スライム遊び
「スライム遊び」は、子どもたちが大好きな感触遊びの1つです。「グニャグニャ」「ドロドロ」「プニプニ」など独特の感触で、思わず夢中で触ってしまいます。スライムの感触や冷たさ、自由自在に変形できる特性を楽しむうちに、指先の感覚を養い、「次はどんな形を作ろうかな?」と想像力も養うことができるでしょう。今回は、そんなスライムの材料や作り方、注意点、年齢別のおすすめの遊び方をご紹介します。
難易度
★☆☆☆☆対象年齢
0歳/1歳/2歳/3歳/4歳/5歳スライム遊びのねらい
保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。- スライムに変化していく工程を見たり、一緒に作ったりすることで感触遊びに興味をもつ
- 想像力を膨らませながら、さまざまな形を作り、見立て遊びを楽しむ
期待される子どもの姿
- 手や指先を使い、指先の動きや感覚を高める
- どのような形になるのかなど考えることで、想像力や考える力が身に付く
- スライムなど感触遊びを楽しむことで情緒が安定する
スライム遊びの注意点
スライム遊びをする際に注意するポイントをご紹介します。準備をする段階で、事前に確認しておきましょう。誤飲に注意する
スライムはふわふわで一見おいしそうな見た目ですが、食べることができません。子どもたちが誤飲をしないよう、保育者の目が行き届く範囲で遊ぶようにしましょう。特に0~2歳クラスでは注意が必要ですね。事前に環境設定をする
活動の前に、必要なものはあらかじめ用意しておきましょう。スライムを作るのに必要な材料と道具はもちろん、スライム遊びは保育室内が汚れやすいので、ブルーシートを敷いておくなど汚れへの対策も肝心です。一度作り始めるとその場からなかなか離れられないので、用意は念入りにしておくと安心ですよ。手洗いを徹底する
子どもたちが大好きなスライム遊びですが、ホウ砂(ほうしゃ)など毒性のある材料を使う場合は注意をする必要があります。また、身体にスライムがたくさんついてしまうので、子どもたちが誤って口にいれてしまわないよう、遊んだ後は速やかに手を洗いましょう。スライムの作り方3種類
スライムを手作りする方法をご紹介します。片栗粉
片栗粉を使った作り方をご紹介します。万が一口に入れてしまっても問題ない材料で作るので、特に乳児さんクラスで行う場合は、この作り方がおすすめです。<材料>
- 片栗粉
- 水
- ボウル
- 食紅
- プラスチックスプーンや割り箸
①ボウルに片栗粉を入れます。
②そこに少しずつ水を加えます。少しずつ加え、おおよそ片栗粉の半分の量を入れると良いです。
③お好みの硬さになったら、食紅で色をつけて完成です。
洗濯のり
洗濯のりを使った作り方をご紹介します。洗濯のりを使ったスライムは、よく伸びてもちもちした感触なのが特徴です。<材料>
- 洗濯のり(PVAという成分が入っているものだと固まりやすいです)
- 洗濯用洗剤
- ボウル
- プラスチックスプーンや割り箸
- 絵の具または食紅
①ボウルに洗濯のりを入れます。着色をしたい場合は、この時に絵の具か食紅を入れましょう。
②少しずつ液体洗剤を入れて混ぜます。お好みの硬さになったら完成です。
重曹
重曹を使った作り方をご紹介します。ふわふわ、もちもちで、洗濯のりを使ったスライムと似た出来上がりの感触です。材料の1つ、コンタクトレンズの洗浄液にはホウ砂という成分が入っており、口に入れると危険なため、注意して見守りましょう。また、手に傷がある子がいる場合は、活動を控えましょう。<材料>
- 重曹
- 洗濯のり
- コンタクトの洗浄液 ※ホウ砂が含まれていないコンタクトレンズ洗浄液では固まらないので、あらかじめ成分を確認しておきましょう
- ボウル
- プラスチックスプーンや割り箸
- 絵の具または食紅
①ボウルに洗濯のりを入れます。
②重曹を一つまみ入れます。入れすぎると分離してしまうので、少しだけ入れるようにします。
③コンタクトレンズの洗浄液を入れてかき混ぜます。かき混ぜながら、着色も行います。
④お好みの硬さになったら完成です。
シェービングフォーム
