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1歳児の発達段階と保育のポイントを解説

白いタオルにくるまっている子ども
適切な保育を行うためには、子どもの発達段階をよく理解しておく必要があります。1歳児は運動機能が大きく発達する時期なので、成長に合わせた環境構成が必要。今回は、1歳児の発達段階と保育のポイントについて解説します。

1歳児の発達段階とは?

木のおもちゃで遊ぶ男の子
1歳児の発達段階について、運動・言葉・睡眠・食事・排泄の5つの観点から確認していきましょう。もちろん発達段階には個人差があり、同じ1歳でも月齢により大きく差が出る場合もあります。これから解説する内容を目安としながら、一人ひとりの成長に合わせて対応していきましょう。

運動

1歳前後から歩き始め、少しずつ歩行が安定していきます。1歳後半には走ったり、両足でジャンプしたりもできるようになります。

つまむ・めくるなど、指先や手首の動きもスムーズになります。保育士や友だちの真似をして動く姿が増える時期です。

言葉

喃語(なんご)から片言を話すようになります。大人の言葉を真似したり、知っている言葉を話そうとしたりします。

大人が話す日常的な言葉を理解し始めますが、自分の気持ちを言葉で表現することはまだ難しいです。

睡眠

1歳になると、少しずつ生活リズムが整い始めます。朝起きる時間や活動によっては午前中に眠たくなる子もいますが、体力がついてくると午後1回のお昼寝で、1日元気に過ごせるようになります。

子どもによっては夜泣きがあるので、家庭と連携しながら子どもの姿に合わせた睡眠時間を確保していきたいですね。

食事

スプーンを持つ保育士と手を上に挙げている子ども
離乳食から幼児食へ移行する時期です。噛んだり飲み込んだりできているか、注意深く観察が必要です。

味覚の発達とともに、好き嫌いが出てくる子もいます。また、はじめはこぼすことも多いですが、スプーンやフォークも使えるようになります。

排泄

おまるや便器にまたがり、トイレでの排泄に少しずつ慣れていきます。タイミングが合えばトイレでおしっこが出ることもあります。

オムツに出たことを教えてくれる子がいたり、早い子では2歳前にオムツがとれる子もいたりします。



保育のポイントは?

1歳児を保育する上で、どのようなことを意識したら良いのでしょうか。保育のポイントを解説します。

ねらいと関わり方

1歳児の主なねらいは以下の通りです。
  • 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ(健康)
  • 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる(人間関係)
  • 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ(環境) 
  • 言葉遊びや言葉で表現する楽しさを感じる(言葉)
  • 身体の諸感覚の経験を豊かにし、様々な感覚を味わう(表現)
出典:保育所保育指針(平成29年告示)/厚生労働省

子どもの主体的な行動を尊重しながら、応答的に関わる姿勢が大切です。さまざまな人やモノと関わる体験ができる環境構成を行い、子どもの意欲を育てていきましょう。

1歳児の姿と対応方法

1歳児は自我が芽生え「自分でやりたい」という意欲が育つ時期です。保育士がやってあげるのではなく、子どもが自分でできるような環境構成が大切です。

できることが増えてくると「分離不安」を感じ、親や保育士に甘える姿が見られます。大人は甘えを受けとめつつ、子どもの主体的な行動をサポートしていきたいですね。

おすすめの遊び・活動例

草が生い茂る地面に座っている子ども
子どもは遊びを通して発達を遂げていきます。ここからは、1歳児におすすめの遊びをご紹介します。

屋外遊び

砂場で遊ぶ子どもと青いバケツ
屋外では開放感を味わいながら、のびのびと身体を動かしたいですね。花や野菜を植えて、自然に触れる機会も作りましょう。

【おすすめの屋外遊び】 
  • 探索
  • 砂遊び
  • すべり台
  • ボール遊び
  • かけっこ
  • 三輪車

 室内遊び

1歳児は身体を動かすことで発達を遂げていく時期なので、座って遊ぶ空間のほかに、身体を動かせる空間が必要です。安全のために、2つの空間は分けておきましょう。

【おすすめの座ってできる遊び】
  • お絵かき
  • シール貼り
  • 積み木
  • ままごと
  • 車や電車のおもちゃ
  • 絵本
【おすすめの室内運動遊び】
  • 体操
  • マット遊び
  • リズム遊び


1歳児クラスの保育で気をつけること(運営面)

滑り台から滑ろうとしている子ども
1歳児クラスでは怪我や事故に配慮したクラス運営を行いましょう。1歳児は動きが活発になりますが、体幹や注意力が十分に発達していないため、転んだり友だちとぶつかったりして怪我をする危険性が高いです。

また、自我が芽生えますが、自分の思いを言葉で十分に表すことが難しいです。そのため、噛みつきやひっかきで表現する姿も多々見られます。

子どもの一人ひとりの発達をよく理解し、安全に過ごせる環境作りと配慮を心がけましょう。

いきいきと遊べる環境を作ろう

いかがでしたか? 子どもたちの発達段階に合わせて、子どもの主体性と安全を保証しながら、いきいきと遊べる環境を作っていきたいですね。1歳児クラスを担当するという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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佐野きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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