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個人情報管理は大丈夫?保育園でのセキュリティに関する実態調査

パソコンのキーボードとスマートフォンの上に置かれた南京錠
保育業界でもICT化が進み、個人情報のデータ管理やインターネットを通じた発信を行う園が増加しています。しかし現場では、使い方やリスクについて学ぶ機会が少なく、取り扱いに迷っている方も少なくありません。今回は、保育者モニターへのアンケート調査結果をもとに、園における情報管理の実態をご紹介します。
【調査結果の転載について】
本調査結果については、以下の2点に対応いただければ転載することが可能です。
1. 出典元として「ほいくis」を明記
2. Webサイトに掲載する場合は下記のリンクを設置
URL:https://hoiku-is.jp/
※リンク設置ができない場合は、個別に問い合わせフォームからご相談ください。

園における個人情報漏洩のリスク

保育室内の様子をスマートフォンで撮影する保育士
保育業界でも業務のICT化が進み、パソコンなどの通信デバイスを使用して個人情報を管理している園が増えてきました。また、園の情報を発信するためにInstagramを始めとするSNSを利用しているところも数多く見られます。

そんな中、2023年の12月に奈良県の幼稚園で園児の個人情報が流出する事件が発生しました。

出典:「奈良教育大付属幼稚園 教諭のパソコンから個人情報流出か​​」/NHK

この事件を通して、子どもやその家族の個人情報を漏洩リスクから守るには、職員一人ひとりの情報管理に対する意識を高める必要があると感じさせられました。

そこで今回編集部では、保育施設におけるICTの活用と情報セキュリティの状況、職員の研修の実態をお聞きするアンケート調査を実施しました。順番にご紹介していきましょう。

モニターのプロフィール

最初に、アンケート調査に回答していただいたモニターのお立場と経験年数について確認しておきましょう。

どんな立場で働いている?

●質問1:ご自身が該当するお立場を回答ください(複数選択可)
保育士・幼稚園教諭(有資格・現職) 93.5%(29件)
保育士・幼稚園教諭(有資格・非現職) 3.2%(1件)
看護師・調理師・栄養士 3.2%(1件)
今回のアンケート調査では、31名の方に回答していただきました。回答者の多くは現職の保育士・幼稚園教諭で、全体の93.5%となっています。その他に、現職ではないが資格を保有している方、他職種の方からも回答が寄せられました。

これまでの経験年数は?

●質問2:これまでのお仕事の経験年数を回答ください
1年未満 3.2%(1件)
1年以上~3年未満 3.2%(1件)
3年以上~5年未満 3.2%(1件)
5年以上~10年未満 12.9%(4件)
10年以上~ 77.4%(24件)
今回のアンケートには、経験年数が10年以上の方(24名)にたくさんご回答をいただきました。経験年数5年以上〜10年未満の方(4名)、5年未満の方(3名)からも回答が寄せられています。

園での情報管理の状況

まずは、園での情報管理の状況についてお聞きしました。

使用している情報通信機器

保育園で使われている情報通信機器の割合を示したグラフ
●質問3:お勤めの園で使われている職員用の情報通信機器を教えてください(複数選択可)
パソコン 83.9%(26件)
タブレット 67.7%(21件)
スマートフォン 64.5%(20件)
携帯電話(ガラケー) 9.7%(3件)
無線機・IP無線機 6.5%(2件)
当てはまるものは無い 0.0%(0件)
園で使われている情報通信機器として1番多かったのはパソコン(83.9%)でした。普及してから長い年月が経過していることもあり、多くの園で使われていることがわかります。事務作業を効率的に行うためにも、キーボードのあるパソコンは最初に導入する機器と言えそうですね。

続いて、タブレット(67.7%)やスマートフォン(64.5%)の利用も多く見られました。持ち運びや起動が簡単なため、デスクに座って事務作業をする時間が取りにくい保育現場で普及してきていることがうかがわれます。ICTシステムと連携して使用しているケースも多いでしょう。

その他には、いわゆるガラケーと呼ばれている携帯電話(9.7%)や無線機・IP無線機(6.5%)を利用している園もあるようです。

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佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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