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じゃんけん遊び16選【遊び方・ねらい解説】

じゃんけん遊び
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをイラストで解説します。今回は、じゃんけんをアレンジした遊び・ゲームをまとめてご紹介します。

この記事の目次

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じゃんけん遊びとは

グー・チョキ・パーの3種類の手を出して勝ち負けを決める「じゃんけん」。運の要素が強いので子どもたちが平等に遊ぶことができて、道具も必要ないので、保育現場(特に幼児クラス)では毎日のように目にしますよね。そのじゃんけんを使った遊びを、皆さんはいくつ知っているでしょうか?

今回は、じゃんけんを使った遊びをたくさんご紹介します。ねらいや、子どもたちにじゃんけんを教えるコツなども合わせてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

じゃんけん遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。

<3歳児>
  • じゃんけんのルールを知る
<4歳児>
  • 友だちとじゃんけんすることを楽しむ
<5歳児>
  • 友だちとじゃんけんを通して関わりを深める
  • じゃんけんを通してルールを学び、さらに楽しさを味わう

じゃんけんの教え方

他児との関わりが増えるにつれ、なにかと使う場面が多くなるじゃんけんですが、初めはその仕組みを理解できなかったり、タイミングを合わせて手を出すことが難しかったりしますよね。そこで今回は、子どもたちにじゃんけんを教えるコツをご紹介します。

1.リズムを覚える

初めに、「タイミングを合わせて手を出す」という練習をしましょう。「じゃんけんぽん」と言いながら先生がグーチョキパーいずれかを出し、子どもたちは先生と同じタイミングで同じ手を出していきます。わらべうたの「おちゃらか」を歌うのも、息を合わせる練習になりますよ。

「チョキ」は手の形を作ること自体が難しいので、できない子はまず手の形から練習してもいいでしょう。

2.ルールを理解する

リズムを覚えることができたら、次にじゃんけんのルールを説明します。どの手がどの手に勝つのか、という仕組みを一つずつ伝えましょう。
このとき、
  • グー →石 
  • パー →紙
  • チョキ →ハサミ
に見立てて教えると分かりやすいです。
  • 「石(グー)はハサミ(チョキ)で切れない」
  • 「チョキ(ハサミ)は紙(パー)を切れる」
  • 「紙(パー)は石(グー)を包み込んでしまう」
といったように、感覚的に強さが分かるようにするといいでしょう。イラストを用意して見せたり、本物を用意できる場合は実際にやって見せるのもおすすめです。いきなりリズムにのって勝ち負けを判断するのは難しいので、少し考える時間を取りながらやってみてくださいね。

①後出しじゃんけん

対象年齢

3歳児/4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①保育者(またはあらかじめ決めたリーダーの子)が、「じゃんけんぽん!」と好きな手を出します
②①の後すぐに「ぽん!」と1呼吸遅れて、相手の子も手を出します
③遅れて出した子がじゃんけんに勝つことができれば成功です!

ポイント

保育者が初めに「勝って!」「負けて!」「あいこにして!」と指示をだして、その後すぐに後出しじゃんけんをするのも楽しいです。咄嗟に考える瞬発力や思考力を育むことができますよ。

②あっち向いてホイ(あっちむいてほい)

対象年齢

4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①2人で向かい合ってじゃんけんをします
②じゃんけんに勝った方が、「あっちむいてほい!」と言いながら相手の顔に指を指し、「ほい」のタイミングで上下左右いずれかに向けます
③じゃんけんに負けたほうが、「ほい」のタイミングで上下左右いずれかに顔を向けます
④指を指した方向と顔を向けた方向が一致したら指さした方の勝ちです。一致しなかった場合は、一致するまで①~④を繰り返します

ポイント

あっちむいてほいは、1人がリーダーで指を指す人になれば、じゃんけんなしでも楽しむことができます。初めはじゃんけんと、あっちむいてほいを分けて練習しても良いかもしれません。また、顔を向けるところを「しゃがむ」「ジャンプする」「身体を左右に回転させる」などに置き換えれば、全身運動として遊ぶこともできますよ。

③両手じゃんけん

両手じゃんけんをしている子どもたちのイラスト

対象年齢

4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①掛け声に合わせてじゃんけんをします。「じゃーんけーん ぽーい ぽーい どっちだすの?」と言いながら両手をクロスして、両方の手でグーチョキパー好きな手を出します
②「こっちだすの」と言いながら、右手か左手好きな方を出します。このとき、①で出した手から変えないようにします
③どちらかが勝つまで繰り返します。あいこになったら、「あーいこーで ぽーい ぽーい」と掛け声を変えましょう

ポイント

「じゃーんけーん ぽーい ぽーい どっちひくの?」と歌う場合もあるようです。歌い方は、馴染みのあるものを選ぶとよさそうです。

相手の両手、自分の両手を見比べて、どちらを出せば勝てるかと考えるというのが少し難しいポイントなので、じゃんけんのルールを完全に理解してできるようになってから遊ぶのをおすすめします。

④全身じゃんけん(からだじゃんけん)

