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不適切な保育とは|保育者のアンケートから見る振り返り【保育をアップデート】

不適切な保育とは
昨年から相次ぐ不適切な保育の発覚と、それを報じるニュース。これらの報道をきっかけに、保育者間でのさまざまな議論や、園内外での研修が行われています。今回は、改めて「不適切な保育」について考えるために、現場の保育者に実施したアンケートの結果をお伝えします。

不適切な保育とは

厚生労働省が令和3年に公表した「不適切な保育の未然防止及び発生時の対応についての手引き」によると、「不適切な保育」とは以下のことを指しています。
  1. 子ども一人一人の人格を尊重しない関わり
  2. 物事を強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ
  3.  罰を与える・乱暴な関わり
  4.  子ども一人一人の育ちや家庭環境への配慮に欠ける関わり
  5. 差別的な関わり
また、虐待については、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第33条の10各号に掲げる行為である、下記の4種類の行為類型を指します。
  • 身体的虐待
  • ネグレクト
  •  性的虐待
  •  心理的虐待
出典:不適切な保育の未然防止及び発生時の対応についての手引き(厚生労働省/令和3年3月/実施主体 株式会社キャンサースキャン)

事件報告書から見る不適切な保育

2022年12月に静岡県裾野市で発生した虐待事件を例に挙げると、園児の容姿を馬鹿にした呼びかけ、暴言を浴びせるなどの行為は「不適切な保育」にあたると報告されています。また、暴行(身体的な接触を伴う行為)を加えている、 もしくは暴力的な行為(身体的な接触なし)により脅威を与えているが、被害者に怪我を負わせていない場合などの行為は、「虐待」にあたると報告されています(裾野市報告による)。
 
これらは、法に触れるからしてはならないのではなく、それ以前に、「子どもの権利条約」や保育所保育指針で定められた「保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない」といった、人と人とのかかわりの根本から行ってはならない行為です。

また上記の例以外にも、保育業務の中で「今までしてきたことだから」、「ほかの人もしているから」、「子どものために良かれと思って」といった意識から行われた行為が、実は子どもの権利を侵害しているということに気付いていない場合も考えられます。こうした誤った行動を防ぐためには、正しい情報を身に付けること、保育者同士で振り返りの場を設けることが必要です。

例えば、全国保育士会では『保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリスト~「子どもを尊重する保育」のために~』を公開していますので、こういったリストを利用するのもいいでしょう。
https://www.z-hoikushikai.com/about/siryobox/book/checklist.pdf

「不適切な保育」に関するアンケート調査結果

ほいくis編集部では、保育者を対象に実施したアンケートをもとに、子どもとの接し方で違和感を覚えた経験など、不適切な保育に関する調査をしました。ここからはその結果をご紹介していきます。

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