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食育に取り入れたい夏が旬の食材|知識と伝え方

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「旬」とは、食材が最もおいしく栄養価も高い時期のこと。野菜や果物、海産物など、食材にはそれぞれ旬の時期があります。旬を知ることで、自然の恵みや四季の変化を知ることにも繋がります。近年は食育に力を入れている園も増えており、保育の中で「旬の食材」について取り上げることもあるでしょう。今回は、6〜8月の夏が旬の食材について詳しく紹介します。

夏はどんな季節?

スイカを食べる子ども
ジメジメした梅雨が終わると、澄み切った青空にキラキラ眩しい太陽が照りつける夏がやってきます。水遊びやプール遊びをはじめ、どろんこ遊びやボディペインティングなどダイナミックな活動を行う園も多いでしょう。大人も子どももどこか開放的な気分になる夏の季節。栄養たっぷりの旬の食材をとりながら、熱中症や夏バテには十分注意し、元気に過ごしたいですね。

ここでは、夏に旬を迎える食材の特徴について紹介します。

夏が旬の食材の特徴

野菜を収穫する子ども
夏に旬を迎える食材には、水分やミネラルがたっぷり含まれているものが多いのが特徴です。特に夏野菜は、夏バテ防止に効くビタミンB1、ビタミンC、カルシウム、カリウムなどの栄養が豊富。トマトやスイカ、トウモロコシなどは子どもも食べやすく、たくさん汗をかく時期に必要な栄養素を補うことができます。モモやメロンなど夏の果物も体の熱を冷ます働きがあるため、暑い季節にぴったりです。

また良質なタンパク質が含まれた夏の魚介類は、暑さによる疲れや夏バテ予防に効果的。アジやウナギ、アユなど淡泊な白身魚が多いので、食欲が落ちやすい夏にも食べやすいでしょう。

暑い夏を元気に過ごすためにも、太陽の光をたっぷり浴びた夏野菜や果物、栄養豊富な旬の魚介類をとっていきたいですね。


夏の行事食

七夕の行事食
食育の一環として、季節のイベントごとに行事食を取り入れている園も多いでしょう。行事食には、伝統に親しめるだけでなく、旬の食材を味わえるといったメリットもあります。

ここでは、夏の行事食の例を紹介します。
行事 行事食 由来
七夕(7月) そうめん 中国の故事成語から。健康に過ごせるようにとの意味が込められている
土用の丑の日(7月) ウナギ 暑い夏を元気に過ごすため
お盆(8月) 精進料理 ご先祖様や生きてきた動物を供養し、感謝するため
行事食の由来については、大人でも知らないものが多いかもしれません。行事食の日には、絵本やペープサートなども活用しながら、行事食の由来や旬の食材について子どもたちに伝えたいですね。

夏祭りを行う園では、かき氷や焼きトウモロコシ、冷やしキュウリ、焼きそばなど屋台メニューを楽しむのもおすすめ。夏らしい食の体験になりますよ。

夏が旬の食材

夏が旬の食材にはどんなものがあるのか、またそれぞれの特徴について、「果物・野菜」「海産物」に分けてまとめました。保育者さんが旬の食材について詳しく知っていれば、給食の時間や食育活動の中で子どもたちに伝えられます。ぜひ参考にしてくださいね。

