戸外遊びはどんな時間?
みなさんは、”戸外遊びの時間”をどんな時間として位置付けていますか?園庭で子どもたちが自由に遊んだり、近隣の公園の固定遊具や広場で自由に過ごすという形の戸外遊びが多いと思いますが、よくあるのは、 ”戸外遊びは子どもたちの発散の時間” として設けていることです。
午前中の一斉活動の前後に園庭等で思い切り遊ぶことで、子どもたちが製作などの ”静の活動” に集中しやすくなるとか、散歩でたくさん歩くとお昼寝をしっかりしてくれるなどの理由が挙がると思います。”発散の時間”が良くないということではありません。
しかし”発散の時間”としての戸外遊びから、少し視点を変え、自然に目を向けることで、子どもたちの遊びが豊かになると感じています。
公園での子どもたちの姿
少し前に行った保育園でのことです。その園の子どもたちは、室内では廃材遊びが盛り上がっており、子どもたちが自分で何かを作り出すことを楽しんでいると聞いていました。
しかし、公園へ行った時の子どもたちは、一斉に固定遊具へ行って遊び、固定遊具に飽きると鬼ごっこが始まる・・という姿でした。その姿に、私は勿体無いと感じたのです。
固定遊具や鬼ごっこの楽しさもありますが、遊びがそれ以上広がりにくく、飽きてしまいがち。なので、先生たちは子どもたちを飽きさせないようにと、連れて行く公園を変えているのではないでしょうか。
この園でも、どこへ行って遊ぶかという場所選びに苦労しているようでした。
探究心が発揮される活動
また別の日、先生たちは「面白いものを探しに探検に行こう」と子どもたちに投げかけ、いつもは先生が決める遊び場所も、子どもたちが気になる場所で立ち止まって探検する形で、公園内を散策をしてみることにしていました。すると出発してすぐに、公園の端で子どもたちが朽ちた切り株を見つけました。それをきっかけに、その隅っこのなんでもないような場所でも、子どもたちは何かないかな?と面白いものを探すようになり、子どもたち一人一人が探索活動に没頭し始めました。
ある子は朽ちた切り株を棒で突いて、ボロボロと崩れることを楽しみ、それを見た子は、棒が欲しくなってかっこいい棒探しを始め、足元に落ちていたどんぐりに気づいた子どもたちは夢中で拾い集め、不思議な物を発見した子が「こんなのあった!」と声を挙げると、他の子や先生たちも「なになに?」と集まってきて、それをみんなで観察する・・という姿になりました。
本当に狭い一角で、ギュッとまとまって夢中で遊んでいる姿でした。そして、先生たちも素で楽しんでいました。
そのうち、先生が「ひゃ〜何これ〜?!」と声を挙げ、クラスのほとんどの子どもたちがその声に反応して集まってきました。
見てみると・・落ち葉の下に埋もれていたたくさんのイモムシ!これにはみんなで大騒ぎして、子どもたちは「カブトムシのようちゅうだ!」とか「トゲがある!さされるんじゃない?」と口々に言ったり、自分の足元にもいるんじゃないかと、落ち葉を掘り始める子が出てきました。
このように、この日は子どもたちも先生たちも探究心が発揮され、インパクトのある活動となりました。
戸外遊びの変化
自然の中では、偶然の出会いや偶発的に起きる発見があります。子どもたちそれぞれの興味を満たすものがたくさんあり、子どもたちが自ら考え、探究し、遊びを作り出す姿が現れてきます。
その場にある環境を活かすことで、戸外遊びが ”発散の時間” から、子どもたちの力が引き出される時間となります。それと共に、保育者にとって子どもたちの興味関心を深く知る時間にもなると思います。
きっと、子どもたちの新しい一面を発見するような戸外遊びになることでしょう。
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