ぬり絵遊び
ぬり絵遊びは保育の現場でも多く取り入れられており、活動として一斉に取り組むというより、自由遊びの1つとして取り組むことが多いかもしれません。子どもたちの集中力や色彩感覚をはぐくむ遊びとしても人気の高い活動です。成長に応じた色材選びや難易度を調整することによって子どもたちの持っている力をぐんぐん伸ばすことが出来ます。今回は、「ぬり絵遊び」の基本的な遊び方や注意点、年齢別のアレンジ遊びの方法をご紹介します。
難易度
★★★☆☆対象年齢
対象年齢:4歳児/5歳児用意する物・道具
- ぬり絵
遊びのねらい
保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。- ぬり絵を通して、根気よく取り組み、楽しさを味わう。
- 多彩な色を取り入れることで、色彩感覚を養う。
- 色の組み合わせを楽しみ、自由な発想で塗り絵を楽しむ。
期待される姿
- ぬり絵は手先を動かす必要があるため、手の器用さが身につく。
- どの色で塗ろうかと考えることや、線からはみ出さないように気をつけて塗ることで集中する力がついていく。
保育士の配慮と援助・ 環境構成
子どもがぬり絵を完成させたときは、評価せずにたくさん褒めてあげることが大切です。「上手だね」「すごいね」という褒め方ばかりだと子どもは「上手に塗らなければいけない」と思ってしまいがちです。上手く塗ろうとして塗り絵を楽しめないこともあるので、違う視点から褒めるように心がけましょう。例えば、「たくさんの色を使って塗れたね」など、子どもが工夫した点や絵を見て感じたことを伝えてあげるようにしましょう。また、「とても集中して塗っていたね」などと塗り絵をする過程を褒めてあげることも大切です。
ぬり絵の遊び方・選び方
自分で考えて、クレヨンや色鉛筆を選び、形にしていくことを楽しめる4歳児、5歳児についてご紹介します。大きくはみ出しても構いません。自分の考えや気持ちが表現できるようなぬり絵を選びましょう。好きなキャラクター、モチーフがある時期でもあります。何色も使う、細かいところまで色を塗るという動きができるぬり絵を選びましょう。4~5歳児向けおすすめの画材
- クレヨン
- 色鉛筆
- マーカー
- クーピーペンシル
ぬり絵の選び方のポイント
紙の大きさ紙が大きいと塗る面積が大きく、塗るのに時間がかかったり、途中で飽きたりすることがあります。子どもの特性に合わせて、ぬり絵の大きさを選ぶといいでしょう。公式で無料ダウンロードできるぬりえなどは、印刷するときに縮尺・拡大すると紙の大きさを変えることが出来ます。
親しみやすさ
まずは知っているキャラクター、動物、乗り物など子どもが親しみやすいイラストや図柄を選んでみるといいでしょう。5歳くらいになると自分でデザインして色を塗るようになり、着せ替えぬり絵のような自分がこうしたい、こうやってみたいという気持ちをぬり絵に反映するようになります。
自由度
マンダラぬり絵のように配色の決まりがないぬり絵は自分の好きな色を選んで塗ることが出来ます。自由な発想や想像力を養うことが出来ます。
ぬり絵遊びのポイント
はみ出ても叱らない枠の中にきっちり色を塗るというのは手指の発達段階にある子どもにとっては技術的にも難しいです。おもいおもいに色を塗れるようスモックを着て服が汚れないようにする、テーブルが汚れないよう新聞紙を敷くなどの対策をしておくといいでしょう。
色選びは自由に
色選びは自分だったらこうしたい、こうだったらかわいいのになという思いが込められています。否定せずに「素敵な色を選んだね」「最後まで頑張って塗れたね」といった前向きな声掛けをしていきましょう。マンダラぬり絵のような正解がなく、自分で好きなように色を塗れるぬり絵を選ぶのもいいでしょう。
見本通りに色を塗ってみる
自由なぬり絵がある一方、見本通りに色を塗ってみることにチャレンジしてみるのも面白いですよ。色と塗る場所を覚えて作業に落とす作業は集中力が必要です。保育活動の中で、例えば、運動会用の万国旗をぬり絵で作ってみるといった活動をしてみても楽しめます。
ぬり絵遊びで楽しく遊ぼう
自由遊びなどで取り入れていることの多いぬり絵遊び。しかし、お手本通りに塗ったり、自由に塗ったり、保育者のねらいで子どもたちの活動の幅が広がるのがぬり絵遊びの面白いところです。室内遊びが多くなる雨の時期や気候が厳しい時期にもおすすめです。挑戦したぬり絵はご家庭に持ってかえり保護者の方に見てもらえるといいですね。ぜひ園での遊びに取り入れてみてくださいね。