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コマ遊び・コマ回し【保育園で楽しめる遊び方・ねらいをイラスト解説】

コマ遊び・コマ回し【保育園で楽しめる遊び方・ねらいをイラスト解説】
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。 >>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

コマ遊び・コマ回しで遊ぼう 

「コマ(独楽・こま)遊び」は、日本古来の伝承遊びの1つです。コマを回す音で悪霊を追い払う、まっすぐ自立して回り続ける姿から「物事が円滑に進む」など縁起がよいとされてきました。お正月にコマ回しなどを見ることもあるかと思いますが、自分でやってみるとなかなかうまくいかないものです。コマに糸を巻き付けるときは手指や手首を使い、投げるときは肘や手腕、足腰など体全身の動きが必要となり、寒い時期の保育にもってこいの遊びです。 

今回は、「コマ遊び・コマ回し」の基本的な遊び方や注意点、年齢別のアレンジ遊びの方法をご紹介します。 

難易度  

★★☆☆☆ 
紐を使うのであれば★★★★★ 

対象年齢 

対象年齢:1歳/2歳/3歳/4歳/5歳 
紐を使うコマは5歳くらいから 

用意する物・道具 

・ コマ 

遊びのねらい ・配慮・環境構成

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 

・日本の伝統的な遊びを楽しみ、現代まで伝わるその遊びの良さに気づく 
・自分の手や体を使って根気良く取り組む  
・友だちとうまく回せるようになったことを喜び合い、いろいろな回し方に挑戦する 

保育士の配慮と援助 

・お正月遊びをきっかけにしてこまへの興味関心を広げる。 
・うまく回る友だちの回し方や紐のかけ方に気付かせる。  
・保育者も一緒に回すことを楽しむ。 
・伝承遊びとしていろいろな回し方や、手乗せなど見せるなど、遊びの幅を広げる。 

環境構成 

・挑戦の幅が広がるような枠を用意する。 
・大きさの違うコマや種類別にするなど子どもたちが探してチャレンジできるようにする。 
・回す所もいろいろな場所で試せるようにする 

コマの回し方の種類 

保育園で子どもたちが遊びやすいコマの遊び方には大きく分けて4つあります。 

ひねりゴマ 

ひねりごまをする子ども
指先だけで回すコマです。小さい子だと3歳くらいから取り組むことが出来ます。 

・遊び方 
  1. コマの軸を親指と人差し指でつまみます。 
  2. 指にひねりを入れることでコマを回します。指を滑らせるようにするとひねりが加えられます。 
折り紙で作ったコマなどは回すのに力がいらないため、指をひねる間隔を身につけることができ、2歳くらいからでも楽しむことが出来ます。 

手もみゴマ 

手もみゴマで遊ぶ子ども

もみゴマ、手よりゴマなどとも呼ばれ、一般的なコマに比べて大きく、軸も長いコマで遊びます。 

・遊び方 
  1. コマの軸を両手のてのひらで挟みます。 
  2. 手を前後に動かすことでコマを回します。手のひら全面を使って手の付け根から指先まで滑らせるようにするとうまく回ります。 
ひねりゴマよりも簡単に回せるのでコマを初めて取り組むクラスにもおすすめです。 

投げゴマ 

投げゴマで遊ぶ子ども
いわゆるコマ回しの基本的な遊び方です。糸の巻き方にコツが要ります。 

・遊び方 
  1. コマの本体に糸を巻き付けます。 
  2. 地面とコマが平行になるように、飛ばすようにコマを投げて遊びます。 
はじめのうちはうまく回せなかったり、糸がからまったりするかもしれませんが、うまく回せるようになれば「犬の散歩」や「手乗りコマ」といったさまざまな技ができるようになります。かなり難易度が高いため全員ができるようになるとは限りません。 

ぶんぶんゴマ 

投げゴマで遊ぶ子ども
コマを地面において回すのではなく、紐に通したコマを回転させることで遊ぶコマ遊びです。ビュンビュンごまとも呼ばれます。 
・遊び方 
  1. 両手で紐の端を持ち、紐を揺らしながら紐にねじりを加えます 
  2. 紐のねじりをゆるませると回転し始めます 
  3. 紐を引っ張ったりゆるめたりしてコマを回して遊びます。 
4歳児、5歳児クラスであれば、牛乳パックや厚紙、段ボールなどでも自分たちでぶんぶんゴマを作ることが出来るため製作と組み合わせて取り組むことが出来ます。手作りおもちゃとしても人気が高いです。 

保育園で楽しめるコマの遊び方 

コマは回す場所によっても回り方や回る時間が変わってきます。ツルツルした床の上、ザラザラしたアスファルトの上、木の板の上、ベーゴマ台のようなピンと張った帆布の上など、場所によっての変化を楽しめるのも面白いですよ。 

遊び方としては以下のようなものがあります。 

長回し対決 

長回し対決で遊ぶ子ども
難易度 ★☆☆☆☆ 
対象年齢 3歳/4歳/5歳 
用意するもの コマ 
遊び方・ルール  
  1. 一斉にコマを回して時間を競います。 
  2. 最後までコマが回り続けていた人の勝ちです。 
ポイント  
コマが回せないと遊べないので、ある程度上手に回せるようになったら遊びましょう。どうやったら長く回せるか子どもたち同士で話し合ったり教え合ったりするといいでしょう。 

ぶつけゴマ(コマバトル) 

ケンカゴマで遊ぶ子ども
難易度 ★★☆☆☆ 
対象年齢 4歳/5歳 
用意するもの コマ 
遊び方・ルール  
  1. 人数がいたほうが楽しめるので3~5人程度で遊びます 。
  2. 遊ぶエリアを決めます(例えば、机からでたらアウト 床でやるなら丸を書く、範囲を示すなどします) 。
  3. 遊ぶエリアから出たり止まったら負け、最後まで残ったら勝ちとなります。 
親ゴマに対して、弱い人からコマを回すのがルールのようですが、園で遊ぶときはじゃんけんしてきめてもいいでしょう。 遊び方のアレンジとして、親ゴマを決め回ってる親ゴマにぶつける遊び方やチームに分かれてバトルするやり方もあります。 

散歩ごま 

コマの技散歩をする子ども
難易度  ★★★★★ 
対象年齢 5歳 
用意するもの 投げゴマ 

遊び方・ルール  
  1. 投げゴマでコマを回します。 
  2. 回っているコマに紐を引っ掛けます。 
  3. 引っ掛けた紐をひっぱると「犬の散歩」の技の完成です。 
ポイント 
コマが上手に回せるようになったらトライしてみたい技の1つです。強く引っ張りすぎても優しすぎてもコマが止まってしまう力の配分が難しい技です。広い場所で行い、散歩できた距離や時間を競うでより遊びが楽しくなりますよ。 

板のせ、手乗せコマ 

板のせ、手乗せコマで遊ぶ子ども
難易度 ★★★★★ 
対象年齢 5歳 
用意するもの コマ 
遊び方・ルール  
  1. コマを投げて回します。 
  2. 紐でコマをすくって(跳ね上げて)板や手の上に乗せます。 
ポイント  
大人でも難しい難易度の高い技です。コマ遊びに興味がある子や、レベルアップしたい子に紹介すると良いでしょう。これができた子は「コマのチャンピオン」ですね。 

気を付けたい遊び方の注意ポイント 

まずは保育士がお手本を見せる 

コマ回しをしたことがない子どももたくさんいますので、まずコマ回しを保育士が見本で行ってみましょう。見ているうちにできる子、手を添えて具体的な指の動きなどを伝える子など様々います。自分でやってみたい、やってみたらできたという成功体験を引き出せるといいですね。 

遊ぶスペースを確保する 

夢中になるとつい、周りが見えなくなって急に移動したり大きく体を動かしたりします。コマの軸は金属でできているものもありますので一人ひとりが遊ぶスペースを十分確保しましょう。 

ルールを決めて遊ぶ 

コマ遊びをする際は、ルールを決めて遊びましょう。子どもたちの数よりコマが少ない場合や、コマを回すスペースに限りがある場合などは、交代でコマを回す、他の子どもがチャレンジしている間は静かにするなどコマ遊びに集中できる環境を整えましょう。 

手作りコマのアイデア

ダンボールやペットボトル、どんぐりを使ってもコマ作りを楽しめますよ。 

保育園で子どもたちとコマ遊び・コマ回しを楽しもう 

コマ遊びは、室内で楽しめることやその由来からお正月の伝統遊びとして紹介されることが多いため冬になるとやりたくなる保育者も多いのではないでしょうか?今回は、コマの種類や遊び方についてご紹介しました。 

遊び方によって難易度がかなり変わるため、小さな年齢の子どもたちは手作り後まで、4歳児、5歳児になって投げゴマなど成長に応じたコマ遊びを選べるといいですね。 

※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。 


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杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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