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仲裁する?見守る?子ども同士のケンカへの対応と言葉かけのポイント

仲裁する?見守る?子ども同士のケンカへの対応と言葉かけのポイント
保育園や幼稚園での生活の中で、子ども同士がケンカをする場面は数多くありますよね。自我が芽生える時期や、使える言葉が増えて自分の気持ちを伝えられるようになってくると、特に増えてくると思います。今回は、そんなときにどう保育士、幼稚園教諭の皆さんは仲裁するのか、見守るのか、対応のポイントと共にご紹介します。

子どもにとってケンカとは何か? 

子どもたちはさまざまな出来事を経験して大きくなりますが、友だちとのケンカも成長に欠かせない学びの1つです。 

子どもたちの年齢にもよりますが、 
  • 「イヤだ」という気持ちを表現する、言葉で伝える 
  • 友だちの気持ちや思いに気づく、知る、理解する 
  • 自分の思いだけでは友だちとうまく遊べないことを知る 
  • 友だちとやり取りするための言葉を身につける 
  • 自分の気持ちに折り合いをつける 
などを友だちとのケンカの中で体験していきます。 

小学校では子ども同士のやりとりが中心になりますので、 保育園や幼稚園にいる間に、友だちとのコミュニケーションスキルを身につけることが不可欠です。 日々のケンカの中で、子どもたちが言葉や気持ちのやりとりを十分に経験できるようにサポートしましょう。 

仲裁する?見守る?

「ケンカも子どもの成長には大切なこと」と思っても、子ども同士のケンカが始まると、仲裁すべきか見守るべきか迷うことはありませんか? 子どもたちの判断に任せることも大切ですが、時と場合によっては仲裁したほうが良いこともあります。子ども同士のケンカの際の、保育士たちの対応について見ていきましょう。

子どものケンカを見守る3つのポイント 

子ども同士のケンカの際、保育士が取るべき対応を確認しましょう。

①子どもたちに任せて見守る

基本的には、子どもたちに任せて見守りましょう。2、3歳頃になると、次第に言葉も増え始めて子ども同士で伝え合うやり取りも増えてきます。年齢によっては仲裁が必要なこともありますが、まずは子どもたちがどのように解決していくのか見守ってみましょう。

その際は、子どもたちの間にすぐに割って入れる距離にいることが大切です。感情的になって思わず手が出てしまう子もいるので、ケガにつながらないように見守ってください。 

②お互いの言い分を聞く

もし仲裁が必要な場合になったら、お互いの言い分をしっかり聞くことです。「〇〇くんが悪い」など、自分が見たり聞いた情報だけで判断しないことが大切です。子ども同士のケンカでも、お互いに思いは必ずあります。保育士はその思いを対等に聞く立場として仲裁しましょう。

③解決策を出さない

つい「じゃあ、こうしようね」と言ってしまいそうですが、子どもの年齢によっては、ケンカの最終解決策は本人たちに委ねてみましょう。「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、子どもたちの意見を聞いてみると、どう感じているのか知るきっかけにもなりますよね。自分たちで考える機会を子どもたちに与えることが大切です。

仲裁したほうがいい3つの場面と言葉かけ

見守ることが基本とはいえ、中には仲裁をした方が良いこともあります。どのような場合に、仲裁が望ましいのでしょうか。具体的な言葉かけやポイントをご紹介します。

①ケガをする恐れがあるとき

噛みつく、ひっかく、叩くなど、相手がケガをする可能性がある場合は止めましょう。大人には何でもないと思うようなことでも、大きなケガや事故につながってしまうこともあります。「子ども同士だから」と思って見過ごすことは厳禁です。

【言葉かけの具体例】 
  • 噛むのはいけないよ。 
  • ひっかいたらケガしちゃうよ。 
  • 叩きたいほど怒っているんだね。 
【ポイント】 
  •  「良いこと」「悪いこと」をわかりやすく伝えることは大切です。 
  • 噛みつきやひっかきなど、自分の行動がどんな結果になるのか考えさせることは効果的です。 
  • 手を出したいほど怒っている、イヤな気持ちになっていることを共感すると、子どもも気持ちを収めやすくなります。 

②暴言が出たとき

言葉で相手を傷つける場合も仲裁が必要です。言葉で傷つけられたことは、例え子どもでも大人と同じで辛い思いをしてしまいます。暴言が飛び出してしまったときには、なぜいけないのか、相手を傷つけてしまうことなどもしっかり子どもたちに伝えたうえで仲裁しましょう。

【言葉かけの具体例】 
  • 〜という言葉は怖い言葉だよ。 
  • ◯◯ちゃんの顔を見てごらん、どんな気持ちかな? 
【ポイント】 
  • 友だちに投げつけた言葉がどんな言葉なのかを教えるのも、子どもの学びにとって大切です。 
  • 友だちの悲しい表情に注目させることで、相手をどんな気持ちにさせてしまったのかに気づきやすくなります。 

③複数対ひとりで対立しているとき

ある特定のひとりが責められているような状況では、大人と同じで子どもも精神的にプレッシャーをかけられてしまいますよね。この場合、ひとりの子の味方をしたくなってしまいますが、何人であってもまずは話を聞いてみましょう。
【言葉かけの具体例】 
  • 大勢で話したらびっくりするから、1人ずつ話そうよ。 
  • みんなにたくさん言われたら怖いよね。 
【ポイント】 
  •  大勢で感情的になっていると話ができないので、1人ずつ話せるように保育者が橋渡しをしていきましょう。 
  • たくさんの友だちに責められる怖さに共感して、責められている子が少しでも話しやすい環境をつくることも必要です。 
この他にも、子どもからSOSが出されたときには手助けをしましょう。また、年齢によっても見守るべきか仲裁すべきかが異なります。子どもたちの状況を見て判断することも大切になります。

子どもたちの状況を把握してサポートしよう

ケンカは悪いことではなく、子どもたちの成長にもつながる大切な機会。保育士や幼稚園教諭の皆さんは、その場の状況をしっかり把握して子どもたちのサポートができるといいですね。


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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

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