保育園の中では、遊びの時間や食事、午睡など、さまざまなシーンがあります。しかし、室内という安心感から、実は思わぬところにある危険を見落としがち。予めどんなことに気をつければいいのか把握しておけば、事故を未然に防ぐことができますよね。今回は、園内でみられるヒヤリハットの対策をご紹介します。
保育室で気をつけること
毎日の保育の中で、室内で遊ぶ時間は多くありますよね。園外のように車通りなどはないものの、限られたスペースの中で遊ぶ室内遊びにもヒヤリハットが隠れています。
おもちゃの誤飲
- 小さなブロックを誤飲した
- 口に入るサイズのままごとを誤飲した
おもちゃの誤飲は、ヒヤリハット事例としても多く挙げられます。私は子どもの頃におはじきを誤飲しました…(トイレで出てきました。不幸中の幸いです)。口に入らないサイズであることはもちろん、年齢に合わせたおもちゃ選びをしましょう。
噛みつき・ひっかき
まだうまく言葉が出ない年齢の子どものけんかでは、もどかしさから噛みつきやひっかきが見られることも。ひとつの場所に
子どもが集まりすぎないようにおもちゃの配置を工夫したり、すぐに対応できる場所に保育士がつくようにしましょう。また、ケガを防ぐためにも、日頃から子どもたちの
爪が伸びていないかチェックする習慣をつけるといいでしょう。
衝突
- 室内を走っていて棚に衝突した
- 前を見ておらず、子ども同士で衝突した
室内では限られたスペースの中で遊ぶため、走ると衝突してしまうこともあります。あらかじめ走らないような声かけも大切ですが、子どもたちが落ち着いて安全に遊べるような環境設定をすることも重要ですね。
食事で気をつけること
食事の時間はバタバタすることも多く、忙しい時間です。だからこそ気を配って、事故がないような配慮が重要です。
アレルギー食材の誤飲
- 落ちていた除去食以外を食べてしまった
- 誤ってアレルギー食を配膳した
食物アレルギーを持つ子どもの誤飲は、ヒヤリハット事例の代表的なものです。配膳順や確認方法など、
除去食の提供マニュアルを園内で徹底しましょう。全保育士がアレルギー児を把握しておくことも大切です。
誤嚥による窒息
- 食べ物のサイズが大きすぎて喉につまった
- 固さが不適切だった
食べ物による窒息の例もあります。食事を提供する前には、食べ物のサイズや固さが適切かどうか確認をすることも大切ですね。ここは、保育士さんと調理スタッフさんの協力が重要です!
午睡中に気をつけること
午睡中には連絡帳や日誌を書く保育士さんも多く、「ついチェックを怠ってしまう…」なんてことはありませんか? 午睡中のヒヤリハットも、命に関わるものが挙げられます。
うつぶせ寝や窒息
- 気づいたらうつぶせ寝で時間が経っていた
- 他の子どもが覆いかぶさっていた
厚生労働省が発表した『「平成28年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について』によると、睡眠中の死亡事故のうち
うつぶせ寝が原因になったものは、10件中4名となっています。また、他の子どもや布団が覆いかぶさって窒息につながることも。必ず子どもたち全員の様子を見るようにしましょう。
参考:
「平成28年教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について/厚生労働省
室内での熱中症
- エアコンがついていなかった
- 長時間日差しが当たっていた
夏にはとくに気をつけたい熱中症。外遊びのときなどは気にかけていても、午睡中はノート記入に呼吸チェックで手一杯! ということもありますよね。午睡時は、カーテンで日差しを遮り、部屋の温度をこまめにチェックしましょう。子どもの様子や顔色もしっかり確認!
小さな気づきが予防に
普段何気なく過ごしている保育室にも、ヒヤリハットの対象となる危険が潜んでいます。小さな気づきが、事故を未然に防ぐ大きなきっかけに。さまざまな場面で危険な状況や物はないか、もう一度チェックしてみましょう。
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