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食育に取り入れたい春が旬の食材|知識と伝え方

たけのこと春の食材
「旬」とは、食材が最もおいしく栄養価も高い時期のこと。野菜や果物、海産物など、食材にはそれぞれ旬の時期があります。旬を知ることで、自然のめぐみや四季の変化を知ることにも繋がります。近年は食育に力を入れている園も増えており、保育の中で「旬の食材」について取り上げることもあるでしょう。今回は、3〜5月の春が旬の食材について詳しく紹介します。

春はどんな季節?

春はどんな季節?
春は、寒い冬が終わり、ぽかぽかと暖かな日差しが感じられる季節。梅や桜、菜の花など色とりどりの花が咲き、気持ちが明るくなってくる方も多いかもしれません。一方、卒園や入園、進級など生活が大きく変化する時期でもあるため、不安や緊張を覚えることもあるでしょう。そんな、大人も子どもも様々な感情を抱く春の季節。栄養たっぷりの旬の食材をとって健康に過ごしたいですね。

ここでは、春に旬を迎える食材の特徴について紹介します。

園での食育活動については、こちらのセミナーでも詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。

春が旬の食材の特徴

春の食材はビタミンたっぷり
春に旬を迎える食材は、ビタミン類やミネラルなどの栄養素が豊富です。中でもビタミンCを多く含む食べ物がたくさんあります。特にイチゴやキウイは子どもたちにも人気の春の果物。ビタミンCをはじめとした様々なビタミン類、ミネラルが豊富な食材をとることで、冬の寒さで弱った体の調子を整え、活動的に過ごせるでしょう。

また「春の皿には苦味を盛れ」ということわざにもある通り、春野菜は苦味や香りが強いものが多いのが特徴。フキノトウなどに代表される春野菜の苦味や香りには、解毒作用があり、冬の間に体に溜まった老廃物を出してくれます。栄養価の高い旬の食材をとることは体のメンテナンスにもなり、健康的に過ごすことに繋がります。


春の行事食

ちらし寿司
食育の一環として、季節のイベントごとに行事食を取り入れている園も多いでしょう。行事食には、伝統に親しめるだけでなく、旬の食材を味わえるといったメリットもあります。

ここでは、春の行事食の例を紹介します。
行事 行事食 由来
ひな祭り(3月) ちらし寿司 見た目が華やかで縁起が良い食材を使っているため、女の子の成長を願う祝いの日に食べられるようになった
ひな祭り(3月) 菱餅 中国から伝わった行事食が日本に入り、年月を経て今の形になった。色ごとに健康(赤・ピンク)、子孫繫栄(白)、厄除け(緑)の意味がある
端午の節句(5月) タケノコ料理 タケノコは真っすぐ大きく成長することから、子どもがすくすく成長することを祈り、食べられるようになった
端午の節句(5月) 柏餅 柏の木の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちない特性があることから、子孫繁栄を願い、食べられるようになった
行事食の由来については、大人でも知らないものが多いかもしれません。行事食の日には、絵本やペープサートなども活用しながら、行事食の由来や旬の食材について子どもたちに伝えたいですね。

春が旬の食材

春の食材
春が旬の食材にはどんなものがあるのか、またそれぞれの特徴について、「果物・野菜」「海産物・その他」に分けてまとめました。保育者さんが旬の食材について詳しく知っていれば、給食の時間や食育活動の中で子どもたちに伝えられます。ぜひ参考にしてくださいね。

果物・野菜

まずは春が旬の果物・野菜を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
サクランボ 5〜7月が旬の果物。甘くて人気がある佐藤錦は6月中旬〜下旬が旬
キウイ 日本でたくさん売られているニュージーランド産のキウイは、3〜5月が旬。季節が逆なので日本産キウイの旬は12〜5月
ビワ ビワの旬は3〜6月。一番多くお店に並ぶのは5月で、夏が来ることを予感させる、爽やかで瑞々しい果物
イチゴ ビニールハウス栽培が盛んなので冬にも売られているが、もともとは3〜4月が旬でおいしく食べられる時期
タケノコ 春の訪れを感じさせる、代表的な野菜。成長が速くすぐ竹になってしまうため、食材として楽しめるのは、春の短い期間だけ
フキノトウ 雪が解ける頃に顔を出すフキノトウは、春を代表する野菜。フキノトウはフキの蕾部分に当たる
キャベツ 大きく分けて春キャベツと冬キャベツがあり、2つは品種が異なる。春キャベツの旬は3〜5月で、葉が柔らかく瑞々しいのが特徴
スナップエンドウ 4〜6月が旬。エンドウ豆を若い時期に採り、さやごと食べるものをスナップエンドウと呼ぶ
タマネギ 年間を通して流通しているが、春先だけ出回る早生種である「新タマネギ」は3〜4月が旬。普通のタマネギは収穫後乾燥させるが、新タマネギは収穫後すぐに出荷する
春の野菜・果物には、サクランボやキウイ、イチゴなど甘酸っぱく爽やかな風味のフルーツや、春キャベツ、新タマネギなど春ならではの旨味をもった野菜があります。スナップエンドウは子どもたちにも扱いやすい食材ので、クッキング活動にもおすすめです。

海産物・その他

次に、春が旬の海産物・その他を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
ハマグリ 産地によって旬の時期が少し異なるが、一般的には2〜4月が旬。ひな祭りには縁起物として食べられる
タイ 真鯛の旬は春と秋の2回。5月の産卵に向けて栄養を蓄えているため、春は最もおいしい時期。春は体がピンク色になるため「桜鯛」と呼ばれる
カツオ カツオの旬は春と秋の2回。春に太平洋を北上するものを「初ガツオ」、秋に戻ってくるものを「戻りガツオ」と呼ぶ
ホタルイカ ホタルイカの旬は産地によって異なるが、3〜6月と言われている。ホタルイカと一緒に食べられるワカメも春が旬の食材
ハチミツ ハチミツは年間を通して流通しているが、4〜5月は花の蜜が多く取れるため、主な旬は春
春は鯛や鰹など、あっさりして上品な白身魚がおいしい時期です。ひな祭りに定番のハマグリも春に旬を迎えます。なお、ハチミツは乳児ボツリヌス症のリスクがあるので、1歳未満に提供してはいけません。食育での伝え方に注意しましょう。

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ペープサート

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春の食材について知ろう

今回は春が旬の食材について紹介しました。おいしく栄養たっぷりの旬の食材をとることは、季節感を味わうだけでなく、心身の健康にも繋がります。ぜひ紹介した内容を参考に、春の食育計画や食育活動を考えてみてくださいね。

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