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保育園での調乳手順と衛生管理を解説|初めてでも焦らない!

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机の上に置かれた2本の哺乳瓶
 保育士の仕事には、ミルクを作る「調乳」も含まれています。育児の経験がない方や、国家試験で保育士資格を取得した方など、保育現場で初めて調乳をする場合でも、正しく作れるように準備しておきたいですね。今回は、保育園での調乳手順と衛生管理について解説します。

保育園での調乳とは

哺乳瓶と赤ちゃん
保育園での調乳の大きな特徴は、同時に複数の乳児に対応する必要があることです。0歳児クラスでは、赤ちゃんによって飲む時間や量が異なるため、一人ひとりに合わせた対応が求められます。

調乳は、乳児クラスに設置された調乳室、もしくは調理室で行われます。アレルギー用ミルクを扱う際は、一般的なミルクと混同しないよう細心の注意が必要です。

また、多くの場合、0歳児クラスは複数の保育士で担当するため、確実な引き継ぎと情報共有も重要な業務となります。

出産・育児を経験してから0歳児担当になった方や、年の離れたきょうだいがいる方は、ミルクを作った経験があるかもしれませんが、保育園では専門家として、より安全や衛生に配慮して調乳を行う必要があります。現場で初めて調乳をする方も、慣れるまでは先輩保育士に見てもらいながら、手順を確認していきたいですね。

調乳の流れ

保育園では、哺乳瓶を用いた調乳が基本になります。ここからは、粉ミルクの調乳方法を見ていきましょう。

まずは清潔に

ハンドソープを使って入念に手洗いをしている保育士
調乳する場所の表面を清掃し、消毒をします。保育士の手も、ハンドソープを使ってしっかり洗いましょう。

園にもよりますが、調乳用のエプロンや帽子が用意されている場合は、しっかりと身に着けます。

子どもの飲む量を確認

専用スプーンで粉ミルクの量を測っているところ
子どもによって、飲むミルクの量は異なります。必ず一人ひとりの量を確認し、間違いのないようにしましょう。

ミルク缶から粉をすくう時は附属のスプーンを使用しますが、この時の1杯は「すりきり1杯」ということを忘れずに。

お湯の温度に注意

哺乳瓶を腕に当てて温度を確認しているところ
清潔な哺乳瓶に、一度沸騰させた後70℃以上にまで冷却したお湯を入れます。この温度は、ミルクの成分を保ったまま、雑菌の繁殖を防ぐためのものです。

哺乳瓶をゆっくり振って粉を完全に溶かしたら、流水に当てたり、冷水の入った容器に入れたりして冷まします。ミルクの温度は、手首の内側に垂らして、生温かく感じるくらいが適当と言われています。

出典:乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドラインの概要/厚生労働省​​ >>詳細はこちら
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調乳の注意点と衛生管理

調乳をする時には、いくつか知っておきたい注意点があります。しっかり確認して、安全な調乳を行いましょう。

調乳器具はしっかり消毒

専用のブラシで哺乳瓶を洗浄しているところ
調乳に使用する哺乳瓶や計量スプーンは、洗剤で洗った後に毎回消毒を行います。消毒液や電子レンジなど、消毒方法はさまざまあり、園によっても異なると思いますので、使い方を事前に確認しておきましょう。

調乳後のミルクの使用は2時間以内

哺乳瓶と時計
ミルクを作っても、飲まなかったり、残したりすることがあります。

「もったいない」と思っても、調乳後2時間以内に飲まなかったミルクは破棄しましょう。栄養豊富なミルクは、雑菌が繁殖しやすいので飲み残しの保管はNGです。

アレルギー用ミルクは別で作る

保育園では複数のミルクを一度に調乳するため、アレルギーのある子に一般的なミルクを飲ませてしまわないよう、十分に配慮する必要があります。

一般的なミルクとアレルギー用のミルクは色も似ているため、哺乳瓶に入れて一緒に並べておくと取り違える危険性があります。調乳する際にも、一般的なミルクを調乳したスプーンをアレルギー用ミルク缶に入れてしまうことがないよう、注意が必要です。

同じタイミングで調乳する時は、粉が混ざることがないよう、まずはアレルギー用ミルクを作ってから、他のミルクを調乳するようにしましょう。

温めに電子レンジは使用しない

電子レンジNGのマーク
ミルクを温める際、電子レンジは使わないようにしましょう。温め過ぎればミルクの成分が変化してしまいます。

また、ミルクの温度にムラが生じやすく(ホット・スポット)、赤ちゃんが火傷をしてしまう恐れもあります。冷まし過ぎてしまって温め直したい時には、ぬるめのお湯で湯煎しましょう。

備蓄用ミルクの賞味期限は忘れずにチェック

チェックリストとペン
保育園では災害時に備えて、備蓄用のミルクを準備しておく必要があります。缶やキューブ型などさまざまなミルクがありますが、近年では、そのまま飲ませることのできる液体ミルクを利用している園もあります。

「備蓄してあるから」と油断せず、年に一度は保管場所から出して、賞味期限をチェックしておきましょう。期限が切れそうなミルクは使い切り、備蓄用には新しいミルクを準備しておきたいですね。

調乳の基本を知っておこう

哺乳瓶からミルクを飲んでいる赤ちゃん
ミルクは、赤ちゃんの成長を支える大切な栄養です。保育士は、調乳方法や衛生管理についてしっかりと把握した上で、正しい対応を行っていきたいですね。

乳児クラスの担当になった方は参考にしてみてください。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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