シェービングフォームを使った作り方をご紹介します。ふわふわで触り心地が気持ちいいスライムが出来上がります。こちらもホウ砂という成分を使用するため、遊ぶときは特に注意しましょう。取り入れるのであれば幼児クラスがおすすめです。<材料>
- シェービングフォーム
- 洗濯のり
- ホウ砂
- 水
- ボウル
- プラスチックスプーンや割り箸
- 絵の具または食紅
①ボウルに洗濯のりを水が1対1の割合で入れます。着色をしたい場合は、ここで絵の具や食紅を入れます。
②シェービングフォームを入れ、ふわふわになるように混ぜます。多めに入れるとふわふわになりやすいです。
③別の容器にホウ砂水(お湯25ml:ホウ砂2g)を作ります。
④②に③を少しずつ入れて混ぜます。
⑤スライム状に固まったら完成です。
0~2歳におすすめの遊び方
0~2歳のうちは、スライムの感触を存分に味わえるような遊び方を中心に取り入れましょう。触る
まずはスライムを手で触って、ひんやりとした冷たさを感じたり、グニョグニョ、プニプニとした独特の感触を感じたりして楽しみましょう。多くの子どもにとって初めての感触なので、初めは触るのを嫌がる子や怖がる子がいることもあります。そんなときは保育者が触って見せて安心させてあげられるといいですね。また、材料や水の量によってスライムの硬さが変わるので、「こっちのほうがもっと柔らかいよ!」と変化を楽しむのもおすすめです。
足で触ってみる
手で一通り触ったら、裸足で触れてみるのもいいでしょう。手で触ったときと、また違った感じ方ができるかもしれませんね。スライムをたくさん作れる園であれば、バケツに入れて足湯のようにしてたっぷりのスライムの中に足を入れてみるのもおすすめです。変形させる
ある程度硬さのあるスライムを作って、ちぎったり、ヘラで切ったり、丸めたり、細長く伸ばしたり...と、何かの形に成形させてみましょう。柔らかく、どんな形も作れるスライムならではの遊び方ですね。一度バラバラにしてももう一度こねれば一つにまとまるので、何度でも遊べて楽しく、また子どもたちにとっては不思議な体験になりますよ。3~5歳におすすめの遊び方
3歳~5歳児クラスでは、感触遊びの要素に加え、色を付けたり何かに見立てたりといった子ども1人ひとりの想像力を活かしてアレンジができるような遊び方がおすすめです。そのようにして出来上がった個性のあるスライムの作品をお互いに見せ合い、コミュニケーションを取るのもいいですね。見立て遊びをする
0~2歳で行った形を変形させる遊びを発展させて、見立て遊びをして楽しみましょう。黄色いスライムを小さくちぎって丸めてお団子をつくったり、ピンクのスライムでハートを作ったり、色を活かすのもいいですね。子どもたちの自由な想像力に任せましょう。型に入れる
牛乳パックやプリンカップなどの空き容器を用意しておき、型に入れて遊ぶのも楽しいですよ。プリンカップに色付きのスライムを入れれば、まるでゼリーのよう! このままおままごと遊びに繋げるのもいいですね。壁に投げる
壁にスライムを投げつけて的当てのようにして遊ぶのも、とても盛り上がります。的の絵を描いて、張り付いた場所によってポイントを獲得できるようにしてもいいですね。壁には事前にビニールシートや新聞紙を貼り、汚れても大丈夫な場所を作っておきましょう。また、張り付くと汚れたり取れなくなったりする場合があるので、一通り感触遊びを楽しみ、捨ててもいい状態になってから行うのがおすすめです。
ビーズやラメを入れる
袋に入れる
透明のビニール袋や市販の食品保存袋に入れると、センサリーバッグのように感触を楽しむことができるでしょう。手が汚れるのが嫌な子や、直接スライムに触れたときのべたべた感を嫌がる子には、このアレンジをすることでスライム遊びを楽しむことができるかもしれませんね。スライムを作る
5歳頃になると、スライムを作るところから子どもたちと一緒にできるでしょう。保育者がお手本を見せ、「お水はゆっくりそそぐといいよ」「もう少しかき混ぜてみようか」などコツを伝えながらやってみましょう。スライムが出来上がる過程を自分の目で見て学べるのも、嬉しいポイントですね。※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。