MENU

クモ鬼(くもおに)【遊び方・ねらい解説】

クモ鬼(くもおに)
定番の遊びの一つである鬼ごっこには、さまざまなバリエーションがあります。いつもの鬼ごっこにちょっとしたルールを加えることで、楽しみ方も変わり、子どもたちがルールの中でどんな作戦を立てたら良いのかを考えるきっかけにもなります。今回は、『クモ鬼(くもおに)』をイラストで解説します。
>>「外遊び・室内遊び」の一覧

クモ鬼とは

オニはうつ伏せの四つん這いになり、逃げる側は、逆に仰向けの四つ足になった状態で行う鬼ごっこです。クモのような動きになることからこの名前で呼ばれています。

普段はなかなかしないポーズで移動をするので、体力や筋力を高めることが期待できますね。膝や手を床につけて遊ぶので、室内で行いましょう。

逃げる側はずっとお尻を浮かせているのは大変なので、「止まっている時はお尻を付いても良い」「この場所に居る時は休憩しても良い」など、予めルールを決めておきましょう。

難易度

★★★★★

対象年齢

5歳児

用意する物・道具

  • なし


遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。
  • ルールのある遊びを友だちと一緒に楽しむ
  • 友だちと一緒に体を動かして遊ぶことを喜び楽しむ

期待される姿

  • クモの真似をすることで、表現力を養う
  • 腹筋、背筋を含めて全身の筋力と持久力を高める

保育士の配慮と援助

  • 遊びをする前に、クモ歩きを日頃の保育で取り入れてみましょう。体の柔軟性が必要です。
  • クモ歩き:仰向け寝てから手を立てて床につけ、足を90度に曲げて、背中は真っ直ぐに伸ばした体勢でクモのように歩きます。前後左右、好きな方向に進みます。
  • この動きは日常生活の中では使われない筋肉や関節が使われるので、運動としてはとてもハードな遊びです。普段あまり行わない動作をするので、準備体操はしっかりと行いましょう。

環境構成

  • 前だけでなく、後ろ向きで逃げるため、十分な広さを確保しましょう。
  • 人数が多い場合は、逃げる子を半分にするなど、保育室に合わせて調整してみるのも良いでしょう。
  • 普段あまり行わない動作をするので、準備体操はしっかりと行いましょう。

クモ鬼の遊び方・ルール

1.じゃんけんでオニを1人決めます

2.オニはうつ伏せの四つん這いに、逃げる子は仰向けの四つ足でお尻を浮かせた状態になります
クモ鬼(くもおに)の遊び方①

3.スタートの合図で、それぞれのポーズのままオニは子どもたちを追いかけます
クモ鬼(くもおに)の遊び方②

4.オニにタッチされたら退場します
クモ鬼(くもおに)の遊び方③

5.オニが全員にタッチをしたら終了です

ポイント

遊びに取り組む上で、工夫をしたり配慮が必要だったりするポイントをまとめました。

動きの見本を見せる

慣れない体勢で行うため、最初は子どもたちも動きのイメージがし辛いと思います。まずは先生がオニ、逃げる側それぞれのポーズをとって、動き方のポイントを伝えましょう。その後に練習の時間を設けて、みんなで一斉にオニの体勢で動いてみたり、逃げる側の体勢で動いてみたりしましょう。

また、いつもの鬼ごっことは異なる体勢になるため、「足でタッチしてはいけない」「腕や足をひっかけないように注意」など、事前のお約束はきちんと伝えておきましょう。

オニを分かりやすくする

体勢が異なるとは言え、同じ四つ足で行うため、オニと逃げる側との見分けが付きにくくなります。オニが誰かを分かりやすくするために、紅白帽を被ったり、ビブスやタスキを付けたりすると良いでしょう。子どもたちが一目で判断できるようにするのがおすすめです。

制限時間を決める

逃げている子どもたち全員をオニが捕まえるのはなかなか難しいので、あらかじめ制限時間を決めておくのも良いでしょう。時間が来たら順番にオニを交代するか、タッチされた子の中から次のオニを決めても良いですね。

アレンジ例

遊びをさらに発展させるアレンジ例をご紹介します。

お尻を付いて良いルールを追加

逃げる側については、ずっとお尻を浮かせているのは子どもの体力的にも大変です。最初は、様子を見ながら「止まっている時はお尻を付いても良い」というルールを追加してみましょう。

また、アレンジとして「この場所に居る時は休憩しても良い」など、安全地帯を設けても良いでしょう。

オニの人数を増やす

参加人数と場所の広さによっては、オニの人数を増やしても良いでしょう。その際は、タッチの判定で揉めてしまう可能性もあるので、先生が審判として入るなどの配慮も必要です。

勝ちの条件を変更する

ルールに慣れてきたら、「逃げている子が最後の1人(または3人くらい)まで残ったら勝ち」「制限時間内で逃げきれたら勝ち」など、勝利の条件を変更してみましょう。子どもたちとオリジナルのルールを考えるのも楽しいので、ぜひ取り入れてみてください。

【関連記事】
ほいくisメンバー登録はこちらから
杉本 綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本 綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

外遊び・室内遊び関連記事
ほいくisメンバーに登録(無料)