どんどん増える大人の割合
「私の若い頃はひとりで50人ぐらい保育することもあったのよ」久しぶりに会った退職された大先輩と人間ドックの待合室での雑談のひとコマ。
あれから40年!(きみまろ風)時代は変わりました。
子どもはどんどん減り、大人の割合はどんどん増える。
令和では本格的な少子高齢化社会が到来し、進んでいきます。ということは、1人の子どもに対しての大人の目がどんどん増えていきます。保育園では、5歳児クラスは保育士1人に対して子ども30人がマックス。俺単体で30人クラスを担任しました。
子どもが多ければ多いほど、人間関係も複雑になり、さまざま言葉や気持ちが交差します。
おもしろい! 多ければ多いほどベクトルが同じ方向を向いた時に発揮されるパワーはものすごく、意欲的に活動に取り組みます。
おもしろい! でも…50人ってなるとちょっと想像しにくいかな。
大人の割合がどんどん増えていて、子どもから見れば、たくさんの大人を見てあこがれの存在もたくさんいるはず。
ですが、〔中高生の57%が「大人になりたくない」と考えている※1〕そうです。中高生の半数以上は早く大人になりたいとは思わず、大人になることへの不安や自身のなさを感じています。
浦沢直樹氏の名作漫画『20世紀少年』の中で主人公の同級生モンちゃんが
「早く宿題なんかない大人になりたいと思ったもんさ。ところが大間違い。大人になったら宿題だらけだ、ハッハッハッ‼」
と言っています(※2)。
俺も早く大人になって宿題から解放されたかったひとりです。仕事は宿題でいっぱいです!
話が逸れてしまいましたが、これから先、子どもたちがたくさんの大人に出会っていく中で【おとなっておもしろい】と思って大きくなれる。ものすごく大切なことです。
おとなっておもしろい
「お父さんが好き。」「お母さんみたいになりたい。」「内田先生みたいになりたい(そういわれた時はうれしかったけど大丈夫か?とも思ったな)。」その土台作りをする幼児期を担う我々保育士。保育士自身が自分の仕事、人生を面白いと思わなければ子どもたちはつまらない。子どもたちが楽しんで活動している時は、保育士自身も楽しくて時間の経過が早い! 活動が盛り上がらない時は何回も時計を見てしまう。保育士が保育を楽しまないと♪子どもたちも楽しくない。そう思います。 すべての子どもたち、大人たちに贈るメッセージソング絵本
『おとなからきみへ』
作:サトシン作/絵:羽尻利門
発行:あわわ/主婦の友 2019年
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絵本作家サトシン氏が羽尻利門氏とタッグを組み、全国の実在するおもしろい大人を集めて『おとなからきみへ』の歌にイラストを付けました。
大人っておもしろい、大人だからこそおもしろい!
歌詞、メロディ、イラスト合わせて感じてください。
紹介した絵本は、このコラムのメインテーマ絵本でもあります。 俺は子どもの頃から性格も行動も変わりません。子どものままな大人です。これから自分の活動も含めた絵本コラムを読んで、絵本っておもしろいな、こいつおもしろい人生を歩んでいるなと思っていただけたら幸いです。
令和はおもしろい大人たちで溢れかえるよう願っています。
※1 NHK放送文化研究所調べ
※2 『20世紀少年』浦沢直樹 小学館 1999年~2006年 11巻75,76ページから引用
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