「SDGs」とは?
今回は、いつもの絵本作家さんについての“えほんばなし”ではなく、1冊のムック本を取り上げます。その名は『別冊太陽』。私の大好きなシリーズです。そして今回取り上げるのは、私の文章が載った、記念すべき号です♪『絵本で学ぶSDGs』
絵本でSDGs推進協会編 中川素子編集協力
平凡社/2022年 >>本の紹介はこちら
今は、SDGsについての取り組みをしておられる保育園もあると思います。ご存知のこととは思いますが、SDGsについて軽くおさらい。
- Sustainable(サステナブル=持続可能な)
- Development(ディベロップメント=成長・開発)
- Goals(ゴールズ=目標)
絵本でSDGsを学ぶ
皆さんは17のゴールを全てわかっていますか? 169のターゲットを具体的に知っていますか? 企業や専門分野の人であれば、自分に関わる部分に関しては詳しく語ることが出来ると思います。私はよくわかっていません(汗)。しかし、保育はある意味オールマイティを求められる現場。絵本を入口として、子どもたちと一緒にSDGsを学んでみるのもいいですね。- 子どもたちの生活の中、興味関心の中に存在するSDGsをわかりやすく。
- 身近なことからだけでは気付くことの出来にくいSDGsをわかりやすく。
2冊の絵本をレビュー!
ありがたいことに、この企画に私も参加させていただきました。91冊の絵本の中から2冊の紹介文を書きました。では、その紹介文を紹介しようかい(笑)。『人体ジェットコースター』
中垣ゆたか=作 奈良信雄=監修
2021年/ポプラ社 >>本の紹介はこちら
子どもの発達を知る指標のひとつに、「体の部位を指示することができる」というものがある。なぜそれが必要なのか、何に役立つのか。それは、体調の良くないときに自分の体のどこなのか説明できるようになるためである。【自分の体を知る】ことが健康への第一歩となる。
本書はいわゆる「食べ物の旅」の様なものではなく、消化器から血管、目、耳、鼻など身体全ての器官を世界最速のスピードで駆けめぐる。描き込みの多い中垣ゆたか氏ならではの愉快な情報の多さは、この絵本でも健在。学びを得ながら、随所で「へぇ」とついつい声が漏れてしまう。もちろん、ジェットコースターのごとく一気に読み切る楽しみ方もある。
口から入ったジェットコースターはどうなるか?それは、予想を外さないゴールを迎えることとなるのはお約束。※『別冊太陽・絵本で学ぶSDGs』より引用
『せんろはつづく にほんいっしゅう』
鈴木まもる=文・絵
2021年/金の星社 >>本の紹介はこちら
日本をぐるりと一周。東京を出発→東北→北海道→北陸→中国→九州→四国→関西→中部と周る。自分に所縁のあるエリアは愛着があり、純粋にうれしい気持ちになる。子どもと読むと、必ず知っている車両の名前を言う。他エリアも初めて知る路線、車両があり知的好奇心を刺激する。
そして、日本を回り終わった後に気付く。「日本を走る鉄道網はすばらしい」と。
『せんろはつづく』は、シリーズ全4冊を通して、山にトンネルを掘り、鉄橋を架け、線路を伸ばし列車を走らせてきた様子を描いている。この鉄道網を大切にすることが、〈鉄道で物流・人流を担う〉という持続可能な強いインフラとして日本を支えることに繋がっていく。もちろん開発と進化は同じではない。「陸の豊かさを守る」ことも考える。日本の鉄道、これからの進化が楽しみである。※『別冊太陽・絵本で学ぶSDGs』より引用
91分の2冊ですが、どんな視点でSDGsに繋げているかや、読み応えが伝わってくれると嬉しいです。絵本紹介を読む書物としての楽しみはもちろんのこと、タイトル通り、絵本を通してSDGsを学ぶことが出来る本なので、保育者の皆さんにもぜひ手に取っていただきたいです! ちなみに今回、平凡社さんのご厚意により、当コラムへの紹介文引用を許可していただきました。ありがとうございました。
次回予告
次回のコラムは、『絵本で学ぶSDGs』の第二弾。ムック本・別冊太陽そのものへの愛と、この企画で紹介された絵本の中から、「読んでみたい!」と思った作品を、自分なりの視点で読み解いて紹介していきたいと思います。お楽しみに!【関連記事】