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スムーズなおむつ替えのポイントを解説|おむつの種類・手順・注意点

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仰向けになっている赤ちゃん
 おむつ替えは保育者の仕事内容の一つですが、苦手意識を持つ保育士さんも多いようです。また、新人保育士や幼稚園教諭から保育士に転身した先生の中には、「あまりやったことがないから不安」という方もいるのではないでしょうか。今回は、おむつ替えの方法や注意点について解説します。

保育園でのおむつ替えとは

始めに、保育園でのおむつ替えについて見ていきましょう。

おむつ交換のタイミング

時計を持って考え事をしている保育士
排泄の間隔は一人ひとり異なるため、時間に関わらず、おむつに排泄がある時はすぐに交換を行うことが理想的です。

しかし保育現場においては、おむつのチェックを絶え間なく行うことは難しいでしょう。食事や午睡の前後、お迎えの前など、場面の切り替え時におむつを確認したり、交換を行ったりしている場合が多いのではないでしょうか。

排便に関しては匂いで分かることが多いため、気が付いたらすぐにおむつ交換を行いたいですね。

おむつ替えの頻度

使用済みで畳まれた紙おむつ
おむつ替えの頻度は、子どもによって異なります。月齢が小さいほど排尿間隔が短いため、こまめなおむつ交換が必要です。

保育園におけるおむつ交換は、トイレでの排泄が難しい子どもの場合、1日に4〜5回くらいになることが多いでしょう。トイレで排泄しておむつが濡れる回数が少なければ、その分おむつ交換の回数も減ります。

おむつ替えの場所

赤ちゃんのおむつ替えをしている保育士
おむつ交換は、クラスの決められた場所で行います。おむつ交換台やトイレの出入り口付近で行う場合が多いでしょう。

歩けるようになると、便器にまたがって排泄の真似をするようになるため、様子を見守れる場所でおむつ替えを行いたいですね。

また、プライバシーの観点から、ついたてを置くなどして他者から見えないような保育環境の配慮も欠かせません。

おむつのサブスク

「SUBSCRIPTION」と書かれた積み木
従来、保育園では各家庭からおむつを持参してもらう場合が多くありました。しかし近年では、おむつのサブスク(※)を導入している園も少なくありません。

保護者は枚数を確認して用意する手間がなくなり、園側は一人ひとりのおむつを保育室で管理する手間が軽減されます。
※「定額制」や「定期購読」といった意味を持つ英語「サブスクリプション(Subscription)」の略称。定額料金で商品やサービスを一定期間利用することができる。


おむつの種類と取り換え手順

おむつ替えは「毎日のことなのでばっちり!」という先生もいれば、「少し苦手」という先生もいるかと思います。まずは、基本を確認しましょう。

テープタイプの紙おむつ

紙おむつには、テープタイプとパンツタイプがあります。両サイドをテープでとめるタイプのおむつは、ウエストのサイズを細かく調整でき、寝た状態で替えられるため、乳児期によく使われます。

テープタイプのおむつの替え方

  1. 新しいおむつを広げて敷く
  2. その上に子どもを寝かせる
  3. テープを剥がし、古いおむつを引き抜く(※うんちをしている際は、テープを剥がしておむつを開き、おしり拭きできれいに拭きます。使用済みのおしり拭きは、古いおむつの中に入れて一緒に丸めて捨てることができます)
  4. 新しいおむつのテープをとめる
テープタイプ紙おむつの交換手順
このように、新しいおむつを先に敷いておけば、おむつ替え中におしっこやうんちをしても下が汚れる心配がありません。

パンツタイプの紙おむつ

パンツのように履くタイプのおむつは、ある程度立てるようになってから使用することが多いと思います。今回は立った状態での替え方を2種類ご紹介します。

パンツタイプのおむつの替え方①

  1. 子どもに手すりや保育士の肩などを持たせて、しっかり立たせる
  2. 古いおむつを脱がせ、新しいおむつを片足ずつ通して上まで引き上げる
また、次のような方法もあります。

