子ども主体の保育って?
「主体」を辞書でひくと「自覚や意志に基づいて行動する者」とあります。子ども主体の保育とは、子ども本人が感じたり考えたり、〇〇したいと思うことをする保育です。保育者は子ども本人でありません。ですからこども主体を難しく感じたり悩んだりするのは当然かもしれません。どうしたら子ども本人の自覚や意思を保育に反映することが出来るのでしょうか?
共動共感ー共に動いて共に感じるー
今すぐできることは、あなたも主体者である子ども本人になりきってみることです。同じものを見たり聞いたり触ったりすることを、子どもと同じ熱量で行ってみましょう。
その際、ミラーリングがおすすめです。
子どもが驚いていたらあなたも驚いて、子どもが不思議そうだったらあなたも不思議そうに。表情や声の大きさまで、まるで鏡のように同じ言動を意識します。子どもは「先生も同じなんだ!」という喜びを、あなたは子どもと同じタイミングで同じ発見や感動を得ることができますよ。
主体者となって経験したことは保育者としての気付きとなり、明日の保育に大きなヒントを与えてくれるはずです。
子どもは友だち。友だちを信じる
みなさんは今、心から子どもを信じることが出来ていますか?若かりし頃の私にはとても勇気がいることでした。
子どもが自ら行っていることに、つい途中で余計な手出し口出しをしていました。保育計画のイメージ通りに行ってくれるかも不安でした。「子ども主体・子どもを尊重する」と言いながら、心の奥では尊重しきれず、なんとなく重荷に感じて疲れることもありました。
でもある時、この関係性は人として対等ではないと思ったのです。子どもが私を信じてくれるように、私も子どもを信じよう。相手が子どもであることを意識しすぎず、友だちと同じ感覚でいようと思ったのです。
友達の意見を聞かずにひとりで全てを決めたり、強制したり、禁止したりしないですよね。
話を聞いたり聞いてもらったり、助けたり助けてもらったりしながら保育をすれば良いんだ。立ち位置を少し変えたことで保育がとても楽になりました。
楽しいことを一緒につくり出す友だちとして、子どもたちを信じましょう。子ども主体の保育はみんなで作ることができるのです。
子どもに相談しよう
子ども主体の保育をみんなで作る方法として、なんでも子どもたちに相談することをおすすめします。自分たちのことは自分たちで決めてもらいましょう。
「先生は〇〇と思うのだけど、みんなはどう思う?」
「こんな時ってどうしたらいいかなぁ?」
「困ったことがあるのだけど、聞いてくれる?」
子どもの ”出来ない・自分でしたい” をどこまで手伝っていいのかというお悩みも、本人に相談することで解決出来ます。
「何か手伝いましょうか?」
「ここからは自分でできる?」
実はこれらの会話から、子どもの意欲はもう動き始めています。自分で考えて決めるのは楽しいことだからです。意欲が動き出せば、あとは子どもを信じて付いていきましょう。もちろん共動共感を忘れずにいてくださいね。
みんなでみんなの保育をつくろう
例え何歳であっても、全てのヒントは子どもの中にあります。 ”あなたのことをあなたに相談する” って、とてもシンプルで良い方法だと思いませんか? ”先生だから” という肩の荷をおろして、みんなでみんなの保育を作っていきましょう。<あさこ先生のベトナムだより> 幹にいるアリを発見。1歳5ヶ月の彼も私の大切な友だちです。
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