からだじゃんけんをしている子どもたちのイラスト

対象年齢

3歳児/4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①じゃんけんをする子同士で、向かい合います
②手の代わりに、全身を使ってじゃんけんをします
  • 「グー」…身体をぐっと縮めてしゃがむ
  • 「チョキ」…足を大きく前後に開く
  • 「パー」…両手両足を大きく開く

ポイント

単純な遊びですが、全身を大きく使うので雨の日など、外遊びができないときにできる簡単な運動遊びとしておすすめです。手や足がぶつからないように、広くスペースを取って行うようにしましょう。

⑤股開きじゃんけん

股開きじゃんけんをしている子どもたちのイラスト

対象年齢

4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①2人1組のペアになります
②じゃんけんをして、負けた方は1歩ずつ足を横に広げていきます
③②を繰り返して、先に倒れてしまった方の負けです!

ポイント

じゃんけんに負けると少しずつバランスがとりにくくなっていく感覚に、子どもたちは盛り上がること間違いなしですよ。先生1人がリーダーになって勝ち抜き戦にしても楽しいです。足を開く方向を縦にしてみるなど、アレンジを加えてみるのもおすすめです。

⑥じゃんけんグリコ

対象年齢

4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①スタート地点とゴール地点を決めておきます
②参加する子はみんなスタート地点に立ちます
③「グーリーコ!」の掛け声で、じゃんけんをします
④勝った子は、ゴールに向かって前進できます。出した手によって歩数が決まります
  • 「グー」で勝った時…「グリコ」と言いながら3歩進む
  • 「チョキ」で勝った時…「チヨコレイト(チョコレート)」と言いながら6歩進む
  • 「パー」で勝った時…「パイナツプル(パイナップル)」と言いながら6歩進む
⑤初めにゴールできた人の勝ちです!

ポイント

この遊びは、勝った時の手によって歩数が変わるところがポイント。6歩進めるチョキとパーでは、チョキの方が強いですが、そのチョキに勝てるのは3歩のグーです。また、そのグーに勝てるのが、6歩のパーというように、3すくみの状態になります。子どもたちもいろいろ作戦を考える姿が見られるかもしれませんね。

戸外遊びとして行う際は、夢中になって道路に出てしまうことが無いように、注意して見守りましょう。保育者がスタートとゴールを決めてしまってもいいかもしれません。

大股で1歩1歩進んだり、ジャンプしたり、階段を使って1段を1歩として登ったりと、さまざまなアレンジができるので、子どもたちと相談しながら遊んでみてくださいね。

⑦王様じゃんけん

王様じゃんけんをしている子どもたちのイラスト

対象年齢

3歳児/4歳児/5歳児

用意する物・道具

  • 椅子(王様1人につき1脚)

遊び方

①まずは、王様になる人を1人決めます。王様は椅子に座り、他の子は椅子の前に一列に並びます
②「スタート!」の合図で、王様と目の前に立っている子がじゃんけんをします
③王様が勝ったら、そのまま椅子に座り続けて次に並んでいる子とじゃんけんをします。王様が負けたら、勝った子と入れ替わります。※負けた子は列の一番後ろに並びます
④「終わり!」の合図があったときに、王様になっていた子がチャンピオンです!

ポイント

勝ったら王様と入れ替わる、負けたら後ろに並ぶ、というルールが少し難しいですが、先生がサポートすれば3歳さんでもできそうです。王様になった子が被る王冠を用意したり、椅子を飾り付けしたりすると、より盛り上がりますよ。人数が多い場合は、いくつかチームに分けてもいいでしょう。最後に王様になっていた子は前に出て表彰するのもいいですね。

「終わり!」のタイミングは、あらかじめタイマーをセットして時間を決めたり、みんなが一度は王様になってから言うのがおすすめです。「自分だけ王様に慣れなかった…」と不公平に感じることがないように配慮できるといいですね。

⑧どーん!じゃんけんぽん(どんじゃんけん)

対象年齢

4歳後半/5歳児

用意する物・道具

  • 白線を引けるもの

遊び方

①子どもたちは2チームに分かれます
②少し長めの線を引き、その端と端に両チームが1列で並びます
③「よーい、スタート!」の合図で、先頭に居る子が相手チームに向かって線の上を走ります
④相手チームの子と合流したところで、「どーん!」と言いながらハイタッチをして、じゃんけんをします
⑤負けた子は、すぐに線から離れ道を譲り、自分のチームの最後尾に回ります。負けたチームの先頭の子は、道を譲ったのを確認したらすぐに線の上を走り始めます。勝った子はそのまま進みます
⑥④⑤を繰り返します
⑦先に、相手チームの陣地にたどり着いた方の勝ちです!

