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カシューナッツの実で風邪を予防する【カノア保育園の生活】

収穫前のカシューナッツの実
ブラジル・カノア保育園の設立ストーリーと並行してお届けしている、ブラジルの文化や地元の生活を紹介するシリーズ。今回は、日本でもおなじみの「カシューナッツ」について。現地の生活には欠かせない食べ物のようです。
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保育園の地元セアラ州の特産品

カシューナッツ。一度は目にしたことがありますよね? 実はこのカシューナッツ。私が住んでいるブラジルのセアラ州の名産品なのです。

「ナッツ」で一括りにされがちですが、ピーナッツは土に埋まっていますし、アーモンドは、桜のようなきれいな花を咲かせた後に、たわわに実る果実の中の種です。ピスタチオはアーモンドと似ていて、木になった実の中の種です。

それではカシューナッツは?




というと、アーモンドなどと同じように木になるのですが、面白いのが、種が実の中に入っているのではなく、実とくっついているということ。

8月の終わりから10月にかけて、私が住む村や近くの森を散歩していると、庭先になっているカシューナッツの実を目にすることが多くあります。もちろん、我が家の庭にもあります。

生活に欠かせないカシューナッツ

砂地であまり栄養がないようにみえる村ですが、当地で「カジュー」と呼ばれるこのカシューナッツの木は、種が落ちると雨も降っていないのに、芽が生えてきます。それほどこの土地と気候に合っているのでしょうね。このカジューの木、実は私が住んでいる村の人たちには欠かせないほど大切なものなのです。

カシューナッツとなる実はもちろん、その上についている果物の部分はそのままでも食べられます。私はよくジャムやジュースにして食べます。カシューナッツとなる部分は油分が豊富に含まれており、オイルにして料理に使ったり、体に塗ったりもします。また、幹の皮を剥いで洋服を染めたりもします。

最近では、果物の部分をジュースにした後に残る繊維をひき肉代わりにして、ハンバーグなども作るそうです。カジューは、村人の生活には欠かせない植物であると言えます。

地元では風邪の予防薬

8月は「風の月」と言われ、乾いた砂を巻き上げることは日常茶飯事です。そうなると子どもからお年寄りまで、気管支が弱い人は特に風邪をひきやすくなります。実はこのカシューナッツの果物部分には、ビタミンCが豊富に含まれており、昔からこの時期に実るこのカジューを食べることで、風邪を予防していたそうです。

その季節になるものを食すと体に良いと日本でもよく言われますが、ブラジルでもそれは変わりません。その時期、その時期に育つ植物を食すことは、体調の管理にも大きく関わっているのです。

10月まではまだ風の強い日が続きます。村人たちはカジューを食し、体調管理に努めることでしょう。私もまた、我が家の庭に実っているカジューを鳥に食べられる前に少しでも収穫し、ジュースにして飲みたいなぁ~と思っています。


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鈴木 真由美(すずき まゆみ)

この記事を書いた人

鈴木 真由美(すずき まゆみ)

保育士。ブラジル・カノア保育園 園長。2000年にブラジル北東部にある漁村カノアに渡り保育園の運営を始める。2006年にカノアでの支援を目的にした「光の子どもたちの会」を設立(2015年にNPO法人となる)。現地の地域力向上を目指して活動中。2児の母。

<光の子どもたちの会HP>
http://criancasdeluz.org/quem_somos_nos/quem_somos_jp.html

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