午睡中が要注意
まずは、午睡中に起こることが多いSIDSについての基本的な知識や、事故の現状を確認しておきましょう。SIDSとは
SIDSとは、「乳幼児突然死症候群」という名前の通り、何の予兆や既往歴もないのに乳幼児が突然死に至ってしまう病気のことです。原因不明で、窒息死などの事故とは異なります。うつぶせ、あおむけ、いずれの場合も発症の報告があり、明確な因果関係が証明されている訳ではありません。しかし、発症率はあおむけ寝をしたときよりもうつぶせ寝の方が高いことが、研究結果からわかっています。
出典:乳幼児突然死症候群(SIDS)について/厚生労働省
死亡事故の多くは睡眠中に起きている
『平成29年 教育・保育施設等における事故報告集計」によると、平成29年の保育園や幼稚園、認定こども園での死亡事故は8件、そのうち睡眠中に起きているものは5件と多くなっています。また、2019年8月に内閣府より発表された情報によると、平成30年は死亡事故が9件、そのうち睡眠中に起きたものは8件で、そのうち2件はうつぶせ寝だったそうです。この結果からも、午睡や夜間も含めた睡眠中に特に気を配らなければいけないことがわかりますね。
出典:「平成29年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について/内閣府子ども・子育て本部
事故が発生しやすい状況は?
保育施設では、睡眠中に事故の危険性が高いことが分かりました。事前に意識をして対応をすれば、事故を防ぐことができますよね。特に多くの園で行っている午睡中の事故について、起きやすい状況をまとめました。ぬいぐるみや紐、布団による窒息

食べ物による窒息
多くの場合は午睡前に食事をとっているかと思います。横になる前に、必ず子どもの口の中に食べ物が残っていないか確認しましょう。「自分で飲み込めるから、少しくらい大丈夫」という考えは禁物です。うつぶせ寝
SIDSは、あおむけ寝だから起こらないというわけではありません。しかし、うつぶせ寝の方が発症率が高いことが調査で分かっているため、医学的な理由でうつぶせ寝をお医者さんからすすめられている場合を覗いては、うつぶせ寝をさせてはいけません。行うべき対応は?
実際に施設内でできる対応にはどのようなものがあるでしょうか。必ずしておきたい対応についてまとめました。体勢、ブレスチェックを怠らない

顔色が見える部屋の明るさを保つ
午睡中の部屋の明るさは、子どもたちの顔色が見える明るさにする必要があります。暗い部屋ではチアノーゼなど、顔色に変化があったときに気づくことができません。カーテンなどで調整しておきましょう。体調に気を配る
毎日の子どもの体調には気を配って、体調不良のときは特に注意をして様子を見るようにしましょう。そのためにも、子どもの様子を知ることができる保護者とのコミュニケーションは欠かせませんね。ひとりで寝かせない

共通意識で事故を防ごう
今回の記事でお伝えしたのは基本的なことですが、どれも大切なことです。職員一人ひとりが共通の意識を持って、事故を防ぐ対応を徹底しましょう。【関連記事】