うちトラダムスの大予言
うちトラダムスことうっちー先生が大予言をしよう。―あらゆることが電子化されているが紙の絵本は未来永劫愛され続けるであろう―
ここ最近ずっと思っていることがあります。保育の現場に簡素化、電子化の流れが来ています。
俺の職場でもICT化により保護者との連絡帳や出席管理などが電子化されています。
保護者からの意見は様々ですが概ね好評、保育士自身も慣れてしまえばとても便利なものなのは確かです。
しかし、便利だからと言ってそのまま無意識に使い続けても良いものなのかどうかは常に考えていく必要があると思います。
「保育の中に手仕事として時間と手間をかけること」「便利なツールを利用して時短と簡単にすること」のバランスの見極めをしていかなければなりません。
自分は年長児を担当したときには、「卒園アルバムはじっくり手仕事でできるこの世にひとつだけの思い出にしたい」とこだわっています。
その見極めとこだわりを保育のプロとして持ち続けたいです。これが最近の流れの中で思っていること。
うっちー先生の予言する絵本の未来
さて、このコラムのメインテーマは『えほんばなし』。前述の観点から絵本についてあれこれ話していきます。世の中には、紙(布や木などを含む)で作られた物体としての絵本とスマホやタブレット、電子書籍の中にあるデータとしての絵本があります。
どちらが良いのでしょうか?どちらにも利点があるのであげてみましょう。
<電子化された絵本>
- かさばらない。持ち運びしやすい
- すぐに入手しやすい
- 片付けいらず
- 形、大きさ版型がさまざま
- 素材の違いがある
- 「めくる」という行為がある
- 匂い、重さ、汚れなどひとつひとつ違う
- 元気はあったほうが良いが電気いらず
実際のところ、俺も電子書籍リーダーを持っています。中には、古書店でも揃えられない懐かしの作品から連載中のものまでマンガと小説が合計100冊以上入っています。 久しぶりに読みたくなっても充電すればすぐ読める。新しい本も書店に行かなくても読める。マンガを読むときに難点があるとすれば、見開きで迫力のあるシーンを半分ずつでしか読めないところですかね。いやぁ便利便利♪
ところがスマホやタブレット、電子書籍リーダーには絵本は1冊も入っていません。正直なところ中身を知りたくて試し読みをさせていただくことはありますが、それで気に入れば絵本を買います。
電子書籍として絵本を所持している場合を考えたとき
- ページめくりの楽しみがない!
- 絵本の大きさ形の違いの楽しみが少ない!
- 穴あきや仕掛けの楽しみがない!
- 何よりも絵本を触れない!!
紙だからこそ感じる良さのある特徴的な絵本
『つきのぼうや』
イブ・スパング・オルセン 作・絵 / やまのうち きよこ 訳
福音館書店/1975年
>>本の紹介はこちら
つきのぼうやの旅路を縦長の版型が見事に表しています。
『おふろだいすき』
松岡 享子 作 / 林 明子 絵
福音館書店/1982年
カバやクジラたち動物の豊かな動きと大きな版型が絶妙にマッチしています。
他にも紙の絵本の良いところはたくさんありすぎて、ここでは語りきることが出来ません。
「紙の絵本と電子絵本の違い」などと検索すれば、「紙の絵本の良さは、触れることが出来るくらい」などと書いてあるのを散見しますが、ここの読者の皆様は、紙の絵本の良さを十分に理解しておられることと思います。
―あらゆることが電子化されているが紙の絵本は未来永劫愛され続けるであろう―
うちトラダムス
これからあらゆることが電子化、簡素化されていくであろう世の中で、本も電子化が進んでいくとは思います。しかし、「絵本は紙の絵本が残ります。」大予言ですので断言します!
あっそうか! 俺が読み続ける限り絵本は残り続けるってことだ。俺の目の黒いうちは紙の絵本残す!… でもそれはもう大予言でもなんでもなくなるか…
ルネサンス期の医師・占星術師。1999年7月に世界滅亡を予言した「ノストラダムスの大予言」で知られる。
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