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寝かしつけのコツと注意点を解説|環境・NG行動・寝ない子への対応

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寝ている子どもと寝かしつけている保育士
 保育士さんの中には、「寝かしつけが苦手」という方も多いのではないでしょうか。子どもたちの中にはお昼寝が好きではない子もいて、個々に合った寝かしつけの方法もさまざまです。今回は、子どもの寝かしつけのコツやポイントをご紹介します。

午睡(お昼寝)とは

ベビーベッドの上から笑顔で寝かしつけをする保育士
お昼寝は子どもの成長に欠かせない大切な時間です。小さな子どもは1日に10〜14時間の睡眠が必要ですが、夜だけでは足りないため、昼間にも休息が必要になります。

0歳の赤ちゃんは自分のペースで何度も眠りますが、1歳半頃には昼食後の1回のお昼寝リズムが整ってきます。お昼寝は体と脳を休ませるだけでなく、午前中の遊びや学びを記憶として定着させる役割もあります。

保育園では通常、昼食後〜午後3時頃までをお昼寝の時間としています。4〜5歳になると必要としない子も出てきますが、個々の発達に合わせた対応が大切です。

寝かしつけの基礎知識

子どもが眠れない時には、「安心感」「日中の活動」「環境」の見直しが重要です。まずは、この3要素について確認していきましょう。

安心感

子どもが眠りにつくには、安心感が必要です。保育士との信頼関係が築かれることで、子どもは安心して眠ることができます。

一人ひとりに合わせた寝かしつけをすることも大切ですが、それ以前に子どもとの関係性を深めておくことが大切です。起きている時間帯で一緒に遊んだり、声をかけたりして、子どもが安心して関わることのできる相手になりましょう。

日中の活動

戸外で遊ぶ園児たち
適度に体を動かすと、自然と眠くなります。午前中に外遊びや体操などの活動を取り入れることで、心地良い疲れを感じ、入眠しやすくなるでしょう。

興奮したり、疲労感が強すぎたりすると、寝付けないこともあります。子どもの様子を見ながら活動と休息のバランスを整えることで、午睡時には落ち着いて眠ることができるでしょう。

環境

カーテンを触っている手
子どもの気持ちがお昼寝へ向くように、環境を整えましょう。部屋の温度や湿度を調整し、季節に合った寝具を用意します。

直射日光が当たらないよう、カーテンで調整します。暗すぎるとチアノーゼや事故などに気付きにくくなることがあるため、適度な明るさに留めましょう。

部屋の隅や保育士の近くなど、落ち着いて眠れる場所が決まっている子もいます。子どものこだわりや特性に配慮しながら、布団を敷く位置も工夫してみましょう。
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寝かしつけのコツ

実際に保育士が行っている寝かしつけのコツをご紹介します。迷ったらぜひ、実践してみてください。

トントン

子どもと添い寝をしている保育士
寝かしつけの中では一番メジャーな方法です。この方法で寝かしつけをしている保育士さんも多いのではないでしょうか。

ポイントは、トントンのリズムです。1秒に2回程度の速めのリズムを好む子もいれば、心音に合わせたゆっくりのリズムを好む子もいます。

また最初は速めにして、子どもがウトウトしてきたら徐々にゆっくりにしていくという方法もありますよ。

おでこを撫でる

おでこから眉間のあたりを撫でることで安心して眠る子もいます。特に乳児クラスでは、この寝かしつけで眠る子が多く見られます。優しく触れる程度の力で撫でましょう。

マッサージ

中には身体をマッサージすると寝付く子も。好むマッサージの場所はそれぞれ。足や指、手など、試しにやってみるのも良いかもしれません。

子守歌・オルゴール

机の上に置かれたオルゴール
午睡時間にオルゴールの音楽を流している園も多いのではないでしょうか。オルゴールの音色が保育室の雰囲気を柔らかくしてくれることで、自然と眠くなる子も多いですよね。

