院内保育とは
院内保育というと、病院内にある保育園というのはイメージできるかと思います。では、実際にその設置の目的やどんな保育をしているのかについて詳しく解説します。
院内保育の目的
院内保育は、病院に勤務しているスタッフの子どもを預かる事業所内保育園のことです。特に医師や看護師、薬剤師のお子さんが利用するケースが多いです。24時間交代制で勤務するスタッフのために、福利厚生のひとつとして院内保育施設を設けている病院もあります。スタッフが安心して勤務できるよう、院内保育所を開設する病院は少しずつ増えています。参考URL:令和3年度 認可外保育施設の現状取りまとめ >>詳細はこちら
院内保育の入所児童数
院内保育は小規模な施設が多く、少人数でゆっくり過ごせます。「令和3年度 認可外保育施設の現状取りまとめ」によると、院内保育の施設数は約2,900件、院内保育を利用する子どもは全国で約41,000人です。そのうち、0歳~2歳児までが約67%と半数以上を占めています。院内保育の特徴
院内保育は、病院に勤務中のスタッフに代わり保育士が子どもを預かるため、勤務中以外は保育できない施設も多いです。一時保育の利用ができるので、日中は別の保育園に通い、夜間のみ院内保育園を利用する人もいます。病院スタッフの勤務に合わせて臨機応変に保育を依頼できるのが、院内保育の特徴といえるでしょう。保育園と院内保育の違い
保育園と院内保育の違いは、院内保育は利用者が限られることです。保育園は保育を必要とする家庭が申し込み利用しますが、院内保育は原則「病院に勤務している医療従事者」になります。また、院内保育は認可外保育園です。地域の認可保育園とは保育料の計算方法が異なります。そのため、院内保育でも事業元によって保育料に差があるでしょう。
院内保育と病棟保育・病児保育の違い
院内保育とよく似た名称の病棟保育と病児保育があります。違いがはっきりわからない方もいるかもしれませんね。ここでは、院内保育と病棟保育・病児保育の違いを説明します。病棟保育とは
病棟保育は、小児科病棟に入院している子どもの保育をすることです。病棟にあるプレイルームにおいて小集団で遊んだり、個別で保育をしたりと子どもの体調や病棟の状況をみて臨機応変に対応します。病棟保育は子どものメンタルケアが主な目的とされており、0歳〜18歳までの子どもが保育対象です。医療行為は行わず、あくまでも保育をするのが目的です。
病児保育とは
病児保育は、保護者の代わりに病気の子どもを保育することです。仕事を休めない親に代わり、保育士や看護師が保育をしながらケアします。院内保育施設のなかには、病児保育も受け付けているところもあります。
院内保育で働くのに必要な資格
院内保育で働くために必要な資格は保育士資格です。認可外保育園では、幼稚園教諭免許状の所持が必要な施設も多いですよね。院内保育は、保育士の資格があれば勤務可能なので応募しやすいといえるでしょう。院内保育の仕事内容
院内保育はどのような仕事をするのか気になる方は多いはず。ここでは、仕事内容を詳しくご紹介します。
院内保育の主な仕事内容
保育内容は、保育園と大きな変わりはありません。子どもと保護者が安心できるよう、安全に保育をするのが主な仕事です。保育園との違いを挙げるとすると
- 夜勤がある
- 入浴介助がある(施設による)
- 行事が少ない
保育園は運動会や発表会がありますが、院内保育では設けていない施設が多いです。院内保育は親の勤務スケジュールで子どもの出席日が異なるので、園児全員が集まる機会が少なく行事に出られない子がいるためだと考えられます。
院内保育の主なスケジュール
施設によって異なりますが、院内保育のおおまかなスケジュールは以下のとおりです。日勤スタッフのお子さんの保育スケジュール
8:00~9:00 登園・朝の会(月齢によっては朝寝)10:00 設定保育(製作・集団遊び・お散歩など)
11:30 昼食
12:30 午睡
15:00 おやつ
15:30 自由遊び(お迎えが来た子から順次降園)
17:00 捕食
日勤スタッフのお子さんを保育するときは、年齢や状況に応じた保育内容を設定します。0歳児~5歳児と幅広い年齢の子がいるので、安全に楽しめる遊びを計画するといいですね。
夜勤スタッフのお子さんの保育スケジュール
16:00 登園17:00 夕食
18:30 入浴
19:30 就寝準備
20:00 就寝
06:30 起床
07:30 朝食
08:00 自由遊び
09:00 お迎えが来た子から降園
夜勤スタッフのお子さんを保育するときは、寝かしつけがあります。夜は不安になりママを求める子も少なくありません。できるだけ安心して眠りにつけるよう、子どもに寄り添いましょう。
院内保育で勤務するメリットとデメリット
院内保育に興味を持ったとき、気になるのがメリットやデメリットですよね。ここでは、院内保育士のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。院内保育で働くメリット
院内保育士になるメリットはこちらです。- 少人数制で個々にじっくり関われる
- 家庭的な保育ができる
- 保護者とコミュニケーションを取りやすい
- 行事の準備が少ない
- 公開保育や保護者参観がほぼない
- 給料が高い傾向がある
また、保育園では行事準備の負担がありますが、院内保育ではほぼありません。公開保育や保護者の参観も稀のため、企画や準備の負担が少ないのは院内保育のメリットといえます。
院内保育士は夜勤があるため、出勤したら夜勤手当が入ります。そのぶん、保育士のなかでも給料が高い傾向があるでしょう。
院内保育で働くデメリット
院内保育士になるデメリットは以下のとおりです。- シフトによって生活リズムが変わる
- 曜日関係ないシフトになる
- 保育カリキュラムを組みにくい
- 異年齢のため保育内容に悩むことがある
また、院内保育は保育園と違い、子どもの登園降園時間や出席する曜日が固定ではありません。保育のカリキュラムを組みにくく、設定保育の内容に悩む保育士は多い傾向にあります。
院内保育求人のタイミング
院内保育の求人は、通年で見られます。保育士求職サイトや、転職サイトに掲載されていることが多いです。最も求人の案件数が多いのは4月頃です。委託業者の切り替えが4月に発生することが多いためではないかと思われます。院内保育士は保育実習ではあまり経験しない職業です。新卒で院内保育を希望する場合は、事前に見学させてもらえる施設であれば希望するとよいでしょう。
院内保育士はこんな人に合っている
院内保育士が適している人の特徴をピックアップしました。- 日勤夜勤があっても体調を保てる人
- 子どもとじっくり関わりたい人
- 家庭的な保育を目指している人
- コミュニケーションを取るのが好きな人
- 臨機応変が得意な人
- 子どもが大好きな人
子どもとじっくり関われる院内保育士の仕事に注目
院内保育についてご紹介しました。保育園とは違い、医療従事者の子どもの生活をケアしながら保育をするのが院内保育です。子どもとゆっくり関われるので、1人ひとりとじっくり向き合いたい方におすすめの業種ですよ。ぜひ本記事を参考に、お仕事の選択肢を広げてみてくださいね。院内保育所に興味を持ったら…
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