クラス運営の視点で見た1年間の見通し
新年度の高揚感には特別なものがありますね。新しい職場、新しい仲間、新しいクラスへの期待と不安が入り混じる4月。「誰にでも“初めて”がある」を合言葉に、自分らしく進んでいきましょうね。
今日はクラス運営の視点で1年間の見通しをお伝えします。指導計画には書ききれない具体的なイメージを持つことで、「今は〇〇な時期だから焦らなくても大丈夫」と落ち着いて捉えることができるようになります。
また、学年が違ってもクラス運営という視点においては同じことが言えます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
4〜6月はわちゃわちゃ期
焦らず「個」をしっかり捉えよう!
新しい部屋、新しいロッカー、新しい担任の先生。園に通い慣れている子たちでもワクワク感が溢れる時です。担任としては、昨年度に比べて落ち着きがなくなったように感じることもあります。
進級クラスでも「ここは安心して過ごせる場所だ」と心から感じてもらうことが何より大切な時です。クラスのまとまりを焦って整えようとするよりも、「個」をしっかり観察し受け止めることを意識しましょう。個が集まって集団となるのです。時期的な目安として、私は七夕の頃には一人ひとりと心がつながる手応えを持つことを意識しました。
新入園児のいるクラスでは、4月に泣かずに登園できた子もゴールデンウィーク明けから涙が出ることもよくある姿です。最初の3ヶ月くらいはまとまりがなくて大丈夫。「今はわちゃわちゃするものだ」と自分に言い聞かせて、焦らず落ち着いていきましょう。
7〜8月は開放期
遊びで尊敬されよう!
太陽のもとで伸び伸び体を動かして心身ともに開放的になる季節です。プール遊びや泥遊びなどは友だちとの関わりも生まれやすく、気の合う友達とのグループ(小集団)の楽しさへと移行していきます。
保育者はあそび仲間としてグループの中に入って盛り上げたり、気持ちのすれ違いを仲介したり、違いを認め合ったりする役割ができるといいですね。
また年中長などパワフルな学年ほど保育者も真剣にあそび、遊びで尊敬されましょう。子どもにとって先生の位置付けがグッと近くなり、9月以降のまとまり方が変わってきますよ。
私は、プールでは誰よりも濡れる。相撲あそびでは絶対に負けない。鬼ごっこ系(鬼役)は手加減しない。スリルある遊びは本気でドキドキしながら参加する。大人だから出来ること(許可を出せるなど)は積極的に取り組むなど。体を張って遊びの中での地位を獲得していきました。おすすめです!
9~12月は団結期
“みんなで”を楽しもう!
年度も後半になり、運動会や作品展、クリスマス会などの行事が続きます。いよいよ「〇〇組のみんなで」を実践する時です。
この頃には保育者と子どもたちとの間に一体感と、確かな信頼関係が生まれているでしょう。行事で何をするか、どう行うか。保育者もクラスの一員として、子どもたちと相談をしながら進めるのがおすすめです。話しあいや練習を重ねた成功体験を通して、クラスへの団結力や学年へのプライドも育っていきますよ。
また個と集団、どちらも大切にする意識が改めて大切になります。 行事への取り組みに力が入りすぎて、個人への気づきがおろそかにならないよう気をつけましょう。
1~3月はまとめ期
客観的に点検しよう!
クラスみんなで大きなことを成し遂げ、心身がグッと成長したことを日常生活の中で感じることもあります。そんな時こそ、改めて保育所保育指針・幼稚園教育要領・各テキストなどに目を通し、現状を少し客観的に点検しましょう。
五領域の視点に偏りはないか?どんな変化があったのか?
『幼児期に育てたい10の姿』には近づいているか?特に楽しそう、育ったと感じることは何か?など。クラスとしてだけでなく一人ひとりも点検し意識することをおすすめします。
残りの日々で、次学年に向けてどんな取り組みをしたら良いのかが見えてきますよ。
また同時に、指導要録に記載する内容の目処も見えてくるはずです。保育士として成長を客観的に捉えながら、子どもたちはクラスへの愛着や自信をもって次学年への期待に繋げましょう。
皆さんの新しいスタートを応援しています!
<あさこ先生のベトナムだより>
私も今月から、外国で育つ子どもたちに日本語を教えるクラスを始めました。新しいスタート、一緒に頑張りましょう!