前の記事へ 次の記事へ 保育・幼児教育に絵本は欠かせません。絶対にそばにある存在です。そんな保育と絵本の縁をより強くするシリーズ【絵本で広がる保育の世界】。今回は偉大なる詩人谷川俊太郎氏の絵本に関する話。 谷川俊太郎さんのイベントへ 谷川俊太郎絵本百貨店にいきました。谷川俊太郎さんの作品を展示するだけでなく、映像や音などの展示を通じて谷川俊太郎さんの世界が表現されています。 俺が子どもの頃から読んできた絵本がたくさんありました。 メンバー登録(無料)で使い放題!オンライン研修や製作キットなど、保育に役立つコンテンツが盛りだくさん! 絵本「あな」から生み出されるもの 改めて谷川俊太郎の世界を堪能したあとの出勤日。 同僚保育士がたまたま『あな』を読みました。 『あな』 作 谷川俊太郎 画 和田誠 1983年/福音館書店 >>本の紹介はこちら あらすじ 日曜日、何もすることがなかったひろしは穴を掘り始めました。掘り進める途中、両親、妹、友だちがやってきていろいろ言ってきますが、ひろしはひたすら穴を掘り続けました…。「これはのぼくのあなだ」とひろしは思い空を見上げました。―絵本の表紙の絵はそういうことなのか ― 子どもたちと一緒に絵本を楽しんでいた俺は… 何もすることがなかったわけではありませんが、園庭の砂場に穴を掘ってみたいと思ってしまいました。好奇心の塊の俺はもう止まりません。急上昇する穴掘り熱。 そこで脳裏に浮かぶ疑問… 「我が園は元鳥取砂丘だった場所に建っているため、掘っても掘っても砂なの?」 「数メートル掘ると水が出てくるの?」 穴掘り開始! さて… 穴掘り開始! すると絵本のようにたくさんの人が覗きにやってきます。 「何やってるの?」「この穴、何になる?」「手伝う♪」 手伝うと言いながら穴のきわで動くから掘ったそばからどんどん砂が落ちてくる(笑) 外に出した砂から幼虫が出現!それがうれしくて穴掘り中断。 アクシデントやハプニングを繰り返しながら深さ3メートルほどの穴が完成しました。 底の方は暗くてよく見えません。やはりどこまで掘っても砂でした。穴の中はひんやりしていて静か。園の立地としては海近くではありますが、高台にあるため水は出てきませんでした。 上を見上げると、絵本の表紙のようになるかと思いきや! 藤棚で覆われているため見上げても空は見えません。子どもが滑り降りて入ってみますが、自力では出られないので怖くなってしまうようでした。このままというわけにはいかないので、みんなで四方八方から水を流して遊んでおしまい! 楽しい活動でした! メンバー登録(無料)で使い放題!オンライン研修や製作キットなど、保育に役立つコンテンツが盛りだくさん! 「あな」はどうなる? … …… ……… ここで終わるうっちー先生と子どもたちではありません。 数日後。もっともっと掘れる。 間口が狭かったので中で自由に動くことが出来ず穴掘りに限界を感じた反省を活かして、また新しく穴を掘り始めました!子どもも砂運びを手伝います。 「もっと大きく!もっと深く!!大穴を目指して!!!」 楽しくて楽しくて一心不乱に掘りましたが、天候には勝てず数日雨天が続き、中断している間に穴掘り熱はすっかり冷めてしまっていました。 数日後に「続き掘ってみようかな」と穴に入ると調度よい湿気を見つけた蚊と蟻が発生していたので、更に冷める穴掘り熱。 穴はそのまま放置されかけましたが、遊ばないのなら埋める方が良いだろうと砂を戻し始めましたが終わらない。 掘る方がエネルギーを使い体力も使うはずなのに、穴に砂を入れても入れても埋まらない。途中で諦めました。 メンバー登録(無料)で使い放題!オンライン研修や製作キットなど、保育に役立つコンテンツが盛りだくさん! 楽しい時間はあっという間に過ぎるものですが… 相対性理論「楽しい時間は早く過ぎ去り、楽しくない時間は遅くなる」 相対性理論の解釈のひとつとしてあげられています。俺もこの穴掘りを通じてまざまざとこの言葉が身に沁みました。保育にも通じるものがありますね。 保育の中でも「先生、いつ終わる?」よりも「もう終わりなの!?」と感じられる遊びを展開していきたいと常に思っています。 谷川俊太郎作/和田誠絵『あな』を発端に掘った穴のエピソードは、遊具点検に来た業者の方が穴に落ちそうになり、「なんで埋めんかっただー!」と園長先生に叱られたところで完結です。 【関連記事】 鳥取砂丘を初めて見た子の驚きの一言とは?絵本で広がる保育の世界【こんとあき】 コラム “はらぺこあおむし”の感動をリアルに体験!【絵本で広がる保育の世界】 コラム