果物・野菜

夏野菜
まずは夏が旬の果物・野菜を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
モモ(桃) 7〜8月が旬の夏を代表する果物。ビタミンC・Eやカリウム、食物繊維、クエン酸など栄養が豊富で、疲労回復や整腸作用がある
ウメ(梅) 出荷最盛期は6月。疲労回復に役立つクエン酸が含まれており、青梅は梅酒や梅ジュース、完熟した黄色い梅は梅干しや梅ジャムにして食べられている
イチジク 8〜10月にかけて出荷される。実の中に白い花をつけて肥大し、外側から花が見えないため、「無花果」という漢字が当てられたと言われている
メロン 一年を通して流通しているが、5〜7月が旬でおいしい季節。夏バテ予防に役立つカリウムを多く含んでいる
スイカ(西瓜) 5〜8月が旬。90%以上が水分で、ビタミンA・Cやカリウムなどの栄養を含んでいる。夏バテ予防や皮膚の健康に役立つため、夏場の水分補給にぴったり
トマト 5〜9月が最も多く収穫される次期。リコピンやβカロチン、カリウムなどが含まれており、夏バテ予防に役立つ
キュウリ(胡瓜) 一年を通して流通しているが、6〜9月が旬。水分が多く、身体を冷やす作用がある。炒めて食べてもおいしいが、栄養を損なわないよう生食がおすすめ
ピーマン 一年を通して流通しているが、6〜9月が旬。紫外線のダメージを軽減してくれるビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラス
ナス(茄子) 旬の時期は5〜10月と長いが、出荷量が一番多いのは夏。90%以上が水分で体を冷やす作用があり、ビタミンやカリウム、ポリフェノール、食物繊維など栄養も豊富
トウモロコシ 6〜9月に多く出荷される夏の野菜。栄養価が高く、ビタミンやミネラル、糖質を多く含んでいる。夏バテ中の主食にもおすすめ
ショウガ(生姜) 夏と秋が旬の野菜。食欲増進や疲労回復に役立つシネオールという成分が含まれており、夏の食欲不振に役立つ
ミョウガ(茗荷) 6月〜10月が旬。胃液の分泌を活発にする作用があり、夏バテなどの食欲減退に効果的
シソ(紫蘇) 薬味として役立つシソは6〜9月が旬の野菜。ビタミンA・C・Eが多く含まれている。香り成分のぺリルアルデヒドには殺菌・抗菌作用があり、夏場の食中毒予防にも役立つ
モモやスイカ、キュウリ、ナス、トウモロコシなどさっぱり食べやすいものが夏の果物や野菜の特徴。ショウガやミョウガ、シソなど香りが強いものも多く、食欲不振になりやすい夏の季節にぴったりです。トマトやキュウリなど育てやすいものも多いので、園での栽培活動にもおすすめですよ。

海産物

アユ
次に、夏が旬の海産物を紹介します。
食材 旬の時期と特徴
アジ(鯵) 一年を通して獲れるが、旬の時期は5〜7月。夏のアジは小ぶりだが脂ののりがよく、おいしいのが特徴。ビタミンBやカルシウム、タウリン、カリウムなどの栄養も豊富
ウナギ(鰻) ビタミン・ミネラルが豊富なスタミナ食材であるウナギ。土用の丑の日に食べられることから夏が旬というイメージがあるが、天然のウナギは秋から冬が旬。養殖のウナギは土用の丑の日合わせて6〜8月に流通している
アユ(鮎) 6〜8月が旬。脂がのっておいしい時期で、きれいな川の清流で藻やプランクトンを食べて育つため香りが良いのも特徴。天然のアユは資源保護の対象となっており、アユ釣りができるのは6〜10月頃まで
イワシ(鰯) イワシは種類によって旬が異なり、日本でよく食べられるマイワシは6〜10月が旬。梅雨時期に水揚げされるマイワシは特においしく「入梅イワシ」と呼ばれる。煮干しなどの加工品として用いられるカタクチイワシは一年中食べられ、旬は9〜1月
サザエ 旬の季節は獲る場所によって異なるが、産卵前の春から初夏が最もおいしく食べられる時期と言われている。サザエのつぼ焼きは海の家で売られていることが多く、夏のイメージが強い
夏に旬を迎える魚介類は、夏野菜同様ビタミンなど栄養が豊富なので、疲労回復や夏バテ予防に効果があります。良質のタンパク質たっぷりの魚介類を食べ、暑い夏を乗り切りましょう。

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夏が旬の食材のペープサートこちらのページで紹介した「夏が旬の食材」のペープサート用イラストを用意しました。果物と野菜は裏返すと切り口の様子が分かります。海産物の裏面には料理のイラストが! 子どもたちに説明するときに利用してください。「ほいくisメンバー」への登録をすれば、無料でダウンロードすることができます。
イラストのダウンロードはこちら


夏の食材について知ろう

今回は夏が旬の食材について紹介しました。おいしく栄養たっぷりの旬の食材をとることは、季節感を味わうだけでなく、心身の健康にも繋がります。ぜひ紹介した内容を参考に、夏の食育計画や食育活動を考えてみてくださいね。

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