アトリエにある「布おもちゃのお部屋」での一場面
私が運営する「ぬのいく協会アトリエ」には、布おもちゃのお部屋があります。布おもちゃで遊ぶ「わくわく会」や、布おもちゃを作る「ちくちく会」などを開催しています。先日来てくれたのは、R君(2歳)とママ。もう4~5回めになります。いつも機嫌よく遊ぶR君なのに、この日は泣きながら入ってきました。
ママに聞くと、
「久しぶりにベビーカーに乗ってきたら気分良かったみたいで。もう着いちゃったのが残念だったらしくて…」
ああ、ありますね~! そういうこと。ただ、この日はママは4月からR君が使う通園バッグを完成させなければならなかったんです。
とりあえず、ママとR君は「布おもちゃのお部屋」へ。
ママにしがみついてグズグズ泣いているR君に、近くにあった布おもちゃを渡してみますが、ポイっと放り投げてしまいます。あれあれ、R君の好きなおもちゃはなんだったかな? そうそう、今は乗り物がマイブームなんだった!
そこで、R君にフェルトの乗り物を渡すと、サッと受け取ってくれました。よし! やっぱりこれだね!
ここまでくれば、もう大丈夫。
帽子を脱ぐのも忘れて、乗り物の世界に夢中です。ママもにっこり。安心してバッグ作りを始めることができました。
不安になる新年度に向けて
*****もうすぐ新年度が始まります。
新入園児はもちろんのこと、進級児も慣れない環境に戸惑うことも多いでしょう。朝から泣いてしまうのも、無理のないことです。
そんな時でも、お気に入りのおもちゃや場所が見つかれば、遊びの世界に入っていくことができます。ちょっと泣くのを後回しにすることができます。この日のR君のように…。
ぜひ、一人一人のお気に入りを見つけるところから始めてみてくださいね。
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春は、保育士だって、泣いてしまいたいような気持になることもあります。
そんな時は、子どもが帰った後の保育室で、布おもちゃやぬいぐるみにそっと触れてみてください。布おもちゃは、子どもだけでなく、大人の心も癒してくれます。
ぬいぐるみやお人形は、昼間、奮闘するあなたのことも、ずっと見ていて応援してくれているんですよ。一日の終わりには、保育室の片隅でこっそり癒されて、また明日への力にしてくださいね。
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