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乳児保育のポイントを解説〜特徴・内容・気を付けること

0歳児クラスの保育風景
赤ちゃんと触れ合う機会がなかった保育者にとって、初めての乳児担当は緊張や心配が付きまとうもの。初めて0歳児クラスを担当する方は、事前に乳児保育の理解を深め、赤ちゃんが安心して過ごせる環境を準備しましょう。今回は、乳児保育の特徴や内容、保育をする上で気を付けることをご紹介します。

乳児保育とは

ミルクが入った哺乳瓶
乳児とは「新生児期を含めた満1歳未満の子ども」と、児童福祉法で定義されています。そのため、保育施設における乳児保育とは「0歳児保育」のことを指します。

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」には、国で定められた最低限の配置基準が示されており、0歳児​クラスに関しては「乳児おおむね三人につき一人以上」と書かれています。自治体によっては配置基準が異なる場合がありますが、最低基準の範囲内で決められています。

また、保育所保育指針では第2章に「乳児保育」に関する項目が設けられています。今回はその項目をもとに、乳児保育の解説を進めていきます。

乳児保育の特徴とやりがい

手をたたいて遊ぶ乳児
保育所保育指針には、乳児保育の特徴が以下のように書かれています。
乳児期の発達については、視覚、聴覚などの感覚や、座る、はう、歩くなどの運動機能が著しく発達し、特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成されるといった特徴がある。これらの発達の特徴を踏まえて、乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることが特に必要である。
出典:保育所保育指針(平成29年告示)/厚生労働省

0歳児は発達のスピードが速く、できることがどんどん増えていきます。そのため保育士は乳児一人ひとりの成長に合わせて、環境を変化させていくことが求められています。

「もう少しで寝返りができそうだから、ちょっと横に玩具を置いてみよう」「はいはいできそうだから、音のなる玩具で呼んでみよう」といった工夫も大切です。

赤ちゃんの眼差しや笑顔、そして成長が見えた時には、幼児保育とは一味異なるやりがいを感じられることでしょう。

保育所保育指針の「乳児保育の3視点」

3本の指を立てて見せている保育士
保育所保育指針には、以下の視点で乳児保育を計画するよう示されています。

【乳児の3視点】
・身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」
・社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」
・精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」
1〜5歳児は五領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)をもとに保育を行います。

一方で0歳児は発達の特性上、ねらいを五領域に分けることが難しいため、先に挙げた3つの視点で捉えています。「生命の保持」や「情緒の安定」といった養護の視点と合わせながら乳児保育を行うことが求められています。

保育所保育指針を見てみると、五領域と同様に、1つの視点ごとにねらいと内容が書かれています。保育計画を立てる際には参考にすると良いでしょう。

乳児保育の内容

保育所保育指針に示されている乳児保育の内容を、3つの視点から見てみましょう。

身体的発達に関する視点

①保育士等の愛情豊かな受容の下で、生理的・心理的欲求を満たし、心地よく生活をする。
②一人一人の発育に応じて、はう、立つ、歩くなど、十分に体を動かす。
③個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めていく中で、様々な食品に少しずつ慣れ、食べることを楽しむ。
④一人一人の生活のリズムに応じて、安全な環境の下で十分に午睡をする。
⑤おむつ交換や衣服の着脱などを通じて、清潔になることの心地よさを感じる。
生活リズムを整え、心地よさを感じながら生活できるように支援しましょう。また、運動機能の発達を促すために、体を十分に動かせる環境を準備することが大切です。

社会的発達に関する視点

乳児とコミュニケーションを取っている保育士
①子どもからの働きかけを踏まえた、応答的な触れ合いや言葉がけによって、欲求が満たされ、安定感をもって過ごす。
②体の動きや表情、発声、喃語等を優しく受け止めてもらい、保育士等とのやり取りを楽しむ。
③生活や遊びの中で、自分の身近な人の存在に気付き、親しみの気持ちを表す。
④保育士等による語りかけや歌いかけ、発声や喃語等への応答を通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つ。
⑤温かく、受容的な関わりを通じて、自分を肯定する気持ちが芽生える。
保育者が受容的で応答的な関わりを行い、子どもたちが安心して自己を発揮できる環境を作りましょう。温かいやりとりが繰り返されることで、信頼関係が育まれていきます。

精神的発達に関する視点

おもちゃで遊ぶ乳児を見守る保育士
①身近な生活用具、玩具や絵本などが用意された中で、身の回りのものに対する興味や好奇心をもつ。
②生活や遊びの中で様々なものに触れ、音、形、色、手触りなどに気付き、感覚の働きを豊かにする。
③保育士等と一緒に様々な色彩や形のものや絵本などを見る。
④玩具や身の回りのものを、つまむ、つかむ、たたく、引っ張るなど、手や指を使って遊ぶ。
⑤保育士等のあやし遊びに機嫌よく応じたり、歌やリズムに合わせて手足や体を動かして楽しんだりする。
子どもたちが身の回りのものに興味を持ったり、自ら関わりたくなるような環境設定を行いましょう。歌やリズムなどに合わせて、表情や体で表現する機会も必要です。

乳児保育で気を付けること

乳児の特性を理解し、安全で発達に合った保育内容を考えたいですね。乳児保育士が意識したいことを見てみましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)

乳児の寝顔
乳児期は、うつぶせ寝による乳幼児突然死症候群に気をつけなくてはいけません。チェック表を用いて定期的に子どもの体勢や呼吸、顔色などを確かめましょう。

誤飲

乳児は物を口に入れて確かめる特性があるため、手の届く範囲に危険なものは置かないようにします。おもちゃの大きさは直径4センチよりも大きい物にしましょう。

怪我

アスレチックルームで遊んでいる0歳児
乳児は体に比べて頭部が大きく、バランスをとることが難しいため、落下や転倒に気をつけましょう。

事故は一瞬で起こります。大切なのは、子どもから目を離さないこと、そして先を予測して環境を整えることです。

個人差

乳児クラスでは、生活リズムや発達状況が一人ひとり異なります。個人差も考慮に入れながら、目の前にいる子に必要な援助を行いましょう。玩具や環境も、それぞれの発達に合ったものを準備します。

保護者対応

0歳児の保護者とコミュニケーションをとる保育士
まだ小さな我が子を預けることに不安を感じている保護者も少なくありません。コミュニケーションを重ね、信頼関係を築いていきましょう。

乳児の発達に合わせた支援をしよう

乳児は成長の速度が著しいため、発達を見越した環境設定が必要になります。大変に思うこともあるかもしれませんが、子どもの成長にやりがいを感じられる仕事です。保育士資格の専門性を発揮しながら、赤ちゃんや保護者との信頼関係を作っていきたいですね。

乳児保育の担当になる方は、参考にしてみてください。

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佐野きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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