受容遊びとは
保育園では、絵本やブロック、鬼ごっこなど、子どもの発達に合わせてさまざまな遊びが行われています。これらの遊びは以下の5つに分類することができます(※)。- 感覚遊び(例:水遊び、スライム作り)
- 運動遊び(例:鬼ごっこ、縄跳び)
- 模倣遊び(例:見立て遊び、ごっこ遊び)
- 受容遊び(例:絵本、パネルシアター)
- 構成遊び(例:ブロック、積み木)
「受容遊び」とは、目で見たり、耳で聞いたりする遊びのことです。
周囲の人や音に関心を示す赤ちゃんの頃から受容遊びは始まります。見聞きすることで、新たな知識を獲得したり、興味関心の幅が広がったりします。
※カール・ビューラーの分類による
受容遊びの種類
保育園で行う受容遊びには、次のようなものが挙げられます。【受容遊びの例】
- 絵本の読み聞かせ
- 紙芝居
- ペープサート
- パネルシアター
- わらべうた
時には年長児が年下の子に絵本を読んであげることも。この場合、年長児は保育士や母親の真似をして「模倣遊び」をしているのかもしれませんが、読んでもらっている年下の子は「受容遊び」をしている状態になります。
園では、外部の団体に依頼して劇や音楽などを観覧する機会もあるでしょう。子どもたちにとって新たな情報や刺激との出会いになり、感性が磨かれる機会となります。
テレビや動画の視聴も受容遊びに含まれます。保育園でもプロジェクターなどを使って映像を見る機会があるのではないでしょうか。
受容遊びで育つ力
受容遊びで育つ力には、次のようなものがあります。【受容遊びで育つ力の例】
- 想像力
- 理解力
- 語彙力
- 集中力
- 知的好奇心
実際に体験できないような内容でも、受容遊びを通して、イメージの中で疑似体験をすることができます。
例えば、交通安全の紙芝居を見れば車の危険性を知ることができ、海外の映像を見れば異文化の存在を知ることができます。
このように、受容遊びは子どもの視覚と聴覚から脳に働きかけ、想像力や知的好奇心など、さまざまな力を育みます。
受容遊びの注意点
受容遊びはさまざまな力を育みますが、それだけに偏ると、乳幼児期に必要な他の機会が減少してしまうことにもなります。注意したい点について確認しましょう。身体を動かす機会が減る
受容遊びは座って見聞きすることが多いため、身体を動かす機会が減少します。乳幼児期は身体全体や手指の動きを獲得する時期でもあるため、運動遊びをしたり、おもちゃで遊んだりする時間も大切にしたいですね。
応答的なやりとりの機会が減る
受容遊びは一方通行の情報であることが多いため、子どもとのやりとりが減少します。乳幼児期は子どもを理解し、適切に成長を促すためにも、保育者との応答的なやりとりが不可欠です。子どもと目を合わせて、心を通わせる時間もしっかりと確保したいですね。
実体験の機会が減る
受容遊びの時間が多いと、その分実体験の機会が減少します。疑似体験よりも実体験の方が子どもの感性を刺激し、多くの学びを与えてくれます。友だちと一緒に集団遊びを楽しんだり、時には意見のぶつかり合いを体験したりすることも、生きる力を育む上で欠かせません。
子ども自身が主体的に行動する時間と環境もしっかりと確保したいですね。
遊びはバランス良く取り入れよう
受容遊びは子どもの知的好奇心や想像力など、さまざまな力を育みます。しかし、乳幼児期に育みたい力は多岐に渡るため、さまざまな遊びをバランス良く保育に取り入れていきたいですね。子どもの遊びについて考えている方は、参考にしてみてくださいね。
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