雨の日や保育の隙間時間、どんな風にすごしていますか?
6月が年度終わりとなるスウェーデンでは、長い夏休みに向けて、大人も子どももゆったりした時間を過ごしています。学期を通して行ったプロジェクト活動もいったん区切りをつけて、今の時期は外遊びが中心になっています。
しかし雨天や室内のちょっとした隙間時間はどうしても子どもたちも間延びしてしまって、事故やいざこざが起こりがちです。
日本の保育園でも、同じような悩みがあるのではないでしょうか?
そんな時にできるちょっとした保育ネタがあると、便利ですよね! 今回は、スウェーデンので人気の“室内でできる保育ネタ”を紹介したいと思います。
1~3歳児さん向け「ミニローリス(Miniröris)」
動画を観ながらやってみましょう!
音楽と音声に合わせて身体を動かす活動です。
ビデオの最初に出てくる「Häng med?」は「一緒にやる?」という声かけなのですが、これを聞くと子どもたちがワーッと寄ってきます。
友達と一緒に身体を動かすおもしろさの他に、音声がどんな動きを指示しているのか、聞き分ける力も培えます。
ジャンプ、走る、くるくる回るなどはすぐにできるのですが、自転車をこぐ動きや片足で立つなどは難しい子が多いです。そこで何度も繰り返すことで、試行錯誤しながらできるようになるプロセスも見えます。
またプロジェクターがある園では、YouTubeの映像を投影していることもありますが、私の園の年少児クラスにはないので音だけでやっています。
日本の保育園で活用するなら?ワンポイントアドバイス
ちなみに保育にYouTubeを利用することに抵抗がある読者も多いかと思いますが、スウェーデンの保育士は楽器の演奏が課されていません。
さらに無料で様々な楽曲が簡単な操作で活動に利用できる利点はあると感じます。そのため多くの園できちんとした目的のもとに一般的に利用されています。
4~5歳児さん向け「ポンぺリポッサ(pomperipossa)」
これは絵本から派生した遊びになります。この絵本は1895年に発表された鼻の長い魔女のお話でスウェーデンの古典になります。この魔女が魔法をかけていたずらをする度に鼻がどんどん長くなっていき、最後は怒った王様がポンペリポッサを石に変えてしまうというお話です。
遊びのルールはこんな感じです。
①子どもたちが音楽を聞きながら自由にゆっくり部屋の中を歩いて、音楽が止まったタイミングで床にうずくまり、目を閉じて待ちます。
②保育士が一人の子どもにそっと毛布などの布をかけて外側から誰か見えないようにします。
③保育士が机や壁などをノックして「ポンペリポッサ、ポンペリポッサ、毛布の下に隠した子どもは誰だ?」と尋ねます。
④毛布をかけられた子ども以外は、立ち上がって誰が隠されたのかを当てます。
日本だと、音楽に合わせてピタッと動きを止める「イス取りゲーム」と先生が協力して行う「かくれんぼ」の要素が合わさったような遊び…と、イメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
先日この遊びを始めて見たのですが、どの子もドキドキハラハラしているのが伝わってきました。古典文学から派生した遊びということもあり、様々なバリエーションがあるようです。
残念ながら絵本は翻訳されていませんでしたが、日本でも馴染みのある魔女の名前に変えて取り入れられそうなので、ぜひ試してみて下さいね。
次回は2021年8月25日公開予定です。お楽しみに!
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