また乳児であれば特に、保育士さんの声で子守歌を歌うこともおすすめです。歌うときは音量に注意してくださいね。

添い寝

添い寝で温もりを与えるのもひとつの手。撫でたりトントンしながら寄り添ってみましょう。ついつい保育士さんも眠くなってしまいそうですが、寝てしまわないように注意しましょう。

抱っこ・おんぶ・おくるみ

赤ちゃんを抱っこして寝かしつける保育士
乳児クラスであれば、どうしても寝られないときは抱っこやおんぶをするのも良いかもしれません。布団やタオルなどを使っておくるみのようにしてあげると、子どもが寝やすくなります。このとき、口元に布団などが覆いかぶさらないように注意しましょう。

また抱っこやおんぶで寝る癖が付いてしまうと、布団で寝られなくなってしまうことがあります。頻度や時間に注意しながら、少しずつ布団に慣れていけるようにしましょう。

絵本、お話

寝る前に絵本を読んだり、お話をするのもおすすめです。「みんなでひとつ絵本を読んだら寝ようね」と約束をしたり、お昼寝に関する内容のものを読むと良いでしょう。

ホワイトノイズ

空気清浄機
換気扇や空気清浄機を起動している時のような「サー」というホワイトノイズは、胎内にいた時に聞いていた音と似ており、リラックス効果があると言われています。また、気になる生活音を打ち消し、入眠を促します。

専用のアプリやCDなどの音源を活用することで、ホワイトノイズを聞かせることができます。音が大きくなり過ぎないように、音量や置き場所に気を付けましょう。

寝かしつけのNG行動・注意点

赤ペンで「NG」にチェックしているところ
正解がなく、いろいろと悩みがちな寝かしつけですが、気を付けたい方法もあります。

イライラした様子で寝かしつけをする

子どもがなかなか寝付かないと焦ったりイライラしてしまうこともあるかと思います。しかしイライラした様子で寝かしつけをしたり、強い力でトントンするのはNG。

大人の感情は子どもに伝わってしまいます。落ち着いた優しい気持ちで寝かしつけを行いましょう。

「寝なさい」と強制する

指差しをしている手
「寝なさい」と怒ったり、無理に身体を押さえたりして寝ることを強制するのもNGです。また、寝るまで横で見張るようにじっと見るようなことも避けましょう。

そのような状況では大人でも寝られませんよね。一人ひとりの生活リズムを考慮して対応を考えていきましょう。

寝る前に興奮するような活動をする

午睡前に走ったり、大きな声を出したりすると、脳が興奮状態になって、寝付きが悪くなります。

寝る前に絵本の読み聞かせを行う際にも、落ち着いて見られるような内容を選び、静かに語りかけるように読みましょう。

寝られない子の対応

笑顔の赤ちゃん
中には「どんな寝かしつけでもなかなか寝付けない…」という子もいるのではないでしょうか。そんなときは、無理をしないことが大切です。

とはいえ、みんなが寝ている中で元気に遊び始めたり、走り回ったりするのは困ってしまいますね。クラスや子どもの状況に合わせながら、以下のような対応をしてみるのも良いかもしれません。
  • 「お布団にゴロンしていようね。眠くなったら寝よう」と声をかける
  • 「静かに読む」ことを約束に、絵本を読んでもらう(別の部屋を用意するのも手です)
  • 園内を少し散歩する
特に乳児は「お布団にいようね」と言っても難しい場合が多いです。目が覚めるタイミングも子どもによってさまざまなため、寝ている子の邪魔にならずに過ごせる空間や玩具を準備しておきましょう。

眠れない子の対応については園や保育士さんの方針もあるので、一度園長先生や先輩、同僚などに相談してみることもおすすめします。

 個々にあった寝かしつけ方法を

寝かしつけに大切なのは「個々に合わせた方法をとる」こと、そして「信頼関係を築いて穏やかな気持ちで行う」ことです。

安心できる保育士さんの元で、ゆっくりと午睡時間を過ごせるようさまざまな方法を試してみてくださいね。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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