芋掘り遠足の実施時期とねらい
大人も子どももつい夢中になってしまう芋掘り。周囲に畑や協力してくれる農家があるなどの条件が整っている保育園では、ぜひ取り入れたい行事ですよね。開催する場合は、実施計画も含めて園の行事としてのねらいをしっかりと立てて取り組みましょう。芋掘り遠足の実施時期
行事の実施計画を立てるために、まずは時期について考えてみましょう。多くの園では、さつまいもを収穫していると思いますが、地域や時期によってはじゃがいもという園もあります。それぞれの収穫時期はこちら。- さつまいもの収穫時期…9~11月
- じゃがいもの収穫時期…8~10月/5~7月(春作)/11~12月(秋作)
実施計画を立てる際は、協力をしてもらう近郊農家との調整で収穫時期の確認をする必要があります。
芋掘り遠足のねらい
行事の計画をする際には、必ずねらいを設定する必要があります。芋掘り遠足を実施するためのねらいについて、文例を見ながら確認してみましょう。<芋掘り遠足のねらい>
- 季節の食材について知識を得る
- 食べ物や、それを作る生産者への感謝の気持ちを育む
- 秋の行事を楽しむ
- 友だちと協力してひとつのことに取り組む楽しさを知る
- 旬の食材を使った料理を楽しむ
- 植物や生き物に触れ、五感を育む
また、芋掘りをする中で、さつまいものつるや虫、土などに触れることができます。目で見るだけでなく、手で触れたりにおいを感じたりしながら五感を使って楽しむことも子どもたちにとっては得難い経験となります。
実際に芋を掘る時は、友だちと協力してみたりお互いに応援してみたりと、子ども同士の関わりを深める面でもとても良い機会になります。
合わせて取り入れたい「芋煮会」
「芋煮会(いもにかい)」は、東北地方で伝統的に行われている、芋を使った鍋料理を野外で食べる秋の季節行事。山形県や宮城県が特に盛んで、地域のレジャーとして定着しています。この芋煮会の風習を、芋掘り遠足の延長として活動に取り入れている園も少なくありません。もともとの芋煮会は主に里芋を使いますが、園での活動では、収穫したさつまいもやじゃがいもを鍋で調理し、みんなで一緒に楽しく食べる行事として実施されています。
子どもたちで一部の調理を担当するなど、食育活動にもつなげられるので、芋掘り遠足からの一連の実施計画に組み込んでみるのもおすすめですよ。
芋掘りの準備と持ち物
芋掘り遠足は、持ち物を用意したり、当日までの流れや1日の予定などを事前に確認したりと、入念な準備が必要です。どのようなことを行うのか整理しておきましょう。農家へ問い合わせをする
まずすることは、近郊の農家の方への問い合わせです。収穫体験の受け入れを行っているのかということはもちろん、受け入れる場合の日程や人数確認などをする必要があります。芋掘り遠足の実施が決まったら、なるべく早めに日時や子どもと保育士の人数などを控えて、問い合わせてみましょう。
子どもたちに伝える
芋掘り遠足に行くことが確定したら、子どもたちに伝えましょう。初めて行く場合には、どのような行事なのかが想像つきませんよね。そんなときは絵本を使ってイメージを膨らませ、行事を存分に楽しめるように工夫してみるのも良いでしょう。この後ご紹介しますが、芋掘りをテーマにした絵本やダウンロード素材があるので、ぜひ取り入れてみてください。また、毎年活動している園の場合は、前年の様子を写真や当時のドキュメンテーションで見せるのも良いでしょう。
持ち物の準備をする
芋掘りをするときの道具は農家で貸出がある場合もありますが、園や各家庭で準備しなければいけないものもあります。もし家庭での準備が必要な物があれば、なるべく早めに保護者に伝えるようにしましょう。<芋掘り遠足の持ち物>
- スコップ
- 軍手
- バケツ
- 長靴
- 持ち帰り用の袋
- タオル
- 着替え
- 救急セット
- 虫よけスプレー
おすすめの活動アイデア
ここからは、芋掘り遠足の実施に先駆けた導入や、収穫後におすすめの活動をご紹介します。まずは、導入におすすめの製作アイデアから。製作アイデア
まずは、芋掘り遠足の導入に使える製作アイデアから。ごっこ遊びができるリアルなやきいも
秋・冬の風物詩である焼き芋を、身近な素材を使った工作でリアルに再現! 色の作り方や整形の方法など造形の楽しさが詰まった製作アイデアです。完成したらごっこ遊びをしてみましょう。表情豊かなやきいもキャラクター
ホクホクと美味しそうな、やきいもをあしらったキャラクターの部屋飾りです。コーヒーフィルターとお花紙で、やきいもの中身を再現しています。毛糸でぶら下げて、秋らしい保育室の雰囲気を演出してみましょう。おすすめのダウンロード素材
行事の導入や子どもたちの気分を盛り上げるために使えるダウンロード素材をご紹介します。ほいくisメンバーに登録すれば無料で使えるのでおすすめですよ。秋が旬の食材のペープサート
秋が旬の食材のペープサートキット。果物・野菜は表面は丸のまま、裏面は切り口の断面のイラストになっているので、切り口のクイズにするのがおすすめです。秋野菜の流れでさつまいもを紹介してみても良いですね。それぞれの食材に関する説明資料も付属しているので、子どもたちに説明するときの参考にしてください。
日めくりカレンダー用「芋掘りのカレンダー台紙」
ほいくisオリジナル「日めくりカレンダー」シリーズの「芋掘りのカレンダー台紙」です。気分を盛り上げるために使ってみてください。導入におすすめの絵本3選
絵本の読み聞かせは、行事の導入におすすめ。芋掘りに行く前に読みたい、さらに行事が楽しくなる「おいも」をテーマにした絵本をご紹介します。いもほり
[いもほり (ほるぷ創作絵本) (日本語) 大型本]作:はまの ゆか
出版社:ほるぷ出版
良く晴れた秋の日、あきちゃんはいとこのはるくんと一緒におじいちゃんの畑に芋掘りにやってきました。始めてみるさつまいも畑におおはしゃぎのはるくん! どんなお芋が隠れているのかな?
