おしいれのぼうけん
作:ふるたたるひ絵:たばたせいいち
出版社:童心社
対象年齢:3歳~ [おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ) (日本語) 単行本]
ミニカーのとりあいでけんかをしたさとしとあきらは、保育園のおしいれに入れられてしまいます。その中で出会ったのは恐ろしいねずみばあさん! ふたりはどうするのでしょうか?
1974年(昭和49年)の刊行以来、累計228万部を超える大ロングセラー絵本です。作品はなんと80ページという絵本としてはかなりの長さ。それでありながらどんどんとページをめくる手が進み、めくればめくるほど惹き込まれていくストーリーは子どもたちの心をしっかりと掴みます。
田畑さんが、作者である古田足日(たるひ)さんと共に保育園を取材して作り上げた作品になっています。押し入れの中をつい覗きたくなる好奇心とねずみばあさんへの恐怖心、友だちと協力していく達成感など、さまざまな感情が入り混じって想像力を掻き立てる一冊です。
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さっちゃんのまほうのて
作・絵:たばたせいいち出版社:偕成社
対象年齢:5歳・6歳~ [さっちゃんのまほうのて (日本の絵本) (日本語) 単行本]
先天性四肢欠損という障害を持って生まれ、右手の指がないさっちゃん。幼稚園のままごとでお母さんをやりたかったさっちゃんですが、「さっちゃんはお母さんになれないよ」「手がないお母さんは変だ」と言われて園を飛び出します。
「なんで私には指がないの?」「こんな手いやだ!」そう迫るさっちゃん。しかしお父さんは言います。「さちこの手は、まほうの手。」
『さっちゃんのまほうのて』は、田畑さんと“先天性四肢障害児父母の会”の方との共同制作絵本です。小さな身体でまだ他の子たちとの違いを受け止めきれないさっちゃんの姿は、読んでいるこちらに何かを訴えてくるようです。
お父さんの言葉をきっかけに強くなっていくさっちゃんに勇気をもらい、人々の違いについて考えさせられます。子どもたちと読むのはもちろん、大人にも手に取ってほしい名作です。
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ダンプえんちょうやっつけた
作:ふるたたるひ絵:たばたせいいち
出版社:童心社
対象年齢:3歳~ [ダンプえんちょうやっつけた (絵本・ぼくたちこどもだ) (日本語) 単行本]
ひがしはまの町には港と工場、そして町の真ん中にわらしこほいくえんがあります。ここではがっしりとした大きな園長「ダンプえんちょう」と、くじらぐみの9人の子どもたちが遊んでいます。ある日ダンプえんちょうとくじらぐみは、海賊ごっこをすることに…。
「ダンプえんちょうをいつしかやっつけたい!」そんな野望を持った子どもたちと、愛される園長の壮大な海賊ごっこが描かれています。自然の中で存分に想像力を発揮して遊びこむ子どもたちの姿には、どこか懐かしさを感じます。
子どもたちと本気で今を楽しむダンプえんちょうの姿は、保育者の鏡と言っても過言ではないかもしれません。子どもたちの「生きる力」を育てる保育が映し出されたような絵本です。
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ひ・み・つ
作・絵:たばたせいいち出版社:童心社
対象年齢:4歳・5歳~ [ひ・み・つ (たばたせいいちの絵本) (日本語) 単行本]
ゆうきは七夕の日に80歳の誕生日を迎えるおばあちゃんに、「いちばんほしいものはなんですか。」と手紙を書きます。返事に書かれていたのはおばあちゃんの秘密。それは、「天国のおじいちゃんと40年ぶりに会ってダンスがしたい」という願いでした。
おばあちゃんの願いを叶えるために、ゆうきの大奮闘が始まります。「どうしたら天国に行けるのか?」悩み考えるゆうきが、劇で使った魔法使いの帽子を被って願いを込めると…この先はぜひ、絵本を読んでみてください。
ゆうきの優しい気持ちや健気な姿に心を打たれ、七夕の奇跡を描いた心温まるラストの展開には思わず感動してしまいます。『おしいれのぼうけん』や『さっちゃんのまほうのて』とはまた違ったタッチのイラストは、田畑さんの魅力のひとつです。
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ピカピカ
作・絵:たばたせいいち出版社:偕成社
対象年齢:5歳・6歳~ [ピカピカ (日本語) 単行本 ]
ピカピカは、街の片隅に捨てられていた自転車です。ゆきちゃんによって助けられ、げんじいちゃんによって修理されたピカピカが向かうのは、なんとアフリカ⁉
実はこの絵本は、再生自転車の海外譲与活動という壮大なメッセージがあるのです。田畑さんは実際にケニアやタンザニアなどの国を訪問し、この作品を描いています。私たちも一度は目にしたことがある捨てられた自転車が、どこかで誰かのためになっているリアルを知ることができます。
「物を大切に」というテーマの中に、実話と身近な“自転車”を絡めることでより現実的に子どもたちの心に響いていきますね。
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子どもの心に語りかける世界観
田畑精一さんの作品は、保育園や幼稚園を舞台にしていたり、深く考えさせられるテーマを取り入れていたりと心に響く惹き込まれるものばかり。いつまでも愛され続ける田畑さんの絵本を、この先も子どもたちに語り継いでいきたいですね。【関連記事】