人柄に惚れてしまう宮西達也氏の魅力
愛する絵本作家シリーズ第3弾は、現役バリバリ最前線で活躍しておられる大先生! 宮西達也氏についてです。絵本専門士活動を通して、何度か一緒にイベントを実施させていただいております。人柄を知れば知るほど惚れてしまうスーパークールガイの作り出す作品について、俺なりの視点で考察してみました。 『別冊太陽 宮西達也の世界』出版:平凡社
発行:2019年7月29日
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こちらの本を参考にしました。「生きている間に別冊太陽で特集組んでもらった絵本作家は僕だけだよ♪」とうれしそうに先生は語っておられましたが、ほんとにすごいことだと思います。先生自身の言葉もたくさん込められたこの本を読めば、先生のことがよくわかります。この中の『宮西達也の歩み』をお読み取りいただければと思います。俺は簡単にまとめさせていただきました。
絵本作家・宮西達也とは
宮西達也(1956年~)
- 静岡県熱海生まれ
- 日本大学芸術学部美術学科に入学 人形企画岡崎美術事務所アルバイト時代に絵本の色塗りをする。
- デザイン会社に勤務後イラストレーターになり、仕事をする中で絵本作りを始める
- 『あるひ おねえちゃんは』(フレーベル館)で絵本デビュー
- 1996年『おとうさんはウルトラマン』、2003年『おまえ うまそうだな』を出版
- 現在も日本だけではなく海外展開もしながら、続々と作品を作り続ける
『おとうさんはウルトラマン』
宮西達也作
出版:学研プラス
発行:1997年4月1日
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出版されたのは、父親の育児参加が今よりも少なかった時代。絵本でも主役になるのは、おかあさんやおばあちゃん。仕事をしているおとうさんにスポットをあて、そして家庭での姿も描きました。
そして現在でも脈々と続く17年目(2018年には15周年記念を行いましたね!)のティラノサウルスシリーズの1作目
『おまえ うまそうだな』
宮西達也 作
出版:ポプラ社
発行:2003年3月1日
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ひょんなことから父親になってしまったティラノサウルスのおはなし。ウマソウとティラノサウルスのすれ違いトークから心通わせていく変容、そして素晴らしきラストシーン。
このように、父親をテーマにした絵本がたくさんあります。男性保育士として、父親として、男性絵本専門士として注目したいテーマのひとつです。
母性と父性の違いとは
ところで、父親がテーマということにふれましたが、みなさまは母性と父性についてどうお考えですか?児童精神科医の佐々木正美先生をご存知の方も多いと思います。自閉症治療教育プログラム「TEACCH」の第一人者であります。若かりし頃、講演を直接聞かせていただいて感銘を受けました。もうお亡くなりになられているのが残念でしかたありません。しかし、多数の著書を残しておられるので、その考えに触れることはできます。その先生の言われる母性・父性の考え方、とらえ方が自分の保育園の中での経験とすごくリンクするので、紹介いたします。
『はじまりは愛着から』
佐々木正美 著
山脇百合子 絵
出版:福音館書店
発行:2017年9月6日
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母性…母性性とは、家庭のなかで子どもや家庭を受容、承認する力です。そのままでいいよという安らぎ憩い、くつろぎの体験を十分にさせてやるものです。
父性…父性性は、子どもの成長にしたがって、さまざまな規律、約束、義務、努力、緊張といったことを教えていきます。
『はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子どもに』佐々木正美 福音館書店2017年より引用
母性性、父性性としてあるのは、母親だから母性、父親だから父性を分けられるものではなく、母親でも母性父性を持ち合わせ、またその逆もあるからです。これを保育園の中に置き換えた場合、母性に溢れた保育士(男女問わず)、父性に溢れた保育士(女男問わず)が存在することになります。
話が途中になってしまいましたが、宮西達也氏の世界と母性と父性という切り口での考察と作品への愛情は次回に続きます。
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