芋掘りの楽しい様子が生き生きと描かれて、大人でも「はやく行きたい!」とテンションが上がります。掘った芋を焼き芋にするシーンでは、ついお腹がすいてしまいそう。芋掘り前にピッタリの一冊ですよ。
いもいも ほりほり
[いもいも ほりほり (講談社の創作絵本) (日本語) 単行本]作・絵:西村 敏雄
出版社:講談社
3匹のこぶたが「焼き芋をしたい!」と芋掘りに出かけます。途中出会ったねずみが「きっと役に立つから」とついてきて…。無事芋掘りはできるのでしょうか?
絵本の中では、さまざまな形のさつまいもが登場します。そのさつまいもに「かえるいも」「おしりいも」と楽しく名前をつける場面は、実際の子どもたちの様子と重なりますね。芋掘りの楽しさが詰まった絵本です。
おいも!
[おいも! (にじいろえほん) 大型本]文:石津 ちひろ
絵:村上 康成
出版社:小峰書店
おいも~、おいも~、さつまいもー。歌っていたらやきいもができあがり。収穫したさつまいもは、やっぱりやきいもにしたくなる、臨場感たっぷりのおいも絵本。
絵を担当しているのは、「さつまのおいも」「よーいどん!」「えんそくバス」など、季節絵本で大活躍の村上康成さんです。はっきりとした色合いで描かれた大きなおいもは、インパクトがあって思わずお腹がすきますね。収穫してきたさつまいもを料理する前に読んでみるのもおすすめです。
導入におすすめの手遊び歌
秋から冬の風物詩である“焼き芋”がテーマの童謡が元になった手遊び歌。子どもたちに季節を感じてもらうことができる1曲なので、芋掘り遠足の導入にもおすすめです。歌詞がそれぞれジャンケンの「グー・チョキ・パー」に対応しているので、最後に先生とジャンケンをするところまでを含めて、ゲーム感覚で楽しめます。
園で楽しみたい!おすすめさつまいも料理
ここからは、収穫したさつまいもを使って作れる料理のご紹介です。栄養士や調理スタッフの皆さんと協力して、おいしいさつまいもメニューを堪能しましょう。年齢に合わせた調理方法や下ごしらえには注意してくださいね。さつまいもスティック
スティック状に切ったさつまいもをバターや砂糖などの調味料と絡ませて作る、定番おやつです。スティック状なので食べやすく、絶妙な甘さが病みつきに! さつまいものほくほく感と、表面のカリカリ感を楽しむことができます。スイートポテト
さつまいもと言えば、やっぱりスイートポテトも外せません。マッシャーでしっかり潰して滑らかにすればどの年齢でも食べやすいですが、年齢が上がれば敢えて少し芋の食感を残しておくのもおすすめです。形を工夫すれば見た目も楽しいスイートポテトになり、よりさつまいも料理を楽しめます。さつまいもケーキ
子どもたちが大好きなケーキを、さつまいもでアレンジします。ホットケーキミックスを使えば簡単にできますよ。さつまいも以外にも、カボチャやにんじんなどの野菜と組み合わせても良いですね。お腹もしっかり満たされるおすすめのおやつです。季節の行事を楽しもう
芋掘り遠足は、子どもたちにとって楽しいだけでなく、食育としても、またお友だちとの共同作業という面でも魅力的な行事です。秋の季節感を体験できる活動として、ぜひ取り組んでみてくださいね。【関連記事】