午睡(お昼寝)とは

0歳の赤ちゃんは自分のペースで何度も眠りますが、1歳半頃には昼食後の1回のお昼寝リズムが整ってきます。お昼寝は体と脳を休ませるだけでなく、午前中の遊びや学びを記憶として定着させる役割もあります。
保育園では通常、昼食後〜午後3時頃までをお昼寝の時間としています。4〜5歳になると必要としない子も出てきますが、個々の発達に合わせた対応が大切です。
寝かしつけの基礎知識
子どもが眠れない時には、「安心感」「日中の活動」「環境」の見直しが重要です。まずは、この3要素について確認していきましょう。安心感
子どもが眠りにつくには、安心感が必要です。保育士との信頼関係が築かれることで、子どもは安心して眠ることができます。一人ひとりに合わせた寝かしつけをすることも大切ですが、それ以前に子どもとの関係性を深めておくことが大切です。起きている時間帯で一緒に遊んだり、声をかけたりして、子どもが安心して関わることのできる相手になりましょう。
日中の活動

興奮したり、疲労感が強すぎたりすると、寝付けないこともあります。子どもの様子を見ながら活動と休息のバランスを整えることで、午睡時には落ち着いて眠ることができるでしょう。
環境

直射日光が当たらないよう、カーテンで調整します。暗すぎるとチアノーゼや事故などに気付きにくくなることがあるため、適度な明るさに留めましょう。
部屋の隅や保育士の近くなど、落ち着いて眠れる場所が決まっている子もいます。子どものこだわりや特性に配慮しながら、布団を敷く位置も工夫してみましょう。
寝かしつけのコツ
実際に保育士が行っている寝かしつけのコツをご紹介します。迷ったらぜひ、実践してみてください。トントン

ポイントは、トントンのリズムです。1秒に2回程度の速めのリズムを好む子もいれば、心音に合わせたゆっくりのリズムを好む子もいます。
また最初は速めにして、子どもがウトウトしてきたら徐々にゆっくりにしていくという方法もありますよ。
おでこを撫でる
おでこから眉間のあたりを撫でることで安心して眠る子もいます。特に乳児クラスでは、この寝かしつけで眠る子が多く見られます。優しく触れる程度の力で撫でましょう。マッサージ
中には身体をマッサージすると寝付く子も。好むマッサージの場所はそれぞれ。足や指、手など、試しにやってみるのも良いかもしれません。子守歌・オルゴール

また乳児であれば特に、保育士さんの声で子守歌を歌うこともおすすめです。歌うときは音量に注意してくださいね。
添い寝
添い寝で温もりを与えるのもひとつの手。撫でたりトントンしながら寄り添ってみましょう。ついつい保育士さんも眠くなってしまいそうですが、寝てしまわないように注意しましょう。抱っこ・おんぶ・おくるみ

また抱っこやおんぶで寝る癖が付いてしまうと、布団で寝られなくなってしまうことがあります。頻度や時間に注意しながら、少しずつ布団に慣れていけるようにしましょう。
絵本、お話
寝る前に絵本を読んだり、お話をするのもおすすめです。「みんなでひとつ絵本を読んだら寝ようね」と約束をしたり、お昼寝に関する内容のものを読むと良いでしょう。ホワイトノイズ

専用のアプリやCDなどの音源を活用することで、ホワイトノイズを聞かせることができます。音が大きくなり過ぎないように、音量や置き場所に気を付けましょう。
寝かしつけのNG行動・注意点

イライラした様子で寝かしつけをする
子どもがなかなか寝付かないと焦ったりイライラしてしまうこともあるかと思います。しかしイライラした様子で寝かしつけをしたり、強い力でトントンするのはNG。大人の感情は子どもに伝わってしまいます。落ち着いた優しい気持ちで寝かしつけを行いましょう。
「寝なさい」と強制する

そのような状況では大人でも寝られませんよね。一人ひとりの生活リズムを考慮して対応を考えていきましょう。
寝る前に興奮するような活動をする
午睡前に走ったり、大きな声を出したりすると、脳が興奮状態になって、寝付きが悪くなります。寝る前に絵本の読み聞かせを行う際にも、落ち着いて見られるような内容を選び、静かに語りかけるように読みましょう。
寝られない子の対応

とはいえ、みんなが寝ている中で元気に遊び始めたり、走り回ったりするのは困ってしまいますね。クラスや子どもの状況に合わせながら、以下のような対応をしてみるのも良いかもしれません。
- 「お布団にゴロンしていようね。眠くなったら寝よう」と声をかける
- 「静かに読む」ことを約束に、絵本を読んでもらう(別の部屋を用意するのも手です)
- 園内を少し散歩する
眠れない子の対応については園や保育士さんの方針もあるので、一度園長先生や先輩、同僚などに相談してみることもおすすめします。
個々にあった寝かしつけ方法を
寝かしつけに大切なのは「個々に合わせた方法をとる」こと、そして「信頼関係を築いて穏やかな気持ちで行う」ことです。安心できる保育士さんの元で、ゆっくりと午睡時間を過ごせるようさまざまな方法を試してみてくださいね。
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