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愛する絵本作家『かこさとし(加古里子)』の魅力①【だるまちゃんとてんぐちゃん】

絵本作家・加古里子(かこさとし)さんのサイン
絵本専門士として活動する現役保育士「うっちー先生」による、絵本愛あふれるコラム。いよいよコラム内の新シリーズが始まりました。題して「俺の愛する絵本作家」。記念すべき第1回の作家は“かこさとし”。誰もが知っている絵本界の巨匠ですね。
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新シリーズ『俺の愛する絵本作家』

今回からコラム連載の新シリーズ!「俺の愛する絵本作家」をお送りいたします。

第1弾は、言わずと知れた巨匠〈かこさとし〉について。保育士をしていて、かこ氏の作品を読んだことない人なんていないはずです。俺は子どもの頃から大好き! 5歳の時には地元に来ていただきました。俺は左から3番目中腰の男の子。30年前のことですが、かこ氏この時61歳!
まずは著書の大きな特徴のひとつ『わかりすい起承転結』で、かこ氏の来歴をまとめてみました。

 

『かこさとし』はどんな人?

かこさとし(1926-2018)

【起】
1926年、福井県武生市(現:越前市)に生まれる。少年時代を福井と東京で過ごし、東京大学に入学。学生時代は、航空士官に憧れるも近視のため軍人になれず19歳で敗戦を迎える。これまでの自分と、敗戦を迎えた途端に手のひらを返した大人たちに失望する。

【承】
「子どもたちは、ちゃんと自分の目で見て、自分の頭で考え、自分の力で判断し行動する賢さを持つようになって欲しい。」と思い、子どもたちの役に立つため川崎市でセツルメント運動を始める。子どもと直に学び合う中で大切なことを見つけていく。【大切なことは、すべて子どもたちに教わった】
※セツルメント運動の内容はさまざまだが、かこ氏は労働者街の子どもと紙芝居や幻燈の読み聞かせなどの活動を行った

【転】
セツルメント運動で一緒だった内田路子氏(内田莉莎子氏の妹、後の堀内誠一夫人)の紹介で、福音館書店編集長・松居直と会い、デビュー作『だむのおじさんたち』(福音館書店/1959年)を出版。以降、『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店/1967年)の“だるまちゃんシリーズ”や、『どろぼうがっこう』(偕成社/1973年)の“かこさとしおはなしのほんシリーズ”など数々のヒット作を生み出す。科学者として『かわ』(福音館書店/1962年)などの科学絵本も多数出版。作品数は500を超える。
だるまちゃんとてんぐちゃん
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どろぼう がっこう
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【結】
「休むのは死んでから休みます。」と、生涯現役にこだわり描き続けた。アイデアはまだ200以上あり、亡くなる間際まで『だるまちゃんとうらしまちゃん』(未完)や、『みずとはなんじゃ』(小峰書店/2018年)の制作に携わっていた。2018年(平成30年)5月2日没。

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どんな作品?

かこ作品の魅力は
  • 物語の構成が起承転結がはっきりしていてわかりやすい。
  • 子どもの身近にあるものから大きな宇宙や生命の話まで繋がっていて引き込まれていく。
  • 画風は唯一無二、絵や画面構成がシンプルで子どもに直に届く。同時に『からすのパンやさん』(偕成社/1973年)のパンの見開きページに代表されるように、たくさんの愉しい物が描かれている。
保育士になるまでも、なってからもたくさん読んできました。生活発表会で作品をテーマに劇をした人もいることでしょう。なぜここまで多くの人に読まれ、心に残っているのか。かこ氏の語録を読み返してみました。

かこさとしと保育

  • 自分から興味を抱いたものを調べてどんどん深めていく時の充実感はその子の生きる喜びにつながっている
  • 自分で楽しみを探し出しその楽しみが次のエネルギーとなって伸びていく、それが生きる力
  • 子どもが子どもらしく生活すること生きていかれる環境を守らねばならない…それは、傍らにいる大人の役目である
これって保育指針ではないですか? 子どもへの愛があふれています。主体的な子どもを育む。豊かな人間性を育む。その中で大切にしていることの核心だと思います。俺が生まれるずっと前から、子どもたちに大切なことを絵本や多くの作品を通して教えて下さいました。これからもずっとずっと読み継いでいきます。
保育の中での作品に関するエピソードがありますので、次のコラムにてお伝えしたいと思います。お楽しみに♪


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