パンツタイプのおむつの替え方②

  1. 子どもに手すりや保育士の肩などを持たせて、しっかり立たせる
  2. 新しいおむつを膝下あたりまで履かせる
  3. 履いているおむつのサイドを破いて引き抜く
  4. 新しいおむつを上まで引き上げる
パンツタイプおむつのサイド部分が破きやすいよう加工されていることを利用した方法です。こちらの方法は、おしっこ漏れ防止として取り入れている園もあるようです。

また、パンツタイプのおむつにうんちをしている場合は、寝かせてからおむつのサイドを破き、おしりを拭くとスムーズでしょう。

布おむつの場合

布おむつ
中には、布おむつを使用している子もいます。あまり多くはいないため、実際に布おむつの交換となると戸惑ってしまうこともあるでしょう。ちょっと難しいので、知っておくといざという時に役立ちそうです。

布おむつの替え方

  1. おむつ(布)を縦半分に折り、さらに横半分に折る
  2. おむつカバーにおむつを載せる
  3. おむつをお腹側へ返して、おむつカバーのサイドのテープをとめる
  4. 脚の付け根部分のおむつがカバーからはみ出さないように収める
おむつがカバーからはみ出ていると、服に染みてしまうことがあるのでしっかりと確認しましょう。
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おむつ替えの注意点

慣れないうちは「はやく替えなきゃ」と焦ってしまうこともあるかもしれません。しかし、おむつ替えの際はいくつか注意しておきたい点があるので、気を付けながら落ち着いて対応しましょう。

脚を引っ張らない

うんちを拭く際に、寝ている状態で脚を上に持ち上げると、赤ちゃんが宙吊りに近い状態になり、膝や股関節、首などに負担がかかります。

赤ちゃんの脚はあぐらをかくような形にして押さえ、おしりを拭きましょう。腰の方まで汚れている場合は、体を横に傾けてきれいに拭き取ります。

テープを締め過ぎない

テープタイプの紙おむつを使用する際、あまり強くテープをとめると、子どもの方もお腹が苦しくなってしまいます。かと言って緩いと漏れの原因になるので、なるべくぴったりと体にフィットさせられる加減を覚えましょう。

また、寝ている状態と立った状態ではお腹の当たり具合が異なるので、その点も確認しながら進めましょう。

拭き残しに気を付ける

おしりふきのケース
うんちを拭き取る場合は、拭き残しがないように丁寧に行いましょう。拭き残しがあると、おむつかぶれの原因にもなります。肛門や陰部の周辺、脚の付け根などは汚れが残りやすいので、しっかり確認が必要です。

また、女の子の場合は、後ろから前に拭くと汚れが尿道に入ってしまう場合があり、衛生上好ましくありません。必ず前から後ろに向けて拭くようにしましょう。

仕上げにギャザーを広げる

おむつを付け終えたら、おむつの内側にあるギャザーをきちんと広げましょう。おむつの中に入り込んでしまっていると、うんちやおしっこが漏れる原因になります。

おむつの外側にもギャザーがついていますが、漏れを防ぐためのギャザーは内側についています。おむつを広げた時に、確認してみましょう。

おむつ替えを作業にしない

赤ちゃんに笑顔で話しかける保育士
おむつ替えは、子どもとのスキンシップとコミュニケーションの時間です。目と目を合わせ、言葉をかけながらおむつを替えましょう。

どのような声をかけたら良いか分からない方は、おむつ替えの実況中継をしてみましょう。例えば、「おむつを脱ぎま〜す」「おしりを綺麗にしていきますよ〜」といった感じです。

おむつ替えも保育の一つです。単なる作業にすることなく、子どもの表情を見ながら丁寧に行っていきたいですね。

丁寧なおむつ替えを心がけよう

最初は慣れないおむつ替えも、経験を積めば手早く行えるようになります。慣れたからといって流れ作業のようにするのではなく、子どもたちとのやりとりを大切にしながら、丁寧に行っていきたいですね。

おむつ替えに挑戦する方は、参考にしてみてください。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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