感覚遊びとは
保育園では、絵本やブロック、鬼ごっこなど、子どもの発達に合わせてさまざまな遊びが行われています。これらの遊びは以下の5つに分類することができます(※)。- 感覚遊び(例:水遊び、スライム作り)
- 運動遊び(例:鬼ごっこ、縄跳び)
- 模倣遊び(例:見立て遊び、ごっこ遊び)
- 受容遊び(例:絵本、パネルシアター)
- 構成遊び(例:ブロック、積み木)
感覚遊びとは、視覚や聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を使って物と触れ合うことで、感覚を楽しみながら想像力を育む遊びです。子どもたちは遊びを通してそれぞれの感覚を磨き、身近な物や事柄への理解を深めていきます。
※カール・ビューラーの分類による
感覚遊びのねらいと養われる力
ここからは、感覚遊びのねらいと養われる力を3つ紹介します。1.五感の発達を促進する
感覚遊びは、子どもたちの五感の発達を促します。普段は見落としがちな身の回りの音や香り、手触りなどに意識を向けることで、日常生活をより豊かに感じ取る力が育まれていきます。2.理解力を深める
感覚遊びを通して、身の回りの物事に対する理解を深めていきます。例えば、太鼓を強く叩けば、音の大きさの変化を感じます。色水遊びをすれば、色の変化を感じることでしょう。遊びを通じて、自然の摂理を感じたり、論理的思考が深まったりします。
3.探究心を育む
感覚遊びは、子どもたちの探究心を育みます。例えば、氷が溶けていく過程で、「なぜ右の氷の方が早く解けるんだろう?」と疑問に思ったり、「もっと太陽の当たるところに置いたらどうなる?」と試してみたくなったりします。遊びを通して、学習の基礎となる考える力が育まれます。
感覚遊びを取り入れる際のポイント
次に、感覚遊びを保育に取り入れる際、保育士が意識したいポイントを3つ紹介します。1.安全性を確保する
感覚遊びは、安全性を確保した上で行います。誤飲やケガが起こらないよう、使用する素材や道具選びは、年齢や発達、アレルギーの有無に応じて慎重に行いましょう。2.自由な発想を尊重する
子どもは感覚を刺激されることで、さまざまな思考や発想が芽生えます。「こうしてみたい」という気持ちを可能な限り尊重し、主体的に遊べるような環境に整えましょう。3.多様な感覚を体験する
子どもたちがさまざまな感覚体験をできるよう、バランス良く遊びを準備します。体験に偏りがある時には、季節や子どもの興味関心に合わせて新しい活動を取り入れてみましょう。感覚遊びのアイデア
ここからは、保育園でできる感覚遊びを五感ごとに分けて紹介します。視覚
「見る」ことを意識する遊びには、次のようなものがあります。【遊びの例】
- シルエットクイズ…何のシルエットが描かれているか当てる
- 影絵作り…手や体、物を使って影を作る
- 万華鏡…万華鏡をのぞき、模様の変化を楽しむ
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聴覚
「聞く」ことを意識する遊びには、次のようなものがあります。【遊びの例】
- 音当てゲーム…目隠しして音を聞き、何の音か当てる
- 音探しゲーム…虫の音や鳥のさえずりを聞いて見付ける
- 楽器遊び…楽器で音を出し、音の違いを聞く
触覚
「触る」ことを意識する遊びには、次のようなものがあります。特に、このタイプの遊びについては「感触遊び」と呼ばれます。【遊びの例】
- 春雨遊び…食紅で着色した春雨に触ったり、握ったりする
- 感触ボックス…箱に入っている物を感触だけで当てる
- 水遊び…水に触れたり、プールに入ったりして、冷たさや感触を味わう
嗅覚
「嗅ぐ」ことを意識する遊びには、次のようなものがあります。【遊びの例】
- 花の香り探し…園庭で花の香りがする場所を探す
- 香り当てクイズ…目隠しして匂いを嗅ぎ、何の香りか当てる
- 香り袋作り…ハーブや柚子などを薄手の布で包み、香り袋(匂い袋)を作る
味覚
「味わう」ことを意識した遊びには、次のようなものがあります。【遊びの例】
- 育てた野菜の試食…自分たちが育て、収穫した野菜を食べる
- 出汁の飲み比べ…鰹節や昆布、煮干しの出汁をとり、味の違いを感じる
- ハーブティー作り…ハーブでお茶を作って味わう
感覚遊びで五感を育もう
五感を使って小さな刺激を感じたり、想像力が養われたりすることで、子どもたちの世界はより豊かになります。年齢や発達、アレルギーの有無に気をつけながら、さまざまな感覚を味わえる環境を整えていきたいですね。感覚遊びを計画している方は、参考にしてみてください。
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