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発達支援施設で聞いた「周囲との関わりが少ない子」への対応とは

遊具を持つ先生
「認定NPO法人発達わんぱく会」が運営している児童発達支援施設「こころとことばの教室 こっこ東野校」の先生に聞く、“気になる子”への対応シリーズ第2弾。今回は、お友だちや保育士など、周囲との関わりが少ない子どもへの対応のポイントを伺いました。

遊び方は年齢で決めない

集団生活の中で、お友だちとの関わりがあまり見られない子もいますよね。そのような子を見たとき、保育士や幼稚園教諭の皆さんはどのように対応していますか? 中には「他のみんなはお友だちと遊んでいるのに…」と気になっている先生もいるのではないでしょうか。

こっこ東野校では、どのような対応をしているのか聞いてみました。

「3歳くらいになるとお友だちとの関わりが増えて…など、年齢的な見方をどうしてもしてしまいますよね。でも、遊び方に年齢はあまり関係ないと私たちは考えています。まだ周囲にあまり興味がないという子もいるからです」

発達のスピードはそれぞれですが、それは遊び方も同じ。お友だちと遊ぶことが好きな子もいれば、ひとり遊びが好きな子もいますよね。まずは、そのような違いを受け止めることから始めるといいかもしれません。




偶発的な場面からの関わり

お友だちと関わって遊ぶ楽しさを感じてほしい、と周囲との関わりが持てるように働きかけている先生も多いかと思います。しかし、なかなかうまくいかないこともありますよね。

「みんなで『これを一緒にやりましょう』というと難しい子でも、“たまたま”他者と関わる形になったという場合もあります。

当校では、風船をうちわで打ち返すのが好きなお子さまがいました。最初はひとりで遊んでいたのですが、たまたまふわっと飛んできた風船を職員が打ち返したら、その後は自分から職員に向かって風船をあげるようになり、自然に打ち合いの形になっていました」
(写真:引っ張りあって遊ぶ玩具)
他者と関わると、また違う遊び方ができるということに気付いたのかもしれませんね。偶発的なものから新しい発見があると、周囲との関わりが少しずつ増えていきそうです。

“同じ空間にいること”を認める

保育園や幼稚園では、集団生活なのでどうしてもみんな揃って動かなくてはいけないときもありますよね。みんなで同じことをするのが苦手な子には、どのような対応をしているのでしょうか。

「みんなで何かをやっているとき、ひとりだけ別のことをしている子もいるかもしれません。でも私たちは、“同じ空間にいるだけで仲間に入っている”という感覚でいます。

みんなと少し離れたところにいる子も、興味があることはしっかり見ていて覚えているんですよ。その子が安心していられる場所があるなら、例えみんなの輪の中に無理にいなくてもいいと考えています」

「見ている、聞いているだけでも十分活動への参加ですよね。隅っこにいるお子さまがいたら、『見てくれているんだね』と声をかけるようにしています。今、その子が関わってくれている形を認める声かけをしてあげたいです」

「自発的に子どもが参加してくれたら」と語ってくれたお二人。“活動に参加すること”ではなく、”同じ場所にいること”を大切にしているのですね。

子どもの想いを汲み取って

周囲との関わりが少ない子どもにも、さまざまな理由があります。ひとり遊びが好きなのかもしれませんし、どう関わればいいのかわからないのかもしれません。その想いを汲み取り、その子に合わせた対応ができるといいですね。


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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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