お手伝い活動とは
まずは、「お手伝い活動」の内容を見ていきましょう。一般的な定義と内容
お手伝い活動は、子どもが誰かのために手助けをする活動のことを言います。子どもの「やってみたい」という気持ちに添って保育士がお願いするものもあれば、子どもが「大変そうだからやってあげよう」と主体的に取り組むものもあります。
例えば、次のようなお手伝い活動があります。
- テーブル拭き
- 玩具の片付け
- 布団敷き
- 給食の配膳
- 小さい子のお世話
「お当番活動」との違い
その場に応じて行われるお手伝い活動に対して、「お当番活動」は計画的な活動です。決められた役割を順番に担い、継続的に行われます。お当番活動の内容は、子どもの「やってみたい」という気持ちをもとに決めることが多いため、お手伝い活動と重なるものが多くあります。園によって伝統的に続いているお当番活動もあれば、その年の子どもたちの様子に応じて内容を変えている場合もあります。
「お当番活動」の呼び名は園によりさまざまですが、当番として計画的に行っていても「お手伝い活動」「お手伝い保育」などと呼ぶ園もあるようです。
ねらいと養われる力
ここからは、「お手伝い活動」「お当番活動」のねらいと養われる力について見ていきましょう。お手伝い活動の場合
お手伝い活動のねらいとして、次のようなものが挙げられます。- 「やってみたい」という意欲を育む
- 人の役に立つ喜びを感じる
また、手伝っている最中に難しさを感じたときには、「何て言ったら伝わるかな?」「どういう風にしてあげたら喜ぶかな?」など、創意工夫する力が育っていくことでしょう。
お当番活動の場合
お当番活動のねらいは、次のようなものが挙げられます。- 自分の役割を理解し、自信を持って行動する
- 友だちと共通の目的に向けて、協力して活動する充実感を味わう
また、「少し疲れてきたな」と思っても、責任をもって最後まで取り組むことで、物事をやり抜く力が育っていくことでしょう。
取り組む際のポイント
最後に、お手伝い活動に取り組む際のポイントを紹介します。子どもの主体性を大切にする
お手伝い活動では、子どもの主体性を大切にしましょう。保育士が「やらせる」のではなく、子どもが「やりたい」と意欲を持って取り組むことが重要です。子どもが「やってみたい」と思うような工夫は必要ですが、「やりたくない」というときには無理をさせないようにします。「誰かの役に立ちたい」という気持ちが育ってくるのを待ちましょう。
完璧を求めない
お手伝い活動には完璧を求めないようにしましょう。できない部分があっても、今はそういう発達過程なのだと受け止め、保育士がフォローを行います。結果だけではなく、プロセスに目を向けることが大切です。子どもの様子を見ながら、発達に合ったお手伝い活動を提案できると良いですね。
「ありがとう」を伝える
お手伝い活動を行った後には、「ありがとう」を伝えましょう。感謝の気持ちを伝えられると、人の役に立てた実感を持つことができます。みんなの前で「今日はAちゃんがお片付けのお手伝いをしてくれて、お部屋がピカピカになりました。Aちゃん、ありがとう。」と伝える場も持ってみましょう。子どもの自尊心に繋がると共に、他の子にとっては「やってみたい」と思う機会になるかもしれません。
お手伝い活動で意欲や自信を育もう
お手伝い活動を通じて、「人と関わりたい」「周りに貢献したい」という意欲が育まれていきます。経験を自信に繋げていけるよう、保育士は活動の内容や言葉かけを工夫していきたいですね。お手伝い活動を保育に取り入れようと考えている方は、参考にしてみてください。
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