ポイント

ルールを説明する際には、複数の先生で見本を見せたり、絵を描いたりして動き方が分かりやすくなるような工夫をしましょう。慣れてきたら、コースをアレンジして「曲線」「平均台上」「タイヤの遊具の上」「けんけんぱの丸を描く」など走りにくくなる要素を加えると、足の速さだけで勝負が決まることがなくなるのでより盛り上がりますよ。

⑨新聞紙じゃんけん

新聞紙じゃんけんのイラスト
じゃんけんに負けると、自分の陣地(新聞紙)がどんどん狭くなっていく…というハラハラ感を楽しめる遊びです。2~3人の少人数でも、集団でもどちらでも行うことができますよ。

対象年齢

4歳児/5歳児

遊び方の解説はこちら

⑩じゃんけん列車

じゃんけん列車のイラスト
集団で遊べる室内遊びとして定番のじゃんけん列車。お友だちとの関わり、触れ合いが多く、クラス全体で仲良くなりたいときにオススメの遊びです。

対象年齢

2歳児/3歳児/4歳児/5歳児

遊び方の解説はこちら

⑪水中じゃんけん

対象年齢

5歳児

用意する物・道具

  • プール

遊び方

①じゃんけんをする子と向かい合います
②「せーの」で水の中に潜り、「じゃんけんぽん」とジェスチャーでタイミングを合わせながら水中でじゃんけんをします

ポイント

水に顔をつけられる(潜れる)状態になっている必要がある遊びなので、水遊びが苦手な子を無理に誘うのはやめましょう。長い間潜っていることがはじめは難しいので「じゃんけんぽん」の「ぽん」タイミングで潜るのもおすすめです。
 

⑫おちゃらかほい

じゃんけん遊び「おちゃらかほい」のイラスト
じゃんけんの勝敗よりも、繰り返しのうたのリズム感を楽しむ遊びです。どれだけ長く続けられるか、スピードを速くできるか、などに挑戦するのもおすすめです。

対象年齢

3歳児/4歳児/5歳児

遊び方の解説はこちら

⑬カレーライス

対象年齢

5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①「カレーライス」の掛け声に合わせてじゃんけんをします。「ス」のタイミングでじゃんけんの手をだします

②勝った方が掛け声を言います。「○○カラ」のタイミングで次の手を出します
  • 「グー」で勝ったとき…「グーカラ グーカラ ○○カラ」とリズムを取る
  • 「チョキ」で勝ったとき「チョーカラ チョーカラ ○○カラ」とリズムを取る
  • 「パー」で勝ったとき…「パーカラ パーカラ ○○カラ」とリズムを取る
③②を繰り返し、「あいこ」になったら素早く「水!」と言います。先に水と言えた方が勝ちです

ポイント

じゃんけんの勝ち負けではなく、楽しいリズムやテンポ感を楽しむゲームです。同じ遊び方で、掛け声が異なるものがいくつかあります。好きなものを選んで遊んでみて下さいね。

お菓子

  • 「グー」で勝ったとき…「グミ グミ ○○」とリズムを取る
  • 「チョキ」で勝ったとき「チョコ チョコ ○○」とリズムを取る
  • 「パー」で勝ったとき…「パフェ パフェ ○○」とリズムを取る
  • 「あいこ」になったら…先に「ドン!」と言った方が勝ち

グリンピース

  • 「グー」で勝ったとき…「グリン グリン ○○」とリズムを取る
  • 「チョキ」で勝ったとき「チョリン チョリン ○○」とリズムを取る
  • 「パー」で勝ったとき…「パリン パリン ○○」とリズムを取る
  • 「あいこ」になったら…先に「ドン!」と言った方が勝ち 

⑭進化じゃんけん

進化じゃんけんのイラスト
赤ちゃんから子どもに、子どもから大人に、じゃんけんに勝つとどんどん進化していくことができる遊びです。じゃんけんに加えて、なりきり遊びの要素もありますよ。

対象年齢

4歳児/5歳児

遊び方の解説はこちら

⑮じゃんけんトンネル 

対象年齢

5歳児

用意する物・道具

  • なし

遊び方

①2人でペアを作り、相手の子と向かい合います
②じゃんけんをします
③勝った方は、自分の身体を使って好きなようにトンネルを作ります
※股を大きく開く、両手両足をついて輪をつくる、など
④負けた方が、③で作ったトンネルをくぐります。くぐれたら成功です!

ポイント

普段の活動はもちろん、体操の時間にもおすすめのアイデアです。トンネルの作り方は、初めに先生が「こんな作り方があるよね~」とお手本を見せながら、子どもたちが自由に考えられるようにするといいですね。

⑯カードじゃんけん

勝った子は負けた子からカードを1枚もらいます。(負けた子はカードを勝った子に1枚渡します)
じゃんけんにカードを組み合わせたシンプルな遊びです。じゃんけんをして勝ったらカードを1枚もらい、負けたらカードを1枚渡す。ただそれだけの遊びですが、時間制限をしたり枚数で競ったりすると、思わず「もう1回!」の声があちこちから飛んでくる園でも人気の遊びです。

対象年齢

4歳児/5歳児

遊び方の解説はこちら

じゃんけん遊びを保育に取り入れよう

じゃんけん遊びは、明日からすぐにできるものばかり。年齢に合わせたねらいを持って、是非保育に取り入れてみてくださいね。

※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。

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杉本 綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本 綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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