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伝承遊び総まとめ|保育に取り入れるメリットとねらいを解説

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伝承遊びの道具
昔から日本で親しまれている「伝承遊び」。保育現場でも、普段から鬼ごっこや折り紙などを取り入れていますよね。今回は、子どもたちが古くからの伝統文化を感じながら楽しめる伝承遊びをご紹介します。

伝承遊びとは

あやとりをする男の子
日本で古くから親しまれている遊びのことを「伝承遊び」と言います。例えば、普段から楽しんでいる鬼ごっこや折り紙はもちろん、季節の遊びとして取り入れる園も多いけん玉やコマ回しもその一つです。

どれくらい古くから伝わってきているかと言うと、例えばコマ回しは、平安時代より前に中国から朝鮮半島を経由して伝わったことが文献に残っています。民間で遊ばれている姿が南北朝時代(西暦420年~589年)の文献に記述されていますので、1600年以上も前から親しまれてきた伝承遊びということが分かりますね。

今回は、そんな伝承遊びを取り入れるメリットやおすすめの遊びを紹介していきます。ぜひ日々の保育活動のレパートリーに取り入れてみてくださいね。

伝承遊びのねらい

伝承遊びのねらいは、子どもの年齢や発達過程に応じて設定しましょう。

0〜2歳児クラスでは、保育士との信頼関係作りや言葉への興味の芽生え、身体の動きをコントロールする力を育むことができます。3〜5歳児クラスでは、集団遊びの楽しさやルールを守る大切さを感じたり、手指の巧緻性(こうちせい)や集中力などを養ったりすることに繋がります。

また、保育所保育指針の五領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の視点や、季節や年中行事を意識したねらいを設けることもできます。

【ねらいの例文】
  • わらべうたを通して、保育者や友だちとの触れ合いを楽しみ、安心感や信頼関係を育む(0〜2歳児・人間関係)
  • けん玉やお手玉などの伝承遊びに挑戦し、手指の巧緻性や集中力を高めると共に、達成感を味わう(3〜5歳児・健康)
  • 季節の伝承遊びに親しみ、日本の四季や伝統文化への興味関心を深める(季節・年中行事)
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伝承遊びを保育に取り入れるメリット

伝承遊びを保育に取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか? 伝承遊びの良いところを見ていきましょう。

幅広い年代で楽しめる

女の子とおばあさん
伝承遊びは古くから親しまれているため、世代を超えて楽しむことができます。中には、園におじいちゃんおばあちゃんを招き、伝承遊びを通して世代間交流をするところもあります。

年配の方に遊び方を教わったり、それを通して触れ合ったりと、普段の遊びとはまた違った楽しみ方ができそうですね。

コミュニケーションが取れる

伝承遊びは友だちと一緒に遊ぶものも多く、保育者や他児とのコミュニケーションが取れることも良い点です。

さまざまな遊びがあるので月齢に合わせて選び、他児との関わりを増やしたり、一緒に遊ぶ楽しさを感じられたりするように活動に取り入れていくと良いですね。

地域ごとに違いを楽しめる

伝承遊びは、地域によって違いがあるのをご存知でしょうか。例えば二手に別れて、わらべうたを歌いながら遊ぶ「はないちもんめ」。遊び方は同じでも、地域によって歌詞が少しずつ異なっています。

さまざまな地域の違いを調べてみたり、実際に他地域の遊び方で楽しんでみたりと、自分が住む場所とは違ったところの文化に触れられます。

遊びが展開できる

鬼ごっこをする女の子
伝承遊びの中には、時代の流れと共に少しずつ新しいルールや遊び方が加わって変化しているものもあります。例えば伝承遊びの一つで、わらべうたとして知られる「お寺の和尚さん」。これにも地域差や時代での違いがあるようですが、なんと最近では歌詞の中に“東京タワー”や“スカイツリー”などが登場するところもあるそうですよ。

子どもたちが持っている想像力や興味・関心によって、徐々にその時代に合ったものに変わっていくのも魅力ですね。

乳児や低年齢児から楽しめる伝承遊び【タイプ別紹介】

伝承遊びにはたくさんの種類がありますが、その中でもぜひ子どもたちと園で楽しみたいものをご紹介します。初めに、0~2歳児クラス(未満児クラス)でも楽しめる遊びを見ていきましょう。

「いっぽんばしこちょこちょ」はその場ですぐにできる触れ合い遊びの一つなので、赤ちゃんとのスキンシップにもぴったり。この時期は、触れ合いながら遊べるものや、ルールが簡単なものから取り入れてみてくださいね。

いっぽんばしこちょこちょ

わらべうたを歌いながら、子どもたちと保育者のふれあい・スキンシップを楽しむことができる定番の遊びです。簡単なので、慣れてきたら子どもたち同士で遊んでも楽しいですよ。室内ででき、雨の日の活動にもおすすめです。

あぶくたった

わらべうたと鬼ごっこの要素を合わせた伝承遊びです。オニ役の子を中心に、まわりを他の子が手を繋いで輪になって歌を歌う、「かごめ」のような場面と、オニの言う言葉に合わせて他の子が逃げだす「鬼ごっこ」の場面が分かれているのが特徴です。

ずいずいずっころばし

リズム感が楽しい手遊び歌で、保育士がオニ役をすれば、乳児でも触れ合い遊びとして楽しむことができます。終わりに一人が選ばれる遊びになっているので、他の遊びのオニ役や代表者を選ぶ時にも活用できます。

大根抜き

マットにうつ伏せで寝転び、大根になりきります。オニ役に引っこ抜かれないよう、踏ん張る遊びです。全身を使って遊ぶことができるため、雨の日など室内で思いっきり身体を動かしたい日におすすめです。

※腕を引っ張ると亜脱臼することがあるので、身体などを引っ張りましょう。

身体を使って楽しめる伝承遊び【タイプ別紹介】

次に、全身を使って遊べる伝承遊びを紹介します。準備物も少ないため、手軽に始めることができます。思いっきり身体を動かすことができるので、子どもたちにぴったりの遊びです。

いろはにこんぺいとう

日本に昔から伝わる伝承遊びの一つ。ゴムひもを使って、ひもに触れないようにまたいだり、くぐったりしながら反対側まで行けるかを競う遊びです。跳ぶような動きはなく簡単にでき、全身運動にもなるので、縄跳びが苦手な子にもおすすめです。

鬼ごっこ

定番で基本の鬼ごっこ以外にも、さまざまなバリエーションの鬼ごっこ(アレンジ鬼ごっこ)があります。その中から、園での遊びで使えそうなものをピックアップしました。遊びの引き出しとして知っておくと便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ハンカチ落とし

ハンカチを使って、1対1で鬼ごっこが始まる遊びです。動き回る子が限られる遊びなので、雨の日の室内でのレクリエーションゲームとして人気です。ルールも簡単なので、梅雨の時期の活動として取り入れるのはいかがでしょうか。

だるまさんが転んだ

オニが振り返った時に、ピタッと静止するスリルが魅力の伝承遊びです。広い場所さえあれば、道具不要で遊ぶことができます。「動く」「止まる」の動作を繰り返すことで、身体の動きを調整する力や、先を見通す力を養うことができます。

縄跳び遊び

短縄や長縄を用いて、跳ぶ・くぐる・歩く・バランスを取るなど、多様な遊びに発展させることができます。全身を使う遊びで、持久力や体幹を養うことにも繋がります。一人でも集団でも、難易度を変えながら、さまざまな遊び方で楽しむことができます。

お友だちと楽しめる伝承遊び【タイプ別紹介】

続いて、お友だちや保育者と一緒に楽しめる遊びを紹介します。「はないちもんめ」や「かごめ」は集団遊びになるので、クラスのみんなで楽しんでも良いですね。

はないちもんめ

友だちと手を繋いで、わらべうたを歌いながら身体を動かす遊びです。2グループに分かれるので、お互いに「負けるもんか!」と、とても大きな声で歌う様子がかわいいですよね。大人数で遊べるので、異年齢保育のレクリエーションとして取り入れるのもおすすめです。

かごめかごめ

昔から伝わる、わらべうたを使った遊びです。「かごめ」とは、漢字で「籠目」、つまり竹で編まれたカゴの網目を表すと言われています。江戸時代から伝わる遊びのため、歌詞の意味は所説ありますが、少し難しいので、遊びとして取り入れる際は「昔の人がよくやっていた遊びだよ」と子どもたちが分かりやすいように説明しましょう。

あんたがたどこさ

昔から伝わる童歌(わらべうた)の一つです。ボールを使って遊ぶ場合、道具を何も使わないで遊ぶ場合など、数通りの遊び方があります。いずれもわらべうたの歌詞に合わせて身体を動かすルールなので、自然とリズム感覚が身に付きやすい遊びですよ。

おちゃらかほい

2人で向かい合って遊ぶ手遊び歌で、3〜5歳児におすすめです。歌に合わせてジャンケンをして、勝敗によって異なったポーズを取ります。終わりが決まっていない遊びで、テンポを上げたりしながら、子どもたちが満足いくまで遊ぶことができます。

なべなべそこぬけ

友だちと手を繋ぎながら身体を大きく動かす伝承遊びで、4〜5歳児におすすめです。身体を動かす楽しさや、友だちと一緒に協力して遊ぶ達成感を味わうことができます。ペアを変えながら、繰り返し楽しめる遊びです。

手先を使って楽しめる伝承遊び【タイプ別紹介】

最後に、手先が器用になってきたら、ぜひ取り入れたい遊びを紹介します。折り紙は普段から楽しんでいる園も多いかと思いますが、懐かしいあやとりやお手玉にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

「ちゃちゃつぼ」は、シンプルながら意外と難しく頭を使います。わらべうたと手遊びを一つにして楽しめますよ。

ちゃちゃつぼ

ちゃつぼ(茶壷)とは、お茶の葉を入れて保存しておく壺のことです。茶壷は、和紙を使って上から覆うため蓋(ふた)がありません。「ちゃちゃつぼ」は、その茶壷の形を真似し、歌いながら手を動かす伝承遊びです。

おせんべやけたかな

言葉のリズムに合わせて手に触れ、次々にひっくり返していくことを楽しむ遊びです。触れ合いを通して指先の感覚を養い、食べる真似をすることで想像力や表現力を育みます。座って行うことができるため、高齢者との交流会にもおすすめの伝承遊びです。

お手玉

園でも定番の玩具として使われているお手玉は、子どもたちの発達に合わせてさまざまな遊び方で楽しめます。手で持つことにより五感が刺激され、目で追うことで集中力も高めます。歌を歌いながら遊ぶことで、リズム感を養うこともできます。

あやとり

毛糸などの柔らかい紐を輪っかにして、さまざまな形を表現して楽しむ遊びです。定番の簡単な技から連続技、二人技まで、難易度を上げながら楽しむことができます。繰り返し挑戦することで、手先や指先を動かす力や思考力などが養われます。

折り紙

紙を折ってさまざまな形を作る伝統的な遊びです。作品のバリエーションが豊かで、子どもの発達に応じて、難易度を選ぶことができます。集中力や創造力を養い、指先を使うことで脳の発達も促します。

遊びを通して伝統文化に触れよう

伝承遊びは、子どもにとって良い点が多くあり、園でぜひ取り入れてもらいたい遊びの一つです。先生方が子どもの頃に楽しんだものや、自分自身の出身地で流行ったものなどを、子どもに伝えてみてはいかがでしょうか。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

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