省からは、「2歳未満にマスクを着用させないで」と注意喚起がされました。

2歳未満は、まだ自分でいまの状態を訴えることが難しい子も多く、息苦しくなってもそれを大人に伝えたり自分で外したりできず、窒息のリスクがあるとのことです。また夏には「マスク熱中症」も話題に上がりましたが、このようなことから子どもを守るためにも、保育者は常に子どもの様子を気にかけておく必要がありますね。

まだまだマスク生活は続きそうですが、引き続き健康と安全に注意して感染症対策をとっていきましょう。

参考:2歳未満にマスク着用させないで 厚労省が呼びかけ 新型コロナ/NHK

重度心身障がい児も受け入れ可能な保育園を開設

京都市上京区に開設された「こどもみらい園」では、医療的ケア児や重度心身障がい児を受け入れ、障がいの有無に関わらず一緒に過ごす保育を行っています。この園は、市内にある障がい児が通う施設のお父さんたちによって作られた「おやじの会」のメンバーから、保育園を作りたいという声があがったことをきっかけにできたそうです。

園には看護師を配置したり、小児科医や歯科医と連携をしたりと万全な体制を整えています。また定員数を少なくすることで子どもたちがのびのびと動けるスペースを確保。障がいを持っている子も、そうでない子も共に遊んだり散歩をしているそうですよ。

最近ではさまざまなところでインクルーシブ保育の試みがされていますが、このような園生活を通して、さまざまな人と関わり、各々の違いを知り、支え合って生きていくことの大切さを子どもたちに感じてもらえたら良いですね。

参考:障害の有無に関わらず受け入れる保育所が京都市に 看護師を配置「親が相談できる場も」/京都新聞

見直したいプール活動の安全管理体制

2017年(平成29年)に、さいたま市にある保育園でプール活動中、当時4歳の女の子が溺れて死亡する事故が起きました。当時、プールの近くには監視の保育士がおらず、滑り台の撤去をしていたということです。この事故では、元園長と元保育士の2人に禁錮1年、執行猶予付きの有罪判決が下りています。

毎年夏になると、必ず水難事故のニュースが耳に入ってきます。保育園で使用するプールは浅いうえに保育士もいることで、「大丈夫だろう」と安全の確認を怠ってしまいがちです。しかし、プール活動を行うときは必ず監視のみを行う保育士を配置しなくてはいけません。

ついつい「子どもと遊びながら」「片付けをしながら」となってしまう気持ちも分かりますが、監視の先生はその業務だけに徹するようにしましょう。子どもの安全のためにも、毎年必ず活動前に、安全について全職員で見直す体制を整えられると良いですね。

参考:遺族は約2年半経った今も許さず…さいたま市で4歳児がプールで溺死 問われる子どもの管理体制/FNNプライムオンライン

子どもの素直な反応が可愛い!6歳のメモ書き

最後はほっこりする話題をご紹介します。お父さんの食べていた梅のお菓子に興味を持ち、「おいしいよ」と言われて食べてみた6歳の女の子。その後こんなメモを残しました。

「おいしくない やっぱりうそ おいしいっていってたのうそ」


なんとも可愛い素直な反応! この女の子、他にもメモを残すことが多いようです。

「イモをやいて やきいいもにしたら むぎちゃやおちゃがあう♡」(おいしかったとき)
「いまはほっといて」(機嫌が悪いとき)


なんていう可愛らしいメモも過去にもあったそうですよ。

また、もうひとつ似たようなほっこりエピソードを見つけました。それが「パパの連絡帳」。保育士さんとやり取りするための連絡帳に、お父さんが書いた内容がとてもユニークで話題になりました。それがこちら。

「昨日に引き続き僕が迎えに行くと、
『何でお前?』みたいな顔をされます。
家では、帰宅するとともに、じゃがりこをむさぼり
ヤクルトを片手にゴリラの様に暴れ回っております。
保育園ではおとなしく遊んでいるのでしょうか」


ついその様子を想像してしまう、面白いコメントですね(笑)。連絡帳には、たまにこのような面白かったり可愛いエピソードが書かれていて、それを読むのも保育士のひとつの楽しみですよね。

何気ない一言や一場面でも良いので、このように気軽にコミュニケーションが取れると、保護者との関係性も深まっていくような気がします。

参考:「おいしいっていってたのうそ」6歳娘が“大人の味”を初体験後のメモが正直…過去のメモもかわいい/FNNプライムオンライン

参考:「家ではゴリラの様に暴れ回って」夫が書いた1歳娘の保育園連絡ノートが正直すぎる/FNNプライムオンライン

2020年、お疲れ様でした!

振り返ってみると、2020年は新型コロナの話題やパワハラ、虐待問題など、重大なニュースが多かったように感じますね。保育士さんにとっても大変な1年だったかと思います。年度末まで残りわずか、自身の健康にも気をつけながら、楽しく保育ができると